ゴールデンウィーク期間中は、普段あまり運転をしない「ホリデードライバー」も多いとか。さらに渋滞も発生するため、「高速道路」で普段は起こらないような事故が多発するそうです。メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストでもある吉田武さんは、「気を抜かなければ防げる事故は多い」とした上で、警察官から直接聞いた、GWに多い「意外な追突事故」、SAやPAで起こる「子どもの飛び出し」などについて、具体的な事例を挙げながら紹介しています。
ゴールデンウィーク中に発生しやすい「高速道路」での事故
4月末から5月上旬にかけて連休となった形でお休みが続くと思いますが、GWは交通事故も結構多かったりします。結構というか、GW期間中は1年を通して最も交通事故死者が多いというのも事実だったりします。
特に高速道路での事故が多発し、長時間の運転の疲労から中央分離帯や壁面へ接触したり、渋滞中にブレーキが間に合わず追突事故が発生したりして、死亡事故へと繋がったりしているのが現状……なんですが、後ろから追突されるのはさすがに防げないですけども、追突する側の過失側は注意力さえ散漫にならなければ防げる事故は多いのです。
渋滞中は何かと車内では退屈になりますから、携帯電話をいじりながらの運転が多くなります。まぁ、渋滞に巻き込まれている状況ですので速度は出てないからと油断して携帯電話をいじっているドライバーを良く見かけますけども、実はそれが危険だったりします。
警察に伺ったエピソードでサンプル的な事例になりますが、意外な追突事故も発生しているとか。
渋滞中にしばらくクルマが動かないことでスマートフォンをいじりはじめたら夢中になってしまい、前方のクルマが動き出しているのに気が付かず、車間距離があいていることから、左や右からそこの車線へクルマが車線変更して来ることが多々あります。車間距離をあけることは決して悪いことではないですが、特に渋滞中では車間距離をあけている車両がいたら別車線の車両がドンドンと横から入ってきてしまいます。入られる側の運転手からするとその状況下では間違いなくイラッとすることもあるでしょう。そして車間距離あけまくっている車両に対してその後続車がイラッとして、クラクションを鳴らします。するとスマートフォンを夢中でいじっている側は「あ、発進しなきゃ!」と慌ててアクセルを踏むこともあるのですが、そのタイミングで左や右から車線変更して自車の前にクルマが入り込まれて追突してしまう接触事故の発生も増えてきているようです。
根本的な部分では、渋滞中も注意力散漫にならないようにすればいいだけのことですので、助手席に乗る同乗者は、自動車が完全に停止している時には運転手にスマートフォンをいじらせるのはいいですけども、渋滞中の車両が全体的に動き出したら、スマートフォンを預かって運転手へ運転に集中するようしっかり呼びかけて走らせるのも重要です。それだけで防げますからね。但し、助手席で寝てしまった場合はそうはいきませんが……。
そんな高速道路での事故なんですが、パーキングエリアやサービスエリアでの事故もGW期間中は特に多いんです。大半は子どもの飛び出し事故なのですが、大型トラックなども休憩のために止まっているわけで、その死角になっている脇から子どもが飛び出しで接触する人身事故の発生は、親御さんがしっかり手を繋いでいれば防げる事故ですので、休憩することからの気の緩みで放任してしまうのだけは注意してください。子どもから目を離さなければ問題ないですけども、駐車場内だけは本当に危ないので10km未満の速度で走れば飛び出しにもなんとか対応できたりします。こんなところでつまんない人身事故なんて起こしたくないですからね。仮に子どもが飛び出してぶつかってきたとしても、クルマを運転している側に大きな過失が発生してしまう弱者救済措置が日本の現在の法律では働きますので気を引き締めてください。
蛇足ですが、このようなSAやPAでの事故は警察を呼ばずに示談で済ませることが多いようです。一応、高速道路上で判別されますので、当事者同士のトラブルが発生してからでは遅いので、そのまま示談にはせず、警察に1本電話を入れるようにしたほうがいいかと思います。
GWは高速道路上での事故が多いですけども、普段から運転をしていないホリデードライバーの方々が多い理由も挙げられます。休日しか運転しないにもかかわらず、ハードルの高い高速道路上での運転で緊張してしまうこともあるそうで、出口を間違えてしまったり、追越車線を走行車線と同じように走行してパトカーに捕まって違反キップ切られたりとか多いと聞きます。
ぶっちゃけますと一般道を走るよりも高速道路を走るほうが交通事故の件数は少ないんですけどね。それでもホリデードライバーの方は注意力散漫にならないよう運転は心がけてください。
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