仕事に対する姿勢、スタンスは人それぞれなもの。ですが、どのように取り組むかで、例えば10年後に得られる結果は大きく違ってきますよね。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、片岡鶴太郎さんと朝倉千恵子さんの対談を通して、イソップ寓話『3人のレンガ職人の話』の10年後の姿が紹介されています。3人の職人たちはどのように変化したのか…、そこには感動的な教訓が含まれていました。
あなたは何人目のレンガ職人ですか?
「3人のレンガ職人の話」を知っている方、きっと多くいらっしゃると思います。旅人が3人のレンガ職人に対して、「何をしているんですか?」と問い掛け、三人三様の答えが返ってくるあのお話です。
では、このお話にはまだ続きがあることはご存じでしょうか?
気韻生動 片岡鶴太郎(俳優/画家)×朝倉千恵子(新規開拓社長)
朝倉 「3人のレンガ職人のお話ってご存じですか」
片岡 「ぜひ聞かせてください」
朝倉 「中世のヨーロッパで旅人が3人のレンガ職人に出会うんです。旅人が『何をしているんですか?』って聞くと、1人目は『親方の命令でレンガを積んでいるんだよ』と面倒くさそうに答え、2人目は『レンガを積んで壁をつくっているんだ。大変だが賃金がいいからやっているんだ』と答えました。
けれども3人目は『完成まで100年以上かかる教会の大聖堂をつくってるんだ。完成すれば多くの信者の拠り所となるだろう。こんな仕事に就けて本当に光栄だよ』と答えたんです。
3人のやっている仕事は一緒です。でも志が違うんです。1人目は言われたからやっているだけで、2人目は食べるために否応なしに働いていて、2人とも目の前の壁の部分しか見ていない。
けれども3人目は、歴史的な事業に参加して多くの人を喜ばせたいという目的意識を持って仕事をしている。しかも、自分が完成を見届けることのできない100年先を見据えて仕事に取り組んでいるんです」
片岡 「見据えているものが、他の二人と全然違うわけですね」
朝倉 「ここまではご存じの方も多いんですけど、実はこの話には続きがあるんです。10年後にこの3人はどうなったか。
1人目は相変わらず文句を言いながらレンガを積んでいました。2人目は、賃金は高いけど危険の伴う屋根の上で仕事をしていました。そして3人目は、現場監督として多くの職人を育て、出来上がった大聖堂には彼の名前がつけられたんです。
私はこのエピソードを読んだ時に、涙が出るくらい感動したんです。『これだ!』って。
自分は3人目のレンガ職人になりたい。教育を通して日本を、アジアをよくしたい。そして私の後も100年続いていく、志のある仕事をしたいと思ったんです」
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