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外資系企業の面接でやってはいけないこと

みなさん、こんにちは。海外ドラマを中心としたエンタメ系ライターとして、執筆・翻訳活動を行っている堀川樹里です。今でこそ専業ライターですが、以前は、某外資系企業でマーケティング業務を行う傍ら、日本人スタッフの採用面接にも数多く立ち会い、日本から飛び出して海外で働こうと奮闘する多くの方々にお会いしてきました。そんな経験を活かして、今回は、外資系企業面接のポイントをお伝えしたいと思います。面接でよく使われる英語表現も紹介しているので、こちらも覚えておくと役に立つこと間違いありません。

それでは早速、見ていきましょう!

(1) 好印象を与える受け答え
自己紹介では簡潔に「経験」と「能力」をアピールすること!

採用面接で面接官が知りたい事は、ズバリ受験者の「経験」と「能力」。この2つのポイントを押さえ最大限にアピールするのが鍵です。次のように答えましょう。

 

Interviewer:
Tell me about yourself.
Applicant:
I’m an experienced marketing executive with extensive knowledge of Japan Software Market. I am a hard worker and efficient team member in diverse ethnic staff, managing a number of tasks under demanding situations. I am also a self-starter who doesn’t mind working on my own.


面接官:
自己紹介をしてください。
受験者:
私は実務経験豊かなマーケティング・エグゼクティブで、日本のソフトウェア 市場の博識がございます。仕事熱心であり、様々な人種から構成される同僚と チームを組み働くことを得意とし、困難な状況の中でいくつもの仕事をこなし てきました。また、1人で仕事を進められる自発型タイプの人間でもあります。

面接官は履歴書などを見ているため、受験者の学歴や職歴は把握しています。なので、大きな筋で「自分が何をやってきたのか」「自分の持っている能力は何なのか」を簡潔に述べるのがベストです。
「自己紹介をしてください」は外資系企業面接において最初にされがちな質問なので要チェック!

(2) 注意を要する質問その1
よくでる引っ掛け問題はコレ!事前にある程度の答えを用意して

外資系企業面接でも、引っ掛け問題があります。事前にシミュレーションし、焦らず落ち着いて答えるのが理想です。

 

Interviewer:
Why did you leave your last job?
Applicant:
I am interested in a new challenge and an opportunity to use my skills and experience in a different capacity than I have in the past.


面接官:
前の会社を辞めた理由は何ですか?
受験者:
私の持つ技術と経験を生かせる新しい挑戦とチャンスを求め、退職を決意しました。

アメリカでは転職が一般的ですが、企業としては長く働いてくれる人材を求めています。
前の会社を悪く言ったり、上司や同僚とそりが合わなかったなどという愚痴は大きなマイナスになるので、ある程度「ぼかして」答え、面接している企業に対して「どれだけ貢献できるか」をアピールするのがベストです。
他によく出る引っ掛け問題(Trick Questions)を以下に4つ挙げておきます。

What would you like to be doing five years from now?
5年後には何をしていると思いますか?
どれだけ御社に慣れ親しみ、貢献しているか、を上手くアピールするのがコツ。

What is the worst thing you have heard about our company?
あなたが聞いた弊社の情報や話題で、最も悪いと思うものを教えてください。
予想外の状況に陥った時、どれだけ冷静に上手く対応できるかを見ている。

Have you ever had problems with a supervisor or a coworker?
Describe the situation for me. How did you resolve the conflict?
これまでに上司や同僚とうまくいかなかったことはありますか?
その時の状況と、どのようにして解決したかを教えてください。
これも、自分の長所になりえる部分をさりげなくアピールしながら答えるのがコツ。例えば「仕事熱心なあまり完璧を追い求め、同僚にプレッシャーを与えてしまったことがある。だが話し合い、チームワークを見直したことにより、円満に解決できただけでなく、仕事の能率やクオリティーも向上した」など。

What motivates you to go the extra mile on a project or job?
あなたをやる気にさせ、仕事をバリバリ頑張ろうと思わせるもの、励みになるものは何ですか?
昇給やボーナスなどには繋げず、「自分の成果を見て頑張れるタイプ」「難しければ難しい案件ほど頑張れる」と答えるのが良い。

(3) 注意を要する質問その2
要注意!数字の質問には裏がある

数字の質問にはいろいろと裏があることが多いものです。
たとえば「給与交渉」。強気に出て高給与契約できるのは映画の中だけです。 外資であっても「給与は御社規定に従う」がベスト。

 

Interviewer:
What kind of salary do you need?
Applicant:
Well, could you tell me the range for this position?
~ その答えを受けて ~
I’m satisfied at the starting point.


面接官:
希望の給与額はどのくらいですか?
受験者:
御社の給与範囲を教えて頂けますか?
~ その答えを受けて ~
ご提示頂きました初任給で十分です。

質問を利用して給与額を聞き出し、その額で満足と伝えるのが無難でしょう。ただし、最終面接では、具体的な希望額を提示させ調整する場合もあるので、一般的な給与額を把握しておくのも大切です。
その他の「数字の質問」としては、「現在、勤務している(していた)会社の従業員数/年商を教えて下さい」というものがあります。
実はこの質問「企業秘密を守れるか」「自分の専門領域しか興味のない人間か」を見るものです。
会社が公表しているものは正直に正確に回答し、未公表のものは、「Sorry…It’s classified.(申し訳ございませんが、企業秘密ですので…)」と答えましょう。
さて、今回の特集はいかがでしたか?外資系の英語面接であっても、そんなに難しい質問はないですし、ポイントさえ押さえておけば、決して怖いことなどありません!
最後にトリビア的なアドバイスを3つほど…。

3人以上面接官が座っている場合、中央が一番偉い人

対面式の面接の場合、中央に座っている面接官が一番偉い人です。中央の面接官を中心に見ながら、時々左右の方を見るのが好印象を与えるポイントです。

目を見て話すのが苦手な場合は目の少し下を見て

外資系企業で面接官の目を見て話すのは絶対のルール。目を見て話すのが苦手な場合は、目の少し下あたりを見て話しましょう。相手には「自分を見ている」と思わせられます。

答えは簡潔に。どの質問にも60秒以内で答えられるのがベスト

質問の要点を瞬時に掴み、横にそれることのないように回答する練習をしておきましょう。

じつは、これらのアドバイスは某外資系企業の人事部で、何万人もの受験者を見てきた私の父に教わったものです。そんな父がいつも言っていたのは「はじめから落とそうと思って受験者に会う面接官はいない」ということ。緊張する必要など全くありません。

今回の特集が少しでもみなさんのお役に立ち、希望の外資系企業へ見事、転職できれば幸いです。

堀川樹里(ほりかわ・じゅり)プロフィール

海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌で執筆、翻訳。「海外人気ドラマを楽しみながら ビジネス英語力をレベルUP!」(ダカーポ592号)などホビングリッシュ記事なども手掛けている。海外在住歴19年目、豪州→中東→東南アジア→米国を経て、現在は台湾在住。

image by: Shutterstock

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