今NYで、1食20万円もする食事を提供するレストランが登場し、話題を集めているようです。世界中のセレブが集うNYならではの話ですが、NY在住で『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者・りばてぃさんは、この超高級レストラン・ブームは「和食にとってチャンス」と断言。NYにおいて日本料理がいかに伸びしろがあるかをわかりやすく解説しています。
日本食の伸びしろ
先日、まさに、ニューヨークが多様であることの象徴的なお話をブログでご紹介した。
それは、北欧のレストランNomaが、1人2,000ドル(20万円)のお食事を出すポップアップレストランをニューヨークに開いたという話だ。
(ご参考)
・NYファッション・ウィーク限定 高級レストラン「NOMA」のお食事、一人なんと2,000ドル(約20万円)!!
これは、9月7~13日までニューヨークで開催中のファッション・ウィーク(ニューヨーク・コレクションとも呼ぶ)に合わせて1日限りでオープン。
ノーマ(Noma)は、「世界で最高のレストラン」(the Best Restaurant in the World)で4回も1位を取ったデンマークの高級レストラン。
ニューヨークには、ノーマの創業者の1人が「Agern」と「The Great Northern Food Hall」をグランドセントラル駅内にオープンしていて、ノーマ関係ということで、オープン当時はかなり話題になった。
(ご参考)
・グランドセントラル駅構内の「グレート・ノーザン・フード・ホール」The Great Northern Food Hall
・Noma Co-Founder Claus Meyer’s Agern Opens Next Week at Grand Central Terminal
そんなノーマの今回のファッション・ウィークという特別なイベントに合わせて、期間限定で特別なレストランをオープンして、特別なコース料理を、かなり特別なお値段で提供するのは、今後、定着して、ある種のブームになったりする可能性は十分にあるだろう。
特別な機会に1人数千ドルの食事が定着したらどうなるのか?
皆さんはどう思う?
たぶん、日本にとってはチャンスかもしれない。
なぜなら、今の時代、特にニューヨークでは、この手の高級感を演出できる料理としてまず最初に思い浮かべるのは、普通、日本食だ。
しかも、日本政府は農林水産物の輸出の促進に力を入れている。
直近のニュースによると、2017年度上半期の日本の農産物輸出が好調。
具体的には、対前年同期比4.5%増の3786億円。
特に日本酒や牛肉が過去最高を更新したそうだ。
ちなみに、輸出先は、1位の香港に続いて2位に米国となっている。
(ご参考)
・今年上半期の農林水産物の輸出、前年同期比4.5%増加(農林水産省)
・農産物輸出好調、1~6月4.5%増 政府目標はなお遠く
日本政府は、日本の農林水産物の輸出の促進のプロモーションのためにも、何かしらの特別なイベントや機会があれば、それに合わせて今回のノーマのように1人数千ドルという高額の特別な和食を提供するポップアップ・レストランをオープンしてみてはいかがだろうか。
その際の場所は、やっぱりニューヨークが良いだろう。
ニューヨークなら、世界中から多種多様の人種や民族が集まっていて、日本では考えられないようなお金持ちやセレブもたくさん。
また、様々な特別なイベントが開催されることも多い。
日本政府は、ニューヨークにある一流フランス・レストランのブーレイのオーナーシェフのブーレイさんを去年6月に「日本食普及の親善大使」(Japanese cuisine ambassador)に任命しているので何かとご協力頂けるだろう。
(ご参考)
・今後、アメリカで日本食食材の「くず」が爆発的にブレイクするかも?
ノーマがスプリングプレイスを借りてポップアップレストランを出したように、日本の名店をブーレイさんが借りてポップアップレストランをオープンしても良いかもしれない。
日本の名店は、1つではなく日本中からいくつもの名店を集めた和食オール・ジャパンのようなチームを作っても面白いだろう。
きっと大きなニュースになると思う。
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