このところ、すっかり定着した感があるスクリューキャップのワイン。コルクと比べて簡単に開けられるのはイイけど、なんだか気分が盛り上がらないし、味もどこか違うような……。そんな読者の方からの疑問に対して、メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者・しんコロさんは、“場面に応じた使い分け”を提案しています。
スクリューキャップのワイン、味に変わりはない?
Question
店員さんたちはコルク栓じゃなくても味に変わりはありませんよと言いますが、しんコロさんはどう思われますか? コルク栓かどうかがワインを選ぶ基準になりますか?
しんコロさんの回答
ワインのボトルにスクリューキャップが使われるようになったのは、オーストラリアや南米のワインなどを皮切りにここ15年ほどだと思います。最近はヨーロッパのワインでもスクリューキャップを見かけるようになりましたね。
スクリューキャップの利点は、実はコルクよりも密閉性が良く、確実に気密性を保てるということにあります。そのため、時間経過によるワインの劣化などがなく、安定した製品を提供できる点にあります。
コルクもしっかりとしたものならば気密性は高いですが、自然の素材なので一つ一つの形状などに微妙に差があり、ものによっては気密性が悪いものもあります。そういった点で、気密性と安定性という意味では、実はコルクよりもスクリューキャップの方が優れています。
一方で、ワインは昔からコルクというのがイメージがあり、「キュポン」とコルクを抜かないとどうも雰囲気が出ないので、スクリューキャップは好まれない傾向にあります。
味に関しては、スクリューキャップは余計な味がつかず、ワインそのものの味が保たれているのに対し、コルクの栓をしたワインは微妙にコルクの香りがワインに移ることもあると思います。その微妙な風味が古くからあるワインの味の特徴の1つでもあるので、スクリューキャップのワインの味が物足りなく感じることもあるかもしれません。
いずれにしても、スクリューキャップだからといってワインの質が低下したり、劣化したりということはないので、そういった意味では心配はありません。後は、好みやシチュエーションに分けて選ぶのも楽しいと思います。
僕はオーガニックで酸化防止剤を含んでいないワインを飲む時はスクリューキャップのものも選びますし、フランスやイタリアのちょっと良いワインを選ぶ時はコルクのものを選び「キュポン」を楽しんでグラスに注いでいます。
image by:Shutterstock
著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
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