刑務官22人、受刑者暴行か 名古屋刑務所、3人に繰り返す―斎藤法相「深刻な事態、厳正対処」

2022.12.09
0
by 時事通信


名古屋刑務所の刑務官が受刑者に対して暴力を振るっていた疑いについて記者会見し、陳謝する斎藤健法相=9日午後、法務省

名古屋刑務所の刑務官が受刑者に対して暴力を振るっていた疑いについて記者会見し、陳謝する斎藤健法相=9日午後、法務省

  • 刑務官が受刑者に対して暴力を振るっていた疑いがあると発表された名古屋刑務所=9日午後、愛知県みよし市

 法務省は9日、名古屋刑務所(愛知県みよし市)の30~20代の男性刑務官22人が、男性受刑者3人に対して繰り返し暴力を振るっていた疑いがあると発表した。斎藤健法相が臨時で記者会見し、「深刻な事態だと重く受け止めている。調査を進め、厳正に対処する」と述べた。
 斎藤法相は冒頭、「被害を受けた受刑者の方に心からおわび申し上げます」と陳謝した。同刑務所では過去に刑務官による暴行死事件が相次いでおり、「再び同じ刑務所で不祥事が起きたことは誠に遺憾だ」とも述べた。
 同省によると、刑務官22人は2021年11月~今年8月下旬、収容棟でそれぞれ、40~60代の受刑者3人の顔や手をたたいたり、アルコールスプレーを顔に噴射したりしたほか、尻をサンダルでたたくなどした疑いがあるという。食器を投げ入れる行為もあったとされる。
 8月23日、60代の男性受刑者が左目付近をけがしていたことから、理由を尋ねたところ、「刑務官に暴力を振るわれた」と説明。食事を差し入れる小窓から胸ぐらをつかまれて負傷していた。その後の調査で、計22人が関与していた疑いが判明した。看守部長1人を含め30代が5人、20代が17人で、大半が採用3年未満という。
 同省の調査に対し、ほとんどが暴力行為を認め、理由について「指示に従わず、大声を発したり、要求を繰り返したりしたため行為に及んだ」などと説明している。(2022/12/09-19:00)

print

人気のオススメ記事