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「サンタっているの?」という難問に、現役教師はどう答えるのか

大人なら誰もが一度は子供からぶつけられたことがあろう「サンタクロースって本当にいるの?」という難問。慌てておかしなことを答えてさらに突っ込まれる、なんていう墓穴を掘ってしまった経験がある方も少なくないのでは? 今回の『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では、著者で現役小学校教諭の松尾英明さんが、この質問に対するシンプルかつ子供も納得できる答え方を教えてくださいました。

「サンタクロースはいるの?」に対する切り返し

私はずっと決まっていて、「え!? いないと思ってるの?」である。さらに「いると言っている人にはいていないと言っている人にはいないだろうね」と続く。これだと、いる派、いない派、どちらの考えも否定していない。

ただ「いる」と「いない」では、どちらが素敵か。私は「いる」の方だと考える。感情的な話ではなく、論理的に考えても、「いる」。

子どもに対しては、先の回答で基本的に終わりである。「でも、うちのお父さんが…」と追撃してくる場合、きちんと答える。

「サンタクロースだって、全ての子どもには届けられない。そうすると、優先順位がある。自分だったら、どんな子どもから回ってあげる?」

子どもは「貧しい子ども」「普段からプレゼントとかをもらえない子ども」等を挙げる。

「自分は、当てはまってる?」

「う~ん、当てはまらない。」

「そう考えると、豊かな家は後回しなのかもね。お家の人がたくさんプレゼントをくれるからね。その分、他の子どもを幸せにしてくれてるよ。色々してくれるお家の人に感謝しないとね。よかったね」

大体、こんな感じである。つまり、大人にサンタが来ないのは、至極当然である。ヒナ鳥のように口開けて待ってないで、自力で何とかせいということである。白馬の王子様も同様で、欲しいなら王宮に自ら攻め込んで、磨き上げた自分の魅力をアピールするのが大人のやり方である。また話が逸れた。

さて、それでは、何をもって「いる」といえるのか。サンタクロースの重要な存在意義は人々を幸せにすること」である。プレゼントの他に、トナカイやら煙突やら付随するものは色々あるが、メインはとにかくそこである。

つまり、幸せを感じさせる存在がサンタクロースである。12月25日に、幸せになる子どもが世界中に存在しないのか。弁証法的にも、存在するといえる。

サンタクロースの正体が何者なのかという点においては、議論しない。トナカイに乗って空を飛ぶかどうかは、知らない。多くの日本家屋に、煙突はない。そんなことは知らないが、サンタクロースの要件を満たす者は確実に存在するということである。

もちろん、世界中には幸せになれない子どももいるのが現実である。そこに対し、何かしらの手をうつ人もいる。世界の恵まれない子どもに対し、何かしらの施しをしている人がいる。その存在は、その子どもにとって、サンタクロースそのものである。そう考えれば、自分もサンタクロースになれるチャンスがあるのかもしれない。

image by: Shutterstock

 

「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術
著者/松尾英明
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