「アメリカ人は視野がせまくて、アメリカが間違ったこと、悪いことをしているということが想像できない」―。そんな「事実」を淡々と、しかも当のアメリカ人自身が著した書籍が話題となったことをご存知でしょうか。無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんが、南北戦争に関する米国人の誤った歴史観や、慰安婦問題について中立の立場で物を言えないアメリカの歴史学者の問題等々、日本人が知っておくべき「事実」が記された一冊を紹介しています。
『アメリカ人が語る アメリカが隠しておきたい日本の歴史』
マックス・フォン・シュラー 著 ハート出版
Japanese people! Wake up from the masochistic foreign imposed history! こう気合いをいれてくれる、外国人の書いた本を読んだ。『アメリカ人が語るアメリカが隠しておきたい日本の歴史』である。筆者は日本在住のドイツ系アメリカ人、マックス・フォン・シュラー小林。元海兵隊、歴史研究家、結婚式牧師。短文の英和対照が連なった歴史入門テキストの体裁である。とにかく難しくない。わたしでさえ、英文の意味がなんとなく分かる。この表現は英語でそう言うのかと、ちょっと感激する。高校生なら難なく読める英文だろう。とにかく簡単明瞭、曖昧な表現はなくスラスラ理解できる。
章立ては、
- 日本は攻撃的な国だったのでしょうか?
- 日本陸海軍は本当に残虐だったのでしょうか?
- 大東亜共栄圏
- 日韓関係はなぜ修復できなのでしょうか?
- 併合時代の真実
- 日韓問題の現実
- 思い違い
の7つ。淡々と真実を述べるだけである。アメリカ人は視野がせまくて、アメリカが間違ったこと、悪いことをしているということが想像できない。いつも相手の方が悪いと考える。著者はアメリカ人が歴史に固執するのをやめられるか、疑いを持っている。なにしろ、現在でもアメリカ人は1861年から1865年の南北戦争のことで争っている。その戦争の本当の理由を分かっているアメリカ人は殆どいない。
当時のアメリカは南部と北部でまるで文化が違い、様々な問題があった。奴隷制もその中の一つだった。それら軋轢が原因で南部がアメリカ合衆国から脱退し、アメリカ連合国として独立した。北部はそれを許さず、南部を攻撃した。南部はただ独立して北部と関わりを持たないことを望んでいただけだった。現在も北部の人たちは、南北戦争は奴隷を解放した人道的な戦争だと思っているが、それは違う。当時の北部の人たちはそんなことは考えていない。開戦して2年経ち、北部の勝利が確実になった後、リンカーン大統領は奴隷解放宣言を行った。大東亜戦争開始直前の日本は、南軍のような選択を迫られたのだ。
アメリカ人はプロパガンダがとても巧みだ。いまもそれに騙されている日本人が多すぎる。アメリカが日本を戦争に追い込んだ事実を絶対に認めない。アメリカの歴史学者は、虚構の慰安婦問題についても、中立の立場で物を言えない。フェミニストの言い分に異を唱えると失職するからだ。アメリカが日韓の歴史問題に関わるのは大きな間違いである、と著者は断言する。この本ではまた、日韓問題で韓国を強く批判しているが、著者が心から願っているのは「韓国人は、もう日本のせいにするのはやめて、自分たちの社会の問題を自分たちで解決できるようになってほしい」ということである。まことに同感である。
If one tells a truth,it is not hate speech.
海外へ留学する学生、勤務する人はこれくらいの説明を英語でやって欲しい。このテキストを丸暗記すれば立派な日本代表である。
編集長 柴田忠男