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日本は戦争中と同じ。中国の「反日統一共同戦線戦略」の恐ろしさ

毎回国際事情についてわかりやすく解説してくださる無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんが、3年ぶりとなる新刊を上梓されました。その一番の目的は、メルマガでも複数回に渡って訴えてきた中国の「反日統一共同戦線戦略」を日本全国の一人でも多くの人に知ってもらうためだと言います。北野さんがここまで今の日本に危機感を持つ理由とは、一体何なのでしょうか。

北野が新刊に託した思いとは?

長らくお待たせいたしました。北野の新刊『中国に勝つ日本の大戦略』、ついに発売になりました! 今回は、この本を出した理由を書かせていただきます。

人生が変わった日

2012年11月15日私の人生は変わりました。変わったといっても、「天風哲学と出会って」「チョプラの本を知って」とかとは、意味が違います。昔からの読者さんは、もうお気づきですね。そう、私は中国の「反日統一共同戦線戦略」を知ってしまったのです。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

この内容、「国際関係」を学んできた自分にとっては、「日中戦争を始めます!という宣言に等しいものでした。あれから5年。私は、「戦争中」という意識で暮らしてきました。もちろん、今もです。

「何とかしなければ!」そう思った私は、できることから開始しました。それは、「反日統一共同戦線戦略の存在を知らせることでした。簡単にいえば、メルマガに書きはじめたのです。当時、RPEの読者さんは約3万3,000人(今は5万6,000人強)。

私は、「北野さん、イイカゲンにしてください!!!」と怒られるのを覚悟で、何度も何度も反日統一共同戦線戦略を取り上げました。というのは、人間一回読んだだけでは、忘れてしまうからです。斎藤一人さんも「いい本は、100回読め!」とおっしゃいます。

「反日統一共同戦線」の記事は、全然「いい本(記事)」ではありませんが、「決して忘れてはならない記事」であること、間違いありません。

しかし…

RPEの読者さん3万3,000人(当時)は、「日本と世界は、私が変えてみせましょう!」という気概をもったスーパーエリートさんばかりです。それでも、数が少なすぎました。2012年12月に誕生した安倍政権は中国が仕掛けた罠にドンドンはまっていきます。これは何でしょうか?中国の狙いは、「ロシア、韓国 + アメリカ」で「反日統一共同戦線」をつくり、尖閣沖縄を奪うこと。中国、ロシア、韓国は、「日本と領土問題を抱える国」という「共通点」があります。

しかし、中国とアメリカには、何の共通点もないですね。そこで、中国は、以下のようなロジックを持ちだして、アメリカで洗脳工作を行ったのです。

  1. 安倍は右翼
  2. 安倍は軍国主義者
  3. 安倍は歴史修正主義者

特に最後の「歴史修正主義者」というのは、アメリカに響きます。なぜか? 今の歴史を書いたのはアメリカだからです。つまり、「アメリカは絶対善、日本は絶対悪」だから、「原爆を落としたことも、アメリカは善。日本の自業自得」。こういう「歴史」。これを「正史」とするなら、安倍総理は、明らかに「歴史修正主義者」でしょう?

いえ、私も歴史修正主義者、これを読んでる人も、かなりの割合で歴史修正主義者です。ここで、「歴史は正されなければならない!」とがんばる。わかります。私のような庶民ががんばるのは、何の問題もありません。しかし、日本政府高官ががんばれば??? それは、「中国の罠」なのです! あなたは、習近平の手のひらの上で踊らされているだけなのです。

  1. 安倍は右翼
  2. 安倍は軍国主義者
  3. 安倍は歴史修正主義者

こういうプロパガンダを大々的に流してから中国は言います。「安倍が、これこれこういうことをしたら、私たちが言っていることは、真実と知りなさい」と。それは、

  1. 靖国参拝
  2. 憲法改正
  3. 歴史修正発言

それで、アメリカのオバマさんたちは、「習近平が言っていることが正しいかみてみよう」と観察していた。そしたら2013年12月に、安倍総理が靖国を参拝した。「洗脳」「プロパガンダ」の背景があったので、全世界で大々的な安倍バッシング」が起こった。中韓に加え、アメリカ、イギリス、EU、ドイツ、ロシア、オーストラリア、シンガポール、親日台湾までが、この参拝を厳しく非難。もっとも嘆かわしかったのは、日本政府がその理由を知らなかったことです。

「え~~~、小泉さんは6回参拝したのに、アメリカは批判しなかったじゃないか!? なんで今回は、アメリカのみならず、全世界が非難するのだ??」

私は、「こりゃダメだ…」と思いました。

逆転

しかし、安倍総理は運がいいのでしょう。中国の戦略がまさに成就しつつあったその時、「歴史的事件」が起こって救われたのです。「歴史的事件」とは、ロシアによる「クリミア併合」のことです(2014年3月)。これで、オバマさんは安倍総理と和解した。というのは、日本を「対ロシア制裁網」に加えなければならない。

そして2015年3月、AIIB事件が起こって、アメリカは世界的に孤立します。イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、韓国など、親米国家群がアメリカを裏切って中国についた。

ただ日本だけはアメリカを裏切らなかった

逆に、総理はアメリカに飛び、「アメリカは、世界の希望だ!」と宣言します。これで、日米関係は劇的に改善され、今に至っています。

さて、この期間、私は、「せっせせっせ」と「累積戦略」を続けてきました。メルマガの読者数が2012年末の3万3,000人から、現在の5万6,000人まで増えた。さらにありがたいことが起こりました。2014年4月からダイヤモンド・オンラインの連載がスタートしたのです。超メジャー執筆陣が集結するダイヤモンド・オンライン。私のようなマイナー筆者でも、編集者さんによると、多い時で「55万人が読みました」というのです。つまり、55万人+メルマガ読者5万6,000人で、だいたい60万人強は、「反日統一共同戦線戦略のこと知っているのかな」と思います。

新刊に託した思い

さて、私の3年ぶりの新刊中国に勝つ日本の大戦略』が発売になりました。この本の目的。一つ目は、「反日共同戦線戦略」の存在を、日本全国に伝えることです。自分の本について、こんなことをいうのもなんですが、「大ベストセラー」になって欲しいと思います。それだけ、「反日統一共同戦線戦略」の認知度がアップするからです。

二つ目の目的は、「中国に戦闘なしで勝てる超現実的な戦略を提示することです。皆さん、中国の戦略、「敵ながらあっぱれ!」と思いませんか? 何といっても、中国、アメリカ、ロシア、韓国で、一体化して「日本を叩きつぶそう!」というのです。一方、日本はどうです?

これは、戦略というよりは、「信念」の類でしょう? 「平和主義なら、中国は攻めてきません」というのがホントなら、なぜ究極の平和主義者チベット人は100万人も殺されたのでしょう? そう、日本にはまともな戦略がないのです。だから、中国に勝てる【超現実的な戦略】を、新刊で提示します。

すでに新刊を読まれた国際派日本人養成講座の伊勢先生は、この戦略について、アマゾン・レビューで、こう書いてくださいました。

この本で説かれた道を、日本人が国民的合意とし、それを長期安定政権が実行することを願ってやまない。

そして、この本を出した最大の目的。それは…。日本国を守ることです。伊勢先生のアマゾンレビューは、こう続きます。

我々の子孫にチベット国民のような悲劇をあじあわせないために。

まさに。新刊発売にあたり、私は、満州で亡くなった祖父に言います。

「じいちゃん。今度は、知恵を使って、戦わずに勝つからね! 見守っていてください」

まもなく7歳になる娘、3歳になる息子は、何も知らずにまとわりついてきます(娘の小学校は、インフルエンザ流行で、閉鎖中)。

「遊んで~~~~~~~~~~~~~!!!」

私は、「ちょっと待ってね。終わったら遊ぼうね」と言い、扉を閉めました。そして、自分に問いかけます。「あの子たちに、明るい未来を残せるかな?」

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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