誇りの桜並木「復活」 復興拠点の避難指示解除―93%居住可能に・福島県富岡町

2023.04.01
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by 時事通信


見頃を迎えている夜の森地区の桜並木=1日午前、福島県富岡町

見頃を迎えている夜の森地区の桜並木=1日午前、福島県富岡町

  • 【図解】富岡町の特定復興再生拠点区域
  • 福島県富岡町の「特定復興再生拠点区域」の避難指示が解除され、桜並木を見る岸田文雄首相(左から2人目)。右端は内堀雅雄知事=1日午後(代表撮影)

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県富岡町の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の避難指示が1日、解除された。2017年の解除で町面積の約88%が居住可能となったが、今回で約93%に拡大。町民の誇りとなっている桜並木の周辺に住むことも可能となる。
 解除されたのは、夜の森地区を中心とする約3.9平方キロ。同地区は全長2.2キロに及ぶ桜の並木道が名所で、春には多くの観光客が花見に訪れていた。昨年1月、立ち入り規制が緩和され、同4月の「桜まつり」には約2万人が訪れた。町は解除により、さらに多くの観光客訪問を見込む。
 満開の桜の中、旧富岡第二中学校の跡地で1日から「夜の森さくらフェスタ」が開催された。同県郡山市の60代女性は「桜並木が続く光景は見事。ずっと見に来たいと思っていた。震災後も並木道を守り続けてきた人の思いを感じた」と話した。
 午後には、同会場で避難指示解除の記念セレモニーが行われ、岸田文雄首相や内堀雅雄知事ら約20人が出席。山本育男町長は「ようやく町の宝の桜を安心して楽しんでもらえるようになった。課題は山積しているが、全世代が安心して暮らせる町づくりに全力を尽くしていく」と述べた。フェスタは2日まで。(2023/04/01-15:33)

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