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無事に年を越せるのか?この冬、新型コロナ「第3波」を乗り切る方法

北日本を始めとする地域で新規陽性者数が急増し、第3波の懸念が高まる新型コロナウイルスによる感染症の流行。さらに感染リスクが高まるこれからの季節、我々はどのような予防手段を取るべきなのでしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では著者で健康社会学者の河合薫さんが、これまでに明らかになっている新型コロナウイルスの様々な情報を改めて紹介するとともに、感染防止策をアナウンスしています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

“第3波”を乗り切るには?

新型コロナ感染拡大の“第3波”が始まりそうです。

北海道では2日の感染者は計96人で、うち札幌市が83人。新規感染者は過去最多を更新し、道内の感染者はのべ3,349人(3日時点)に達しました。

青森県でも10月14日時点の感染者は累計41人でしたが、今月に入り245人(3日時点)と6倍に急増しました。また、宮城県でも実効再生産数が2.26(31日時点)になるなど、北日本で感染拡大が爆発しているのです。

すでに報じられている通り、欧州各国では第2波を迎えており、ドイツ、スペイン、イギリス、イタリア、フランスでは連日1万人を超える感染者が報告され、多くの国で外出禁止などの措置がとられています。

新型コロナは「気温が低い」「湿度が低い」といった環境で感染リスクが高まることが様々な研究により明らかになっているため、国内外の寒い地域で感染者が急増しているということなのでしょう。

香港大学の研究チームの報告によれば、37度の状態だと2日で死滅するコロナウィルスが、4度まで下がると14日以上も生き続けることがわかったとか。

さらに、これまで主な感染経路は飛沫感染とされていましたが、先月には米国疾病対策センター(CDC)が世界で初めて空気感染を感染経路の一つとして認めました。

つまり、暖房を入れる季節になってもこまめな換気は必要不可欠。

室内でも厚着を心がけ、窓を開ける、ドアを開けるなどして、空気の入れ替えをしないとダメ。「換気がすべて」といっても過言ではないのです。

そもそも“ウィルス”は「低気温・低湿度」が大好きです。

私自身、お天気お姉さん時代は、気温と湿度を組み合わせて「インフルエンザ予報」なるものをやっていました。これが視聴者にウケたので、生気象学(気象と体調の関係を研究する学問)にのめり込み、『体調予報』(講談社α新書)を出版したのです。…って本文とは関係ない情報ですが。

いずれにせよ「低気温・低湿度」は、人にとって実にやっかいな環境です。

なんせ寒さと乾燥は人の体力を急速に衰えさせてしまうのです。

乾燥した状態ではのどの繊毛運動も不活発のため、ウイルスにも感染しやすくなる。

つまり、今後コロナウィルスもインフルエンザウィルスも元気になっていくのに対し、人の免疫力は弱まっていく。国はただただ「自粛」をお願いするだけなので、これまで以上にコロナ感染防止策を“自分”でやるしかないのです。

そこで、ワンポイント!

手足を露出している場合としていない場合では風邪に対する免疫力が変化することがわかっています。

この興味深い実験では、一日中手足を出して生活したケースと、靴下や手袋をはめて生活したケースの、唾液中のIgAとよばれる、免疫力の目安となる物質の量を測定しました。

その結果、手足を出していたほうがIgAが多く分泌されたのです。

また、手足を出して生活したほうが熟睡できるという報告もあるので、今年の冬は手袋はよほど寒い時以外は、しない方がいいかもしれません。

ついでにお伝えしておきますと、咳とくしゃみを比べると、くしゃみの方が圧倒的にウイルスが飛び散りますので、近くの人がくしゃみをしたら要注意です。

ある実験では、1回のくしゃみで口から出るウイルス菌は約200万個で3メートル先まで飛び散ったのに対し、咳で飛び出すウイルスは約10万個と少なく、飛ぶ距離も2メートルでした。

一度体内に入り込んだウイルスはすさまじい早さで増殖し、1個のウイルスが8時間後には10個に、16時間後には1万個に、24時間後には100万個に急増するとされています。

外出時にはマスクを必ずして、家に帰ったら石鹸で手を洗うことを徹底してください。

まもなく本格的な冬到来です。くれぐれもお気をつけて!

image by: StreetVJ / Shutterstock.com

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
「自信はあるが、外からはどう見られているのか?」「自分の価値を上げたい」「心も体もコントロールしたい」「自己分析したい」「ニューストッピクスに反応できるスキルが欲しい」「とにかくモテたい」という方の参考になればと考えています。

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