民事裁判手続き、全面IT化 「嫡出推定」も見直し―法制審答申

2022.02.14
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by 時事通信


法制審議会の井田良会長(右)から民事訴訟のIT化などに関する答申を受け取る古川禎久法相=14日午後、法務省

法制審議会の井田良会長(右)から民事訴訟のIT化などに関する答申を受け取る古川禎久法相=14日午後、法務省

 法制審議会(法相の諮問機関)は14日、民事裁判の提訴から判決までの手続きを全面的にIT化する民事訴訟法の改正要綱を、法相に答申した。これを受け、法務省は今国会に改正案を提出、成立を目指す。妊娠・出産時の婚姻状況などに基づき子の父親を決める「嫡出推定」制度の見直しや、親が子を戒めることを認める「懲戒権」の削除を柱とする民法の改正も答申した。
 民事訴訟のIT化をめぐっては、裁判所への持参か郵送が必要な訴状や準備書面について、オンラインでの提出を容認。弁護士など訴訟代理人は義務化する。さらに、口頭弁論や証人尋問、判決言い渡しなどで「ウェブ会議」形式を可能にする。同省は段階的に整備を進め、2025年度中の完全実施を見込む。
 嫡出推定の見直しは、明治時代に民法が制定されて以来初めて。離婚後300日以内に生まれた子を前夫の子と推定する規定は維持しつつ、出産時に女性が再婚していれば現夫の子とみなす。懲戒権に関しては、「しつけ」名目の児童虐待を防ぐため削除し、体罰の禁止も盛り込む。同省は年内の国会提出を視野に準備を急ぐ。(2022/02/14-17:53)

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