予断を許さぬ中東情勢と、長期化するウクライナ戦争。複数の紛争が同時進行する現在、国際社会は中国の国内事情を含め新たな局面を迎えつつあるのが現状のようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、米国、イラン、ロシアそして中国を巡る最新の情勢を分析。さらに核戦争勃発の可能性や、「その後」を見据えた日本の使命について持論を展開しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:核戦争後の準備
トランプの癇癪でまたも世界が激変か。核戦争後の準備
イラン戦争で、米国の政権内分裂が起きている。このため、トランプ氏はイラン戦争に勝つ必要がなり、このため、積極策を推進しているが、米軍は苦境に陥ることになる。最後に、トランプ氏は核兵器の使用をせざるを得なくなる。今後を検討しよう。
先週、株価は540ドルの上昇。イランの奇襲攻撃で、トランプ氏は戦闘を激化すると表明したことと、FOMCで利上げ観測で、SOX指数も暴落したことで、レバレッジを最大限に掛けていたヘッジファンドの1つが潰れたで、かつ29日FOMCで主要政策金利を3.5~3.75%で据え置くことを決めたことで、30日からは上昇に転じた。
しかし、米国30年物国債利回りは29日5.20%まで上昇して、株価も押し下げた。それと同時に、中国が国産露光装置の生産を始めたと言う報道も半導体の売りに拍車をかけました。ただ、年間で5機で、性能もASMLに対抗できないようだ。しかし、SOX指数を押し下げた。
米軍がイランへの攻撃を停止したやむを得ない事情
米中央軍のクーパー司令官は、イランに対する攻撃は効果が限定的だとして、ホワイトハウスや国防総省に停止を進言していた。トランプ氏も「交渉に一定の余地を与えようとしている」と説明した。
この攻撃停止の理由は、米軍基地を守るための防空ミサイルが足りなくなるということである。それと、主要精密誘導兵器の戦前備蓄の約3分の1をほぼ使い果たした。THAADの最大80%、SM-3の半分以上と、パトリオット迎撃ミサイルは最大61%が使用されたという。
イランは、米軍による攻撃停止を受け、報復作戦を休止したと、陸軍報道官が26日に表明したが、28日夜イランはヨルダンのムワッファク・サルティ米空軍基地に対して、弾道ミサイルの奇襲攻撃をした。
この攻撃は、ホワイトハウスでのトランプ・ネタニヤフ会議での共同戦争計画を無力化するための先制攻撃だったという。
まず、トランプ氏は8月1~2日、イランのインフラとエネルギー施設を標的とした大規模爆撃を行うとした。これに対して、イランも中東地域のエネルギー施設を攻撃するという。
そして、トランプ氏は、イランを空爆する上に、海上封鎖を維持しつつ、陸上封鎖も実施する検討をしているが、これを実行するためには、イランの7つの隣国であるイラク、トルコ、パキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタン、アルメニア、アゼルバイジャンからの協力が必要で、国境通過点を閉鎖するものだが、周辺国の賛同が得られるかが非常に疑問である。
と同時に、米海軍の支援にもかかわらず、ホルムズ海峡の南ルートを利用しようとした2隻の石油タンカーのうち1隻が火災に遭い、両船は引き返した。イランの海峡攻撃能力を潰したというが、まだ、完全には潰せていないことが明確化した。
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安全保障会議の席上で激怒し叫び声を上げたトランプ
そして、イランはドローンとミサイルを使ってイラクのクルド人武装勢力に対して大規模な攻撃を開始した。
イラン政府高官は29日、同国が、オマーンの提案したホルムズ海峡の地域共同管理案を拒否した。共同管理がうまくいく見込みはないとし、米国とサウジアラビアは同海峡に関する「非現実的な計画」を進めるため、オマーンに圧力をかけようとしていると指摘。
サウジアラビアは30日、紅海などの安全保障を確保するため、中東やアフリカなどの計14カ国で多国籍連合を結成すると発表。同時にサウジアラビアはイエメンの首都サヌアに対して、複数の空爆を実施した。
それと、モサドとCIAは、イランの最高指導者アヤトラ・モジタバ・ハメネイ師の所在を積極的に探知しようと試みているが、これまでの所、彼の痕跡を一切見つけられていないという。
イラン戦争に行き詰まり、トランプ氏は安全保障会議の席上で激怒し、軍事オプションの提示とイランとの取引進展の欠如に苛立ち、叫び声を上げて罵倒したという。
どうも米国政権内部で分裂が起き、トランプ氏とヘグセス国防長官、ルピオ国務長官とヘンタゴン、バンス副大統領に割れているようだ。
トランプ氏は、イランを崩壊させる攻撃を希望するが、米軍は中東軍の脆弱性と地上攻撃での損失を懸念していて、それにルピオ国務長官も同調し、イラン戦争に反対がバンス副大統領という図式になっているようだ。
米国の戦略石油備蓄(SPR)は先週、380万バレル減少して3億800万バレルとなり、1983年3月以来の最低水準となっているし、米国石油備蓄は1億800万バレル、つまり26%減少した。このままにすると、備蓄が枯渇して、石油価格は相当な上昇になる。
このため、国内のインフレが酷く、CNN世論調査によると、トランプ氏の支持率は34%になり、米国民の半数が「強く不支持」となっている。このまま行くと、11月中間選挙は共和党は負けることになる。
このため、トランプ氏は焦っている。核兵器の使用を考えているが、米軍とルピオ国務長官が反対している。しかし、いつまで、反対でいられるである。徐々に核兵器使用に近づいている。
8月2日朝9時現在の状況であり、非常に早く事態が動くので、X等で事態の推移を追いかけてください。
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日中戦争時の日本軍と同じ行動を取り始めたプーチン
ウ軍はカスピ海で、イランからロシアに軍事物資を運ぶ船をドローンで攻撃して、船員1人を殺したが、イランはウクライナへの報復のミサイル攻撃を警告した。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナ防衛のために、仕方がないと表明したが、アンドリー・シビハ外相がイランのアッバス・アラグチ外相と電話会談し、事態の「エスカレーション」を回避したい考えを伝えた。シビハ外相は「たとえ困難な状況であっても、直接対話を行うことこそが外交だ。われわれの目的は無用なエスカレーションを回避することだと強調した」とした。
2つの戦争が繋がろうとしていたが、今回は戦争を統合化しなかったようだ。
ウ軍は、ロシアの異なる地域にある3つサラプール、カザン、ヴォルゴグラードのワイルドベリーズ倉庫を破壊した。約500キロからほぼ1,300キロに及ぶ距離にある。それと、ヴォルゴグラッド地方の製油所も破壊。
そして、ロシアは、ウ軍のドローン攻撃後に26カ所の製油所の18カ所を復旧できずにいる。復旧しても再攻撃を受けている。
トランプ氏は、ゼレンスキーが望む300発のパトリオットミサイルの提供を拒否したが、スターリンク誘導のドローンを使ってロシア領内の移動式発射システムを攻撃する許可を、イーロン・マスク氏に尋ねるという。
現時点、スターリンクの許可はウウクライナ国内に限られている。
一方、ロシアはNATO空域、特にポーランドとルーマニアに向けてドローンとミサイルを発射しているが、ロシアはウクライナへの補給を止めたいようである。昔、日中戦争で中国への補給を止めるために、インドシナへ戦争拡大をした日本の行動と同じようなことをしている。
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市場に強いメッセージを与えた日米の協調為替介入
先週、株価は250円の下落。ドル円は163.9円から157円に円高に振れた。複数回の為替介入を行ったようである。骨太の方針の発表と日銀の金利据え置きで円安になると見られたが、日銀の据え置き発表前の7月30日22時に為替介入を実施した。
ベッセント財務長官は、「円が非常に過小評価されている。」と発言し、米財務省は銀行に為替介入を通知した。日本側が介入した資金は6~9兆円程度と思われている。
米国債を日本が売ることを避けるために、ニューヨーク連銀が財務省に代わり、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーを通じて、50億から100億ドル分のユーロ売り円買い介入をしたようである。
米国の目的は、米国国債売却の阻止もあるが、日本の長期金利上昇の抑制でもあり、日本国債金利が上がると、日本の損生保は米国債を買わなくなることで、米国債金利も上昇するからだ。
日米の協調介入であり、強いメッセージを市場に与えたようだ。日本単独では介入余地があまりないが、米国の円買い介入は無限大で可能であるし、日本側は米国の了承の下、米債を担保にドルの調達が可能という。市場の転換点になった可能性もある。
植田総裁も、利上げを行う方向に言及しているが弱かったが、9月に利上げすれば、円安方向を止められる可能性もある。ベッセント財務長官も日銀の利上げが必要であると述べている。高市首相は利上げを押しとどめても、ベッセント財務長官の意向を無視はできない。
この為替介入で、米国債を6兆円売ると、簿価の2倍になっているので、半分は利益になる。3兆円の儲けが出ている。これで、消費税減税の10兆円の穴を埋める事になるとみる。前回は11兆円も為替介入で6兆円程度の儲けがあり、今回を合わせると約10兆円になる。
消費税減税の穴が埋まったことで、予算規模がどこまで膨らむかである。
2027年度予算の概算要求基準では、国内投資を通じた潜在成長率の引き上げに向けて、通常の歳出とは別に、「強く豊かな日本」投資枠を創設し、「要求上限を設けず、事項要求も含め、所要額を適切に要求」すると記す。2040年度までの官民投資370兆円のうち、国がいくら負担するのかだ。
しかし、米国を味方に付けたことで、どこまでの財政拡大が投資家に容認可能かである。
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中国は分裂、ロシアは崩壊。頼られる日本が為すべき使命
ここまで来ると、核戦争後に備えて、日本が実施する政策を考えることである。
中国の現状は、地方政府の財源が枯渇して、中央政府への上納金も支出できない状態になっている。地方政府職員も遅配や減配などを起こしているが、この状況になると、中国軍への給与の支払いもできなくなる。すると、中国軍と地方政府は中央政府への上納金をカットして、自分達の給与を優先することになる。
そうすると、地方の分裂、中国軍の各軍管区の独立になる。そこまで、とうとう来ているように見える。地方の軍管区は生き残りのために、諸外国に助けを求めることになる。
ということで、中国の分裂が起きると、中国の核がどうなるかである。核拡散の危険性が高い。特にイランなどに売ることになると見た方が良い。
それと、イランへの核使用は、トランプ氏は、いつ行うのかという状態になっているし、イランへの核攻撃をすると、ロシアはウクライナに核攻撃を行うことになる。ウクライナは、核攻撃前に発射台をドローンで潰す必要になる。それができるかだ。
どちらにしても核戦争になるような気がする。
イランも核ミサイルを手に入れている可能性があり、中国は資金不足であり、売れるものは何でも売る方向である。これで報復になる。
米国までは到達しないので、イスラエルに発射することになる。
そして、中国が分裂すると、ロシアは崩壊する。そのロシアも日本に助けを求めることになる。特にシベリア地方は分離した後、日本が必要になるからだ。どちらにしても、中国とロシアは崩壊し、分裂後、日本を頼るしかない。
この核戦争後、日本は、世界を助ける使命があると思う。中国の分裂後、日本に助けを求める地方政府、特に旧満州であると思うが、まずは、そこの正常化を日本は政府職員を派遣して、行うことである。それを見て、他の中国の地方政府やシベリア政府も日本に助けを求めてくるはずである。
円圏を拡大し、かつ日本の金融システムを拡大して、金融正常化が必要になる。中国の国有企業は民営化して、特に中国国有鉄路は、大幅な赤字の高速鉄道を廃止することである。日本の民営化を中国で行う必要がある。
どちらにしても、中国の正常化を行うことになる。2027年までに、そうなる可能性を感じる。
多方面で、日本は世界を助けるために、知恵を絞る必要がある。欧州の冷房化や温暖化対策、食糧危機に備えることであると思う。
4ヶ月で5mになる「炎龍」という植物は、バイオ燃料やナノファイバーや飼料にできる。最適な加工すれば、食糧にもなる可能性がある。
ペロブスカイト太陽光パネルになると、柔軟性が拡大し、かつ価格も低下する。利用範囲が広がる。
高熱化する地球に、対応する植物の耐性を強化する品種改良も日本が中心で行っている。アジア諸国は、日本の種を待っている。
というように、日本は各方面で智恵を出しているように思う。日本企業が各方面をカバーし、かつ世界展開をしているからであり、これに勝てないので、AIを米国は中心にしている。その意味では日本との相性が良い。
ということで、日本は道徳、産業、社会、食糧の分野で、世界を助けることになる。その準備をしないといけない。
さあ、どうなりますか?
(『国際戦略コラム有料版』2026年8月3日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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