美濃加茂市長の再審開始認めず 汚職事件で有罪確定―名古屋高裁

2023.02.01
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by 時事通信


再審請求が棄却され、記者会見する岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長=1日午後、名古屋市

再審請求が棄却され、記者会見する岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長=1日午後、名古屋市

 受託収賄などの罪で有罪が確定し、その後の選挙で返り咲いた岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(38)が申し立てた再審請求について、名古屋高裁(田辺三保子裁判長)は1日、再審開始を認めない決定をした。藤井氏は即日、異議を申し立てた。
 藤井氏は捜査段階から一貫して無罪を主張しており、確定判決が有罪の根拠とした「市長に現金を渡した」とする設備会社社長の供述の信用性を崩せるかが争点だった。
 弁護団は新証拠として、公判で贈賄側供述の信用性を高める証言をした社長の知人2人が「検察官に事実と違うことを思い込まされた」などと証言を覆した陳述書を提出。依頼した専門家による「社長の供述は体験に基づかない」との心理鑑定結果も出していた。
 田辺裁判長は、陳述書について「不自然でにわかに信用し難い」と指摘。鑑定結果も供述の信用性への影響は限定的だとし、いずれも無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらないと判断した。
 藤井氏は記者会見で、証人尋問などがなかったことに触れ、「話くらい聞いてくれてもいいんじゃないか。悔しさというか憤りが込み上げてくる」と話した。(2023/02/01-17:33)

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