臓器移植を無許可あっせん疑い NPO理事を逮捕―初摘発、両罰規定で法人も・警視庁

2023.02.09
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by 時事通信


臓器移植のあっせんをする際に使用された患者名簿やパソコン=9日午前、東京・警視庁蔵前署

臓器移植のあっせんをする際に使用された患者名簿やパソコン=9日午前、東京・警視庁蔵前署

  • 警視庁本部=東京都千代田区

 臓器移植を無許可であっせんしたとして、警視庁生活環境課は9日までに、臓器移植法違反(無許可あっせん)の疑いで、NPO法人「難病患者支援の会」(東京都目黒区)の理事菊池仁達容疑者(62)=横浜市都筑区=を逮捕した。両罰規定で同法人も書類送検した。臓器移植のあっせん業者摘発は全国初。「海外での移植に許可は要らないと思っていた」と容疑を一部否認している。
 逮捕容疑は、厚生労働相の許可を得ずに都内の男性患者をベラルーシに渡航させ、2022年2月に死体から肝臓移植を受けられるようあっせんした疑い。
 同課によると、ベラルーシで肝臓移植手術を受けるのに必要な費用は1700万円程度とみられるが、菊池容疑者は渡航や手術の費用として計約3300万円を男性患者から受け取っていた。
 同法人はホームページで、これまでに百数十人をサポートした実績を強調。「腎・肝・心臓・肺移植の海外渡航に関する支援および情報提供が私たちの活動です」とうたい移植希望の患者を募集していた。移植手術に関する契約は、菊池容疑者がベラルーシで現地の医療機関と結んでいたという。
 同法人では移植をあっせんした患者が手術後に死亡するなどの事例が発生。新規患者への対応を来月、終了すると表明している。(2023/02/09-12:34)

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