MAG2 NEWS MENU

中途採用者の入社初日に「ランチ行こう!」が即戦力を引き出す

中途採用者に企業が求めるのが即戦力としての活躍ですが、これがなかなかうまくいかないのも現実。そんな状況にお悩みの方、『「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術』で紹介されている2つの解決法が役立ちますよ。

「即戦力」にどこまで求めるか

中途採用であれば、当然に即戦力期待します。採用したひとが、入社初日から大活躍してくれたらそんなに嬉しい(楽な?)ことはありません。

ただ、残念ながら現実には中々うまくはいきません。そのパターンとしては大きく分けて2つあります。

● 確かに仕事はできるが、態度が良くない

前職で実績をあげていた人は、プライドが高いことが往々にしてあります。そのプライド邪魔をして、なかなか会社に馴染めなかったり、反感を買ってしまったりします。

そうなると、最初は実績をあげることはできても継続的上げ続けることはできなくなってしまいます。

● 面接での面影は無く、全く仕事ができない

前職での成功体験から、自分のやり方こだわりすぎて中々実績が出ないひとがいます。また、面接で言っていたほどスキルが無かったり、実は実績虚偽だったりすることもあります。

こうなると、本当に大変ですよね。採用してしまった以上は、すぐに辞めてもらうわけにもいきませんし。

では、そうならないためにどうしたら良いかというと、

● 面接時の確認

● 入社後の受入れ体制の整備

の2つをしっかりと行うことです。

まず、面接時の確認についてです。「即戦力を採用したい!」と前のめりになっていると質問がスキルや実績の確認に偏りがちです。

もちろん、スキルや実績も大切ですが、一番重要なのは、「自社でもその実績をあげることができるか」です。

前職での成功体験は、必ずしも自社での成功を保障するものではありません。前述したように、その成功体験にこだわる人ほどなかなか実績をあげることができない人もいます。

やり方が合わないと思ったらすぐに変えることができるような素直さがあるか、新しい環境でもすぐに打ち解けられるコミュニケーション能力を持っているか、などのパーソナルな部分も確認しておきましょう。

そして、そもそもの話になりますが、そのスキル実績本当なのかどうか。

自社が求める理想の経歴で、さらに第一印象がとても良かったりすると、それだけでスキルや実績を信じてしまいがちですが、それが事実かどうかもしっかりと確認しておく必要があります。

さらに、将来のキャリアビジョンも聞いておくべきでしょう。現在のポジションはお互いに良くても、将来的に「やりたいこと」と「任せたいこと」が一致しないと、早期の退職につながってしまう可能性があります。

以上の点は、面接時に必ず確認しておきたいですね。

次が「入社後の受入体制」についてです。

新卒の場合には、入社後研修やオリエンテーションなど、受入体制に気をつかっている会社も多いのですが、中途に関しては挨拶まわり程度だったりします。

ただ、どんなに実力がある中途の人でも、初めてその会社に入社するという意味では、新卒と同じです。会社に打ち解けられるように本人も、もちろん努力をすべきですが、より早く打ち解けるには、受入体制を整備してあげる必要があります。

ある外資系企業では、中途入社用のマニュアルを作成し、社内設備(トイレや喫煙所)の案内だけでなくカフェや飲食店のおすすめスポットまで記載し、初日は必ず、同じ部署の数名と一緒にランチに行くということを実行しているところもあります。

また、なにか困ったときにすぐ相談できるようにメンターを設定したり、他部署との交流を意図的に行うなどの、人的ネットワークを作ってあげる工夫も必要です。

中には「教える時間が無いから」と言う理由で即戦力を期待して、中途採用を行っている会社もあります。

ただ、今までお話したように、それでは採用はうまくいきません。仮にスキルや実績的には即戦力であったとしても、受入側にそれなりの準備手間必要なのです。黙ってても実績をあげてくれるわけではありません。

即戦力」×「準備と手間」で、お互いが協力して、実績につなげていきたいですね。

中途採用は、他社ノウハウ盗むチャンスでもあります。中途入社の社員がせっかく良い意見を言っても「でも、うちのやり方はこうだから」と自社のやり方に固執してしまうのは、非常にもったいない気がします。

なんでも自社のやり方に合わせてもらうというのではなく、ときには他社の良さを活かすために、そのやり方に自社があわせてみるというのも一考してみてはいかがでしょうか。

image by: Shutterstock

 

「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術
人事歴11年、1200人以上の採用に関わってきた元人事担当で現在は人事コンサルティングを行っている著者が、採用を成功に導く情報をお届けします。「理想論だけでは採用はできない」実際の実務担当者ならではの経験談も交えて、お伝えします。
<<最新号はこちら>>

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け