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行き先はNY?在米邦人が語る、大谷翔平がMLBのマウンドに立つ日

NY在住でメルマガ「ニューヨークの遊び方」の著者・りばてぃさんから、あるニュースが届けられました。先日アメリカの地で投球を披露した大谷翔平選手を見たニューヨーク・ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMが大谷獲得に向けて本気で動き始めたようです。ヤンキースの本拠地であるヤンキー・スタジアムで、大谷選手の投球を見られる日は来るのでしょうか!?

「育てる」ことの大切さ

年初からスキャンダルや、事件・事故など暗いニュースが続いているので、明るい話題を1つ。

2月10日、米アリゾナ州ピオリアでキャンプ中の日本のプロ野球チーム、日本ハムの大谷翔平選手が、実戦で初登板し、アメリカのメジャー関係者(GMやスカウトなど)が、50人以上もどっと押し寄せた。

とのこと。

先発した大谷選手は、2回を1安打無失点4奪三振

初登板なのにストレートは最速157キロ

集まったメジャー関係者は、口々に大谷選手のの投球を絶賛し、美辞麗句を並べ立てたという。

しかも、他のどのチームより大谷選手を高く評価しているのは、メジャーきっての名門球団、ニューヨーク・ヤンキースとのこと。

うわー、大谷選手がヤンキースにきたらニューヨークが盛り上がりそう。

でも、それって本当?

気になって調べてみると、ヤンキースの大谷選手への思い入れはかなり本気っぽい

なにしろヤンキースは、松井秀喜がワールドシリーズMVPを獲得した09年以来、ここ6年間、世界一の座から遠ざかっていて、ワールドシリーズに進めてすらいない。

昨年もプレーオフの初戦であっけなく敗退。

2014年にヤンキース入りしたマー君こと、田中将大(たなかまさひろ)投手は、右肘靭帯を痛めながらも、2014年に13勝5敗昨年2015年も12勝7敗とそこそこ結果を残してはいるもののチーム全体としては、ヤンキースは以前ほど強くなくなった。

なぜか?

最大の理由は、主力選手の高齢化らしい。

エースのサバシア投手が35歳、中軸を打つA・ロッドが40歳で、ベルトラン38歳、テシェイラ35歳と30代半ば以降の選手が多い…。

しかも、関係者によると、

「このうちサバシア、ベルトラン、テシェイラの3人は今年限り、A・ロッドは来年で契約が切れる」

という。

でも、そんな状況なのに、このオフ、ヤンキースはフリー・エージェント(FA、自由契約)になった選手を他のチームから獲得する補強を全くしなかった!!!

しかも、なんとこのオフ、FAによる補強をしなかったのは、メジャー30球団中、ヤンキースだけ。

たぶん、日本人の方々は、ヤンキースくらい人気のある名門チームになると、毎年、FAの有名選手を買い漁るのは当たり前、そうしないと熱狂的なヤンキース・ファンが黙ってないんじゃない?などと思うかもしれないが、ところが、実際には、アメリカの野球ファンは、わりと結構、冷静だったりするっぽい。

どうやら、アメリカの野球ファンは、「育てることの大切さを理解しているらしい。

ヤンキースが、FAによる補強をしなかったのは、明らかに意図的なもので、本当の狙いは、ドラフト1位指名の権利を失うFAによる大物の補強を避け、生え抜きやトレードで獲得した若手を育てることにある。

その目標は、96年からの5年間で4回世界一に輝いたあの伝説のジーター選手や、ポサダ選手、ペティット選手、守護神リベラ選手らの生え抜きが中心になっていた頃の布陣。

そこにFAでクレメンス選手やウエルズ選手らの有力選手が加わったことで、当時のヤンキースはより盤石になった。

改めてもう一度、そんな最強の次世代のチームを作ろうというのである。

で、そのカギを握るスーパーエースとして期待されているのが、日本の大谷選手なのだという。

すごい話だ。

関係者の中には、早くも、

大谷獲得に備えて、ヤンキースはいまから250億円とも300億円ともいわれる資金をプールしている。」

という人までいるらしい。

実際、このオフ、ドジャース入りした前田健太選手(27)には目もくれなかったヤンキースのキャッシュマンGMが、早くも「オオタニの名前を連呼して腰を浮かせているそうだ。

ちなみに、大谷選手のポスティングは、約2年後の2017年のオフ・シーズンと予想されている。

ということは、この数年は、ヤンキース・ファンは次世代の最強チームを「育てる」ことを楽しむことになるようだ。

〔ご参考〕

ヤンキースが大谷翔平に大きな期待 獲得に備え300億円を用意か

大谷翔平のポスティングは2017年オフ?MLB移籍関係者の噂に2つの根拠

このお話は、いろいろな意味で興味深い。

まずは、上述のとおり、日本の大谷選手がそのカギを握っているということ。これだけでも日本人ならちょっとワクワクしてくるだろう。

でも、それ以上に興味深いのが、ヤンキース・ファンの反応

一般的なアメリカ人の・・・というか、野球ファンのイメージからすると、もっと短絡的で、近視眼的で、目先の勝利を優先しているのかと思いきや、案外、ちゃんと未来を見据えて地道にコツコツと若手を「育てる」判断を支持している。

もっとも注目を集め、熱狂的なファンの多いはずのヤンキースでも?ビックリ。

そう言えば、ベンチャー投資の案件でも、例えば、Amazonとか、長年に渡ってなかなか利益が出なくても、投資家からちゃんと支えられ続けてきた。

アメリカ的な合理主義は、もしかすると、日本で考えられている以上に、「育てることを重視するものなのかもしれない…。

あと、もう1つ興味深いことがある。

松井秀喜さんの役割だ。

現在、松井さんは、「ヤンキースGM特別アドバイザー」としてニューヨークに住んでいるが、選手時代に、怪我から見事に復活し、ワールドシリーズで歴史に残るほどの奇跡的な活躍を連発したことや、その素晴らしいお人柄などから、ニューヨークでは、スーパーヒーロー扱い。

若いチームを「育てる」うえで、松井さんの役割、特に彼が持っている日本のサムライ精神的なものが、次世代のチームに取り入れられるかもしれない。

〔ご参考〕
ヤンキース、ワールドチャンピオンに! 松井選手がMVP!!!

ニューヨークのヤンキース・フィーバーぶり

感動のワールドシリーズ授与式

ヤンキース球場での松井秀喜選手の引退セレモニー

松井選手の引退記念バブルヘッド(Bobblehead、首振り)人形

あと、ちなみに、スーパーヒーローの松井さんは、引退後、ニューヨークで、草の根の地道な野球の普及活動の一環として、普通の一般人の方々と一緒に軟式の草野球に参加してたりもする。しかも、根っから真面目な松井さんは、たとえ草野球でも手を抜かない。

また、仲間を励ましながらプレーする姿が感動を呼び、

「一般人のチームメートに対しても、ジーターやポサダと接するのと同じように接していた」

などと地元ニューヨークのローカル紙などで報じられていたりもする。

数年後、マー君や大谷選手も一緒になって松井選手とニューヨークで草野球に参加する話題とかも聞こえてくるかも?

〔ご参考〕

松井秀喜氏 草野球で6回途中10K

2015年度第30回JAA外務大臣杯軟式野球大会(公式)

image by: Shutterstock.com

 

メルマガ「ニューヨークの遊び方」』より一部抜粋

著者/りばてぃ
ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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