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ニッチなサイトでなんとか収益を上げるための「逆転の発想」

読者からの質問に人気コンサルが答える『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回寄せられたのは、「グルテンフリーに特化したレストランガイド」という、かなりニッチなサイトを運営している方のお悩み。マネタイズさせるにはなかなか難しそうな案件ですが……。

「グルテンフリー専門のレストランサイト」どう集客する?

Question

個人で訪日外国人向けに「グルテンフリーに特化したレストランガイド」のサイトを運営しています。アクセス数は月間15000PV程度です。

最近ではテニスのジョコビッチ選手がライフスタイルに取り入れ、本まで出して少しずつ有名になってきている「グルテンフリー」。簡単に説明しますと、小麦や大麦やライ麦などに含まれているタンパク質の一種です。セリアック病の人はこれを食べると小腸にダメージが出来てしまうのです。アメリカの人口3億人の1%はセリアック病です。

また、セレブも信奉者が多く、レディー・ガガやパリス・ヒルトン、日本ではローラなどがグルテンフリー・ダイエットなどをやっております。

そこで下記質問になります。

・永江様でしたら、このサイトをどのように集客していきますか? PPC広告、地道にソーシャルで広めるなど。

マネタイズ方法はどのようにしていきますか? 電話番号が掲載されていても、言葉の壁で出来ない人が大多数だと思いますので、遠隔で通訳の人を雇い月額課金するなど。

・最終的には世界中のレストラン情報を掲載したいと思っていますが、やり方的にはドミナント戦略がよろしいと思いますか?

永江一石さんの回答

わたしでしたら、サイトにもっとソーシャル機能を付けます。食べログであろうがTripAdviserであろうが台湾のiPeenであろうが、キュレーション的要素が無いと広まっていかないです。

グルテンフリーだからなんでもいいわけではなくて、「グルテンフリーの美味しい店」を探すわけですので、ユーザーはおそらくここで店舗を見つけても、次にTripAdviserで検索して再度調べてそこでお気に入りに登録するでしょう。それでは流出させているだけです。自分のサイトの流入は増えません。

現在はレビュー機能はありますが、FacebookログインはなぜかChromeからですと機能せず、Google+ログインは400エラーになるので登録できないのですね。

単なるレビューではなくて「この人のレビューは面白いから見たい」とか、レビューのよい順に並べ替えたい、iPeenのようにレビューを多数投稿すると順位が上がり、来店レポート(ブログ)を投稿できる、みたいなことができ、それをユーザーがソーシャルで共有できないとなかなか広まらないです。

現在の所はお店側からの告知が一方的に並んでいるだけで、正直使いづらいです。つまりは「客はどういう選択の仕方でお店を選ぶのか」という顧客視点が抜けてる感じもします。

また、グルテンフリーだとあまりにニッチで店舗数も集まらず、ビジネスには乗りにくいでしょう。いっそすべての食物アレルギーに広げ、「食物アレルギーがある人でも美味しい店を探せるサービス」にしたほうがずっと使われるのかなと思います。日本語も「ファミリーテーブル」という程度しかないので、これに「ハラル」「ベジタリアン」「ヒンドゥ」「ビーガン」などもあわせて、「食に制限がある人でも美味しく食べられる店を探すサービス」まで持って行けばかなりのニーズがあると思います。

この場合、店舗を営業で集めても限界があるので、店舗側に登録してもらうか、キュレーターに登録してもらう仕組みが必要でしょう。いずれにせよ「食事制限がある人たち」は、情報交換をしたいわけですので、機能があれば回るでしょう。インバウンドに限らず日本人だってたくさんニーズがありますよ。

来日観光客が増えていると言っても多くは中国、韓国、台湾で、アジアがダントツ。アメリカはその半分しかいません。その観光客だけに絞って、さらにそこでグルテンアレルギーのある人だけに絞ると、1ヶ月に1人来たらいい方にになってしまい、それにたいしてお店が投資するということはないでしょう。

で、ビジネスモデルです。基本的にはPVが最低でも100万を超えないとビジネスには乗らないと思います。また飲食店のコスト管理はかなり厳しくて、広告の営業はかなりのマンパワーがかかりますし、支払いもいいわけではないので入金管理だけで死にます。ぐるなびの社員数は1800人ですよ。

たとえば多言語化だと、メニューを多言語化してQRコードで注文できるサービスがもうあるので、そこの代理店になって多言語化メニューの利用促進をするというのはあると思いますが、食べログのようにお金を払うとPRとして上に上げるサービスがいちばんいいと思います。これだと1ヶ月単位でカード決済なども受け付けられますので……。

image by: Shutterstock

 

『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』
著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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