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東大タレント・木村美紀が教える、「東大推薦枠」の実態

東大大学院修了のタレント・木村美紀さんが、自身のメルマガ『木村美紀が明かす家庭教育の秘策』で、現在の入試を勝ち抜くために考えておきたい推薦入試枠について持論を述べています。入試を控えたご家庭も、まだまだこれからとお考えのご両親にも参考になる情報ですよ。

多様化する入試形態

入試形態を知れば知るほど合格は近づきます。今は昔に比べて、入試形態が多様化しています。

受験は情報戦だから、いろんな情報を入手しましょう。学校、学習塾、先輩、友人、家族……など情報網をつくっておくことは本当に大事です。

例えば、こんな入試選考の結果があります。これは今年12月1日に発表されたある大学の選考結果です。

▽法学部(募集人数約10人、出願数24人、1次通過24人)
▽経済学部(約10、7、7)
▽文学部(約10、10、10)
▽教育学部(約5、9、6)
▽教養学部(約5、17、11)
▽工学部(約30、47、44)
▽理学部(約10、32、24)
▽農学部(約10、12、12)
▽薬学部(約5、4、4)
▽医学部医学科(約3、9、5)
▽医学部健康総合科学科(約2、2、2)

この結果を、あなたはどのように捉えますか? いろんな見方ができるでしょう。

単純にみると、まず出願する時点で、経済学部薬学部定員割れをおこしてしまっています。

だからといって全員が合格するかは分かりませんが、競争率という観点からすると、望みは高いかもしれません。

そして一次選考を通過した割合をみてみると、全員通過した学部もある上に、どの学部も過半数は通過していることから、競争率はそこまで厳しいとも限りません。

学部間で競争率にばらつきはありますが、この数字だけみていると、チャレンジしてみようかな?という気分になってきませんか。

実はコレ、東京大学推薦入試選考結果です。今年から初めて導入されるということで、世間からも大きな注目を浴びてきました。

この選考結果を客観的に伝えた新聞の記事を紹介します。

*読売新聞(12月1日)より以下引用

東大初の推薦入試、149人が1次選考通過

東京大学は1日、2016年度入試で初めて実施する推薦入試の1次選考合格者数を公表した。

全10学部の募集枠計100人程度に173人が出願し、このうち149人が書類による1次選考を通過した。医学部医学科は出願者の半数近い4人、理、教養、教育、工の各学部では3~8人が不合格となった。

一方、法、経済、文、農、薬の各学部と医学部健康総合科学科では、出願者全員が1次選考を通過した。

1次選考合格者は今月19、20日に各学部で行う面接などを受け、来年1月16、17日の大学入試センター試験を受験する。

最終的な合格者は2月10日に発表される」

いかがでしょうか。

まだ面接やセンター試験による選考があるので、最終的な合格者はどうなるか分かりませんが、とても興味深いニュースではないかと思いました。

「意外と通るんだ!」
「人数がそもそも少ないから厳しいな~」
「これはチャンスかも」

感じ方は人それぞれ千差万別でしょう。

まず私が驚いたのは、出願数の少なさです。それには、出願条件が影響しています。

東大の推薦入試に出願できる条件として、以下があります。

・高校の学校長が推薦できるだけの資質を兼ね備えていること
・一つの高校から推薦できる人数は、男女各1人
共学校は、推薦できる人数は、2人(男女1名ずつ)
男子校や女子校は、推薦できる人数は、1人だけ

まず実力がないと推薦してもらえません。それも数学オリンピックで入賞するなどの高いレベルが求められる。

そういう優れた生徒は、有名進学校にかたまる場合もありますが、どんな学校でも男女1人ずつしか推薦できません

例えば、開成、灘、筑駒、桜蔭などの有名進学校は、東大合格数も毎年多く、実力者がひしめきあっているので、各校1名だけとなると、競争率が高くなり厳しい状況になります。

逆に、大学進学者が多くない高校などがあれば、学校の中でのライバルが少ないために、推薦される確率は上がるかもしれません。

大学側としては、一つの高校にかたよることなく、まんべんなく受け入れ体制を整えることによって、多様化をはかるという狙いもあるのでしょうか。

東大の推薦入試の定員は、全学部合わせて100人。一般入試も含めて約3000人が合格することを考えると、割合としては、30分の1くらいのものではあります。

でも、一般入試では1点のラインに大勢がひしめきあって、1点の差で合否を分けるという厳しい戦いが待ち構えているのに比べ、推薦入試ではゆっくり時間をかけて合格できるなら、精神的負担も減ってありがたい道だという考え方もあります。

推薦入試の情報を知っておくことは、損にはならないでしょう。

大学の推薦枠を考慮する

こうした条件をふまえてみてみると、大学の推薦入試を見据えるのであれば、作戦として、中学・高校選びの考え方も変わってくる可能性があります。

このへんの事情は、中学受験をするお子さんへ、親御さんが教えてあげるとよいでしょう。

もし第一志望校の中学や高校に合格できなくても、こういう推薦入試の大学もあるからチャンスはまだまだあるし、ポジティブな見方に変換することもできますよね。

とにかく情報をきちんと知って、その上で総合的に判断すれば、どんな事態がこれからおこっても対処できるのではと思います。

最近では、AO入試もありますね。AO入試は時期がはやいので、もう合格を手にした受験生もいます。

私が勤めている大学では、先に合格した入学予定者を集めて、ウォーミングアップセミナーを実施しています。

11月下旬にそのセミナーが開催され、私も参加してきました。入学にあたってのガイダンスが行われました。

学生同士はほぼ初対面なのですが、1泊2日で食事、オリエンテーション、宿泊生活などを通じて、交流をはかることができた模様です。

私は教員として、1時間の授業を行いました。

大学の授業についていけるか不安…
友達ができるか不安…

そんな不安を解消するためのセミナーを企画したわけです。

脳力をのばす」というタイトルで、総合的な学習法についてお話をさせて頂きました。

4~5人を一組にしたグループワークを行い、共同で考える作業や、議論する機会を通じて、学生同士も交流を深めることができたようです。

入試が終わって未来に希望を託す学生たちは、とてもキラキラとした目をして、生き生きしていました。

このように入試を乗り越えた学生と接していると、入試はただ苦しいものではなくて、未来につながる架け橋なのだとつくづく感じます。

どんな入試のスタイルでもよいので、自分にあった入試形態を選んで、ぜひ未来を切り開いていってほしいなと思います。

image by:  Shutterstock

 

『木村美紀が明かす家庭教育の秘策』
東大在学中にタレントとして活躍した木村美紀が「学び続けたい」と励む意欲の原点は、幼少時の家庭教育にあった!ここだから言える、木村家のユニークな教育メソッドが満載!
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