シンガポールにて6月1日、韓国国防相と非公式会談し満面の笑みで握手した岩屋防衛大臣に批判が集まっていますが、韓国内では「日本の大臣がレーダー照射事件は棚あげでOK」と、譲歩したかの様な報道もあるようです。その存在を突き止めた、AJCN Inc.代表で公益財団法人モラロジー研究所研究員の山岡鉄秀さんは、自身の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』に、事の真相究明の為、岩屋大臣に送った「2つの質問」を記しています。
日本のメディアが報じない、岩屋毅防衛大臣の「文在寅称賛」発言
全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。
またまた岩屋毅防衛大臣が物議を醸しています。今度は、英国国際戦略研究所(IISS)がシンガポールで主催するIISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に参加の6月1日、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と非公式会談し、自ら「レーダー照射問題を棚上げして未来志向の関係を築こう」と提案したというのです。
おまけに、鄭国防相と満面の笑顔で握手する写真まで披露され、自民党内からも厳しい批判の声が上がっています。
いったい岩屋大臣は何のつもりで何を言ったのでしょうか?
私が代表を務める「日本エア野党の会」では、いつもの通り、韓国でどのように報じられたかを、韓国語の原文にあたって検証することにしました。すると、韓国では日本で報道されていない岩屋大臣の発言が報じられていることがわかったのです。
エア野党では、岩屋毅議員事務所に事実確認を求めるレターを送りました。ポイントはふたつに絞りました。
まず第一点は、岩屋大臣は本当に「レーダー照射問題を棚上げにするような提案をしたのか?」という点です。
6月3日付の朝鮮日報には次の記述がありました。
岩屋防衛相は“(レーダー問題は)どちらかが譲歩して答えが出る状況ではない”とし、“我々の見解に変わりはないが、未来志向的な関係を作るために一歩踏み出したい”と述べた。
これが事実なら、岩屋大臣は勝手にレーダー問題を棚上げにして、これまでどおり交流しよう、と提案した、つまり、日本側が折れて歩み寄る姿勢を見せたと解釈されても仕方ありません。
本当にこのような発言をしたのか?それが第一の質問です。
第二点は、日本国内では報道されていない岩屋大臣の発言に関する事実確認です。
6月2日、韓国の聯合ニュース(韓国語オリジナル)で下記の報道がありました。
● 聯合ニュース
韓米日国防相“非核化への外交努力で緊密に協力…国連決議の徹底履行”
送稿時間|2019-06-02 13:20
この記事の中で、以下の記述があります。
岩谷防衛相は、米朝間の1回目の首脳会談は“たくさんの期待と希望を与えた”、“文在寅大統領に深く感謝を表する”と述べた。
(山本光一訳)
この発言が事実ならば、日本は、今後も韓国に米朝の「仲裁」を期待するという意思を示したと解釈される恐れがあります。
周知のとおり、親北主体思想信奉者の文在寅大統領に米朝仲介の能力はなく、2月の米朝会談後は北朝鮮からも協議を拒否されている有様で、現時点でこのような発言を行うことは不適切と言わざるを得ません。
奇妙なことは、この岩屋大臣の文在寅称賛発言が、聯合ニュースの韓国語版と中国語版だけで報じられており、日本語版からも英語版からも抜け落ちていることです。
聯合ニュースによる捏造の可能性もあるわけですから、岩屋大臣は本当にこのような発言をしたのかどうか、自ら明確にする必要があるでしょう。これが第二の質問です。
もし、聯合ニュースによる捏造報道だった場合は、岩屋大臣は断固抗議すべきです。
岩屋大臣は自らの言動について「全く問題ない」と弁明しているようですが、価値判断の前に、厳密な事実確認を行うのが先決ではないでしょうか?
岩屋議員事務所には迅速で誠意ある回答をお願いしたいと思います。
山岡鉄秀 Twitter:https://twitter.com/jcn92977110
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