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不祥事続きの安倍内閣。汚辱にまみれた部分への追及はこれからだ

連日、安倍内閣の大臣や自民党の国会議員らが失言や不祥事によって世間を騒がせています。“育休議員”の辞職にはじまり、丸川珠代環境相の「根拠はない」発言、沖縄北方問題担当の島尻大臣による「なんだっけ」発言などなど枚挙に暇がありません。ジャーナリストの内田誠さんは、自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ』で、最近たて続けに起きた不祥事の兆候は、「甘利明氏の大臣辞職がターニングポイントになった」と分析。今後の追及により、「政官の癒着」など新たな不祥事が徐々に明るみになっていくだろうと予測しています。

~春の嵐~

安倍政権の屋台骨を揺るがす出来事が次々に起こっている。

昨日は、イクメン議員として話題を提供したばかりの宮崎謙介議員が不倫疑惑で議員辞職し、国の除染基準である年間1ミリシーベルトに「科学的根拠はない」と言い放っていた丸川環境相が発言を撤回、謝罪した。若い議員や閣僚だけではない。参議院議員会長の溝手顕正議員は宮崎謙介議員の不倫問題に触れて、「羨ましい人もいるんじゃないか」と軽口をたたき、弁明にあたふたしている。

今週に入ってからは、TPP署名式に和服で出席した内閣府の高鳥副大臣が、ブログで「ブルーチーズは美味しかったです」と書き込んで国内畜産農家の感情を逆なでし、またニュージーランドでの警備態勢を写真付きで暴露してしまい、顰蹙を買って謝罪に追い込まれた。岩城法相法制度についての基本的な質問に答えられず、国会で何度も立ち往生。そして沖縄北方問題担当の島尻大臣は、北方領土の「歯舞諸島」が読めず、会見で「なんだっけ…」と言葉に詰まり、官僚が、かつての船場吉兆の女将よろしく、大臣に耳打ちしてその場を取り繕う始末。

それぞれ重要な問題を含んでいるものの、「お笑い安倍内閣的な出来事が頻発している。

いや、笑い事ではない。

思い返せば、その兆候は、週刊文春が甘利経済再生担当大臣の不明朗な現金授受と口利き疑惑を報じ、甘利氏が大臣辞職に追い込まれた先月末がターニングポイントだったと言えるかもしれない。

政権と与党は、甘利氏自身の辞職でケリを付けたかったのだろうが、追及はいよいよこれからだ。政官の癒着を含め、自民党支配の汚辱にまみれた部分がやがて明るみに出されていくだろう。

それでも、最大の問題は、経済の先行き。政治化した黒田日銀が3発目の「バズーカ」として放ったマイナス金利導入策は、株高と円安を招くはずだったが、世界経済の先行き不安などを背景とする株価の下落と円高の亢進を止めることさえできず、むしろ促進してしまった可能性がある。だとすれば大失敗。しかも、アベノミクスには有効な手立てが何一つ残っていないことを自ら暴露してしまったようなものだった。あとは世界大で飛び回る投機筋に、私たちの「虎の子」である年金積立金が食い荒らされるのを、ただ傍観していることしかできないのか。

宮崎議員の辞職により、4月は補選の月となった。京都3区と北海道5区の衆院補選は、夏の参院選の文字通りの前哨戦として、安倍内閣の残された寿命を占う、格好の試金石となっていくはずだ。

image by: 首相官邸

 

uttiiの電子版ウォッチ

著者/内田誠(ジャーナリスト)
朝日、読売、毎日、東京の各紙朝刊(電子版)を比較し、一面を中心に隠されたラインを読み解きます。月曜日から金曜日までは可能な限り早く、土曜日は夜までにその週のまとめをお届け。これさえ読んでおけば「偏向報道」に惑わされずに済みます。
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