岸田首相、消費増税に当面触れず 国債償還ルール見直し慎重―衆院代表質問スタート

2023.01.25
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by 時事通信


衆院本会議の代表質問で答弁する岸田文雄首相=25日午後、国会内

衆院本会議の代表質問で答弁する岸田文雄首相=25日午後、国会内

  • 衆院本会議で代表質問に臨む自民党の茂木敏充幹事長=25日午後、国会内
  • 衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の泉健太代表=25日午後、国会内
  • 衆院本会議で代表質問に臨む立憲民主党の大築紅葉氏=25日午後、国会内

 首相のに対する各党代表質問が25日午後、衆院本会議で始まった。政権が最重要政策とする少子化対策を巡り、財源確保のために消費税率を引き上げる可能性を問われ、首相は「当面触れることは考えていない」と否定した。防衛費増額に関し、自民党内で浮上する国債償還ルール見直し論にも慎重な考えを示した。
 首相は少子化対策を「最も有効な未来への投資だ」と表明。「年齢性別を問わず皆が参加する、次元の異なる少子化対策を実現したい」と意欲を示し、社会全体で子育てを支える必要性を強調した。立憲民主党の氏への答弁。
 抜本的な防衛力強化に向け、首相は「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している。しっかりした財源が不可欠だ」と説明。5年間で43兆円の防衛費を確保する方針に改めて理解を求めた。
 防衛財源の確保策を巡り、自民党内からは国債の「60年償還ルール」を見直し、毎年の償還(返済)費の一部を財源に充てる案が出ている。これについて首相は「結果的に国債発行額が増加することや、市場の信認への影響に留意する必要がある」と述べ、慎重姿勢を示した。立民の代表への答弁。
 泉氏は防衛財源を賄うために増税する場合は「衆院解散・総選挙で国民の信を問え」と迫った。首相は「首相の専権事項として適切に判断する」と述べるにとどめた。
 自民党の幹事長は、ロシアが侵攻するウクライナを首相が訪問する可能性をただした。首相は「諸般の状況を踏まえて検討する」と含みを持たせた。
 4月で任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁の後任人事について、首相は「(4月の)時点で最もふさわしい方を任命するのが基本。経済動向を見ながら的確に判断する」と説明。政府・日銀の共同声明の見直しに関しては「新総裁が決まっていない時点では控える」と語った。泉氏への答弁。
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を認めた衆院議長について、首相は「説明責任の果たし方は、今後とも自身の判断で適切に対応すべきだ」と語った。大築氏への答弁。(2023/01/25-17:57)

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