100歳以上の高齢者が増え続け、人生100年時代が現実のものとなりつつあります。長く生きることが珍しくなくなる一方で、近年の研究では、単純な「実年齢」だけでは人の老化を捉えきれないこともわかってきました。『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では、著者で健康社会学者の河合薫さんが、生物学的年齢と主観的年齢という2つの視点から、私たちの「老い」がどのように捉えられるようになっているのかを紹介するとともに、毎日の習慣や心の持ち方が、これからの人生にどのような意味を持つのかを考えます。
習慣で若返り?
厚生労働省の最新の発表によると、全国の100歳以上の高齢者数が初めて10万人を突破したことがわかりました(10万7,677人)。前年から約8,000人増加し、なんと56年連続で過去最高を更新です。
確かに周りを見渡しても100歳は決してめずらしくないですし、ついに私たちは「大長寿時代」を生きることになってしまったようです。
しかし一方で、長寿科学やアンチエイジング研究の最前線に目を向けると「実年齢」という概念そのものが、意味を失いつつあります。
最新の研究で圧倒的にフォーカスされているのは、細胞や遺伝子の状態から測定する「生物学的年齢(細胞年齢)」、そして自分自身を何歳だと捉えているかという「主観的年齢」の2つです。
特に生物学的年齢は注目度が高く、「見た目」と関係があることがわかっています。実年齢より老けて見える人には、共通して喫煙者、いびき、高い血中総コレステロール値が認められ、一方で、見た目年齢が若い人は、ヨーグルトを食べたり、決まった時間に食事をとったり、骨密度が高かったそうです。
さらに驚くべきことに、老化は不可逆な現象ではなく、治療や習慣によって若返らせることができる可能性もわかってきました。
「主観的年齢」は心理学や脳科学、健康社会学で研究が進んでいて「自分は実際の年齢よりも若い」と心から感じている人ほど、認知症の発症率が低く、心身ともに健康的で長寿であることが実証されています。
「病は気から」ではありませんが、自分に対する意識や心の若々しさが直接身体のバイオマーカーに影響を与えているのです。
そして、もう一つ興味深いのは、かつては「暴飲暴食や強い欲望(煩悩)が命を縮める」と語られていましたが、現代の科学はそれを「生活習慣や精神的ストレスが細胞の老化度(生物学的年齢)を加速させる」という明確なメカニズムとして解明された点です。
いずれにせよ、100年生きる可能性が高まった今、習慣次第で豊かな人生を手に入れられるのです。ここでの豊かさとは、「なんか今日楽しかったね」って半径3メートル世界の大切な人と笑い合えることであり、「誰かのため」にちょっとだけ頑張れることだったり、「自分の可能性」にかけるチャレンジです。
あなたは今、ご自身の「主観年齢」を何歳だと感じていますか?
そして、細胞をいつまでも若々しく跳ねさせるための「健康への投資」をしていますか?
今週末は「敬老の日」。
みなさんのご意見、お聞かせください。
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