反日感情の高い国として報道されることの多い中国。しかし、今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係研究者の北野幸伯さんが紹介しているとある書籍によると、現在の反日的中国は「旧世界」で、その価値観とは相容れない「新世界」世代の中国人が増えているといいます。日中関係を好転に導く可能性を持つ彼らの特徴とは?
日本の希望、中国には、習近平に洗脳されない「新人類」が2億人
今、とても面白い本を読んでいます。
『大国の暴走 「米・中・露」三帝国はなぜ世界を脅かすのか』
渡部恒雄・近藤大介・小泉悠 著/講談社
これは、3人の天才の対談です。
一人目の天才は、渡部恒雄先生。先生は、日本人でありながら、アメリカ戦略国際問題研究所で、上級研究員だった(ルトワックさんも、このシンクタンクにいました)。当然、アメリカのことは、メチャクチャ詳しい。
二人目の天才は、近藤大介先生です。近藤先生は、宮崎正弘先生と並び、日本でもっとも中国に詳しい研究者です。
三人目の天才は、小泉悠先生です。小泉先生は、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所の研究員をされていた。ロシアの軍事にもっとも詳しい人物として知られています。
米中ロの動向に超詳しい先生方の対談ということで、いろいろ書きたいことが多い。しかし、今回は、一つ「中国関連」で面白かったことをシェアさせていただきます。
中国にある、「旧世界」と「新世界」
近藤先生は、145pから、中国の「旧世界」と「新世界」について触れています。「??????????」ですね。「旧世界」ってなんでしょう? 「新世界」ってなんでしょう?
旧世界というのは習近平総書記を絶対指導者として戴く中国共産党の権威主義的世界で、こちらはひたすら全国民を洗脳しようとしています。
わかります。まさに、日本人のイメージしている、今の中国ですね。では、「新世界」とは??
一方の新世界は、そういう価値観とは全く相容れない若い一人っ子世代の世界。彼らは抗日ドラマなんかに目を向けないし、そもそもテレビ自体観ない。スマホで日本のアニメを観て、ゲームに興じているんです。
なるほど~、「新世界」の中国人は、「抗日ドラマ」を見ないのですね。いったいどのくらいの人が、「新世界の住人」なのでしょうか?
こういう層が人口にして約2億人いて、中間層を構成しています。
2億人!!! ものすごい数じゃないですか??? 「抗日ドラマ」を見ない彼ら。それでも、やはり「反日」なのでしょうか???
彼らは日本にもたびたび旅行に来ていて、日本に来ることでよけいに日本好きになって帰っていくので、どんなに反日教育を受けても全然なびきません。
一人っ子で甘やかされて育っていますから、消費することにも貪欲で、普通の買い物も日系のコンビニで済ませます。
いいですね~。日本を憎悪していない「新世界の住人」が中国の中枢で活躍するようになるとき、日中は、ようやくまともな関係を築けるようになるかもしれません。
というわけで皆さん、日本に来ている中国の人たちに優しくしましょう。彼らは、「新世界の住人」で、将来日本と中国がまともな関係になるよう、尽力してくれるかもしれません。
今日の出所は、本当に面白いので、是非ご一読ください。
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