「子供が食べてくれない」という、多くの親に共通する悩み。しかし「食べないから食べさせなくては」と思うのではなく、「なぜ食べないのか」を考えながら、食べるようになる生活習慣を作ることも重要です。今回の無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、「食べてくれない子供が食べるようになる生活習慣の作り方」をレクチャーしています。
食―食べてくれない
「子どもが、ご飯をしっかり食べてくれない」との悩みを聞くことがあります。実際に、「ほとんど食べようとしない子どもと、何とかして食べさせようと頑張る親」という場面に出会うことも、少なくありません。
体に良い食べ物を、規則正しく摂ることは、言うまでもなく大切です。一般的には、幼児であれば1日3.5食ですね(3食+おやつ←おやつは食事の一部と考え、スナックや甘いものよりもおにぎり・蒸かし芋・うどんなどが適しています)。だから、食事の時間に食べない子どもに対して、「何とか食べてもらいたい!」「ちゃんと食べさせなきゃ!」と思う気持ち、よーく分かります。
ただし、食べない子どもへどのように対応するかについては、すこし違ったアプローチをお勧めします。
原則1は、至ってシンプル。「食べないなら、食べさせない」です。
まず最初に確認したいのは「なぜ子どもは食べようとしないのか」。意外と見落としがちな点ですが、問題の核がここにあります。「食べるべきなのに、食べようとしない」と誤解してしまうと、食べさせようと追いかけ回すことになってしまいます。しかし本当は、「体が食べるべきコンディションにないから、食べようとしない」なのです。
- 食べたがらない=食べる必要がない=食べない方が良い
食事以外にも言えることですが、ここはもっと「身体の声」を信じて良いポイントです。こんな時に親が追いかけ回して食べさせようとすることは、むしろ「食べるのを拒否すれば親が構ってくれる、食べるまで手を掛け、声を掛け、追いかけ回して構ってくれる」とのヘンな成功体験になってしまう恐れさえあります。ここは落ち着いて「今は必要ないんだな」と理解してあげましょう。
原則2は、「食事の時に空腹になるように生活する」。適切な食事量は、子ども個人によっても、季節・体調によっても異なりますが、少なくとも「その子にとっての適量」が、食事のタイミングで摂れるようには生活リズムを組み立ててあげたいものです。具体的には、間食を控えることと、体を動かして活動させてあげることの2つに気をつければ充分でしょう。
「間食を控える」とあっさりと書きましたが、実はこれが難しいことが多く、相当の覚悟が必要です。陥りがちなパターンは、
昼食をシッカリ食べない→午後にお腹が空く→眠気と空腹で、かなりひどくグズる→親はあんまりてこずるので、やむなくお菓子→やっと昼寝→おやつはそれなりに食べることもあるけど→夕食をシッカリ食べない→…
との悪循環。子どもの健康な発育を願うなら、心を鬼にして昼食後の間食をやめてみてください。また、食事が済んだ後になって「やっぱりもうちょっと食べる」という習慣がある子は、それも断ちましょう。数日間は大変な苦労をすると思います。ですが、徐々に生活リズムが整ってきますし、子どもも「ご飯の時にしか食べられない」と理解してきて食生活が改善してくると思いますよ。
どこかのタイミングで、
意志を強く持って、お菓子は出さない
→さすがに空腹で、夕食をシッカリ食べる
の好循環に切り替わることを信じて、取り組んでみてくださいね。
なお、ある程度大きい子であれば、先に宣言してから実行するのも良い方法です。
「パパはね、ショウタがいつも元気で、もりもり大きくなったらいいなぁと思っているんだ。そのためには、ご飯の時間にちゃんとご飯を食べることが大事だとパパは思う。でも最近ショウタは、お菓子は食べるのにご飯の時間にはあまり食べないから、パパは心配なんだ。だからパパ、決心したよ。今日から、お菓子はショウタにもあげないし、パパも食べない。ご飯の時間は、好きなだけご飯を食べていいけど、ご飯の時間以外はショウタが『食べたい』って言っても何もあげないことに決めたんだ」
宣言したことは、シッカリやりきりましょう!そうすれば、子どもの健康な食習慣に加えて、「有言実行」「約束を守る」「目標→努力→達成」の良いお手本を見せてあげることにもなりますから!
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