お金のため、家族のため、自分自身のため。「仕事」をする理由は人それぞれです。世の中には、好きなこと、得意なことを仕事にできている人がいます。著作シリーズの累計が700万部を超えるベストセラー作家、本田健さんが発行するメルマガ『本田健がこっそり教える幸せな小金持ちになるための「お金と仕事」の秘密』の、本田さんがオススメ本を取り上げるコーナー「Ken’s Library」では今回、自分自身の「天職」を見つけるためのメソッドを解説した書籍を紹介しています。天職に巡り会える人は、他の人といったい何が違うのでしょうか?
Ken’s Library ~本田健がオススメする今週の一冊~
(榎本 英剛 (著)、日本能率協会マネジメントセンター)
今週の1冊は、榎本英剛さんの『本当の仕事 自分に嘘をつかない生き方・働き方』です。
著者の榎本英剛さんは、アメリカ留学中にコーチングの資格を取得して2000年にコーチングスクールCTIジャパン(現:株式会社
ウエイクアップ)を設立したコーチングの第一人者です。
活動領域はコーチングにとどまらず、イギリス在住時に出会った世界的な市民運動を日本に普及させるNPO法人を創設するなど、様々な角度から人々に変化のきっかけを提供されています。
そんな榎本さんが書かれた本書は、読むだけで頭が整理され、あなたにライフワークを生きるための気づきやヒントをたくさんもたらしてくれるでしょう。
本書のなかでも、特に共感したコンセプトは、「純粋意欲」というものです。「純粋意欲」とは、自分の奥底から湧いてくるこれがやりたいという気持ちのことで、なぜやりたいのか聞かれても答えるのが難しい意欲だと榎本さんは言います。
榎本さんは本書で「純粋意欲と恋愛は似ている」と述べていますが、私もライフワークと恋愛はとても似ていると考えています。なぜなら、どちらも「好き」という気持ちをベースにしているからです。
多くの人が、一度は「一緒にいるだけで幸せ」「この人に全てを捧げたい」と思うような恋をした経験があると思います。そのときのあなたにとって、彼/彼女は他の人とは明らかに異なる魅力的な人だったことでしょう。でも、みんながその人のことを同じように好きになるかというと、そうでもありません。
自分にとっては目が合うだけでドキドキしてしまうような魅力的な人も、他の人にとっては普通の人、というのはよくあります。つまり、どんな理由も「自分にとっては」であり、本書の表現を借りるならば、最終的には「好きだから好きなんだ」と思います。それをとてもうまく表現したなと思うのが、コカコーラのCMで使われていた「No Reason」というキャッチコピーです。
誰を好きになるか、人によって異なるからこそ世界は成り立ちます。それは、ライフワークでも同じです。あなたがもし何かに強く心を惹かれるのであれば、それはあなたを他の人と同じではない、世界に一人だけの存在になることができます。好きに理由はいりません。ぜひ、あなたの「好き」「ワクワク」を追いかけてください。
本書は、そもそも仕事とは何かというところから始まり、自分がこの世に存在する意義は何か、どうやって純粋意欲を見つけて天職を創造するのか、などライフワークを見つけて形にする上で指針となる視点や考え方が、体系的にまとめられています。
ライフワークを生きたい人、特にライフワークを仕事にしてちゃんと生活を成り立たせたい人はぜひ読んでみてください。
『本当の仕事 自分に嘘をつかない生き方・働き方』
榎本 英剛 (著)
出版: 日本能率協会マネジメントセンター
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