自民総裁選4氏の争いに 野田氏が出馬表明―17日告示
自民党総裁選が17日に告示され、12日間の選挙戦がスタートする。野田聖子幹事長代行(61)は16日、推薦人20人を確保できたとして出馬を表明。総裁選は岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、河野太郎規制改革担当相(58)を加えた4氏による争いが固まった。岸田派を除く6派閥は事実上の自主投票を決めており、総裁選の展望は不透明だ。29日に投開票される。
野田氏は16日、出馬の理由について党本部で記者団に「これまで主役になれなかった女性、子ども、高齢者、障害者がしっかりと社会の中で生きていける保守の政治をつくり上げていきたい」と語った。野田氏は衆院岐阜1区選出の当選9回。
岸田氏は経団連の十倉雅和会長と東京都内で会談し、所得倍増を柱とする経済政策を説明。十倉氏は「全面的に賛同する」と応じた。岸田派座長の林芳正元文部科学相は同派会合で、後援会や業界団体を通じて党員への働き掛けを強めるよう要請した。
高市氏は地元の奈良県議団とオンラインで協議。「全てを懸ける。日本経済を一刻も早く立て直したい」と語った。
河野氏の陣営は、石破茂元幹事長や小泉進次郎環境相ら派閥横断の議員約30人が出席し、都内のホテルで「必勝を期す会」を開催。河野氏はビデオメッセージを寄せ、「石破氏や小泉氏らと一緒に次の時代の自民党に改革する」と訴えた。
4氏は選対本部の陣容を決定。本部長は岸田氏が遠藤利明元五輪担当相(谷垣グループ)、高市氏が古屋圭司元国家公安委員長(無派閥)、河野氏が伊藤達也元金融担当相(同)、野田氏が三原じゅん子厚生労働副大臣(同)となった。
一方、各派閥は16日、総会などを開いて総裁選への対応を協議。麻生派は自主的な判断を容認しつつ、岸田氏と同派所属の河野氏を「基本的に支持」することを決めた。二階、石原両派は自主投票とし、上位2人による決選投票になった場合の対応は別途協議することにした。竹下派は会長代行の茂木敏充外相が個々の判断を尊重する方針を示した。
細田、石破両派は先に事実上の自主投票を決めており、領袖(りょうしゅう)が出馬する岸田派を除く6派閥が統一対応を見送る異例の展開となった。(2021/09/16-21:50)