子どもを「性被害」から守るために、学校や教育現場には何が求められているのでしょうか。メルマガ『阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」』の著者で、現役探偵なうえ「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんは子どもの性被害をめぐる現状から、学校や行政に求められる対応、法制度の課題、そして再発防止のために何が必要なのかを考えます。
練馬区 京都で「男女トイレ」同じ事件
子ども権利、いわゆる子どもの性被害はどうか
ある地区の保護者会で、保護者から子どもの性被害のニュースをよく見かけて、とても怖いという質問があった。
怖いというだけ述べられて、これを質問とするならば、何と答えるのが妥当か悩むところであるが、どこを切り取っても不安であるし、防止策や予防策についても環境的不備が多く、完璧に守り切るのは難しいと言わざるを得ない。
あくまでもAIによる集計であるが、令和6年度(2024年)の段階で、強制わいせつや不同意性交で未成年が被害を受けた件数は、6218件(統計を足しているだけなので被りもあるかもしれないが)もあった。例えば、内閣府の調査だと13歳未満の被害で不同意わいせつは895件、不同意性交等は239件とある。
件の保護者が言うように、エコーチェンバーがかかるネットの仕組みからすれば、1回表示したニュースからアルゴニズムが働き、類似ニュースが流れれば、そもそもで件数が多く発生している子どもの性被害のニュースは、これでもかっというくらい流れてくるだろう。
とんでもない教育現場
例えば、東京都練馬区の公立小学校では、区内の5つの小学校で、トイレが男女別になっておらず、男女共用になっているということが、2026年9月7日、区議会で明らかになった。
「男女共同トイレ」で検索をするとわかるが、昨年7月にも京都の放課後児童クラブで、施設内にあるトイレが男女共用となっており、男子が用を足している横を通り女子が個室を利用するなどの状態が改善課題とされているということがニュースになっている。
私はニュースを読み、おいおい居酒屋かよっと思ったが、それは違う。そもそも、居酒屋のトイレは1つしかないことを想定しており、これは個室だ。
一方、問題のトイレは、個室的部分はあろうが(練馬区の事例では男子の個室はない)、特に男子の小の方のトイレは個室ではないわけだ。個室的分があろうと表現したのは、カーテンで仕切るとか背の低いパーテーション的な板で区切るという情報があったからだ。
ハッキリ言うが、親の立場で、こんなトイレは使わせたくないし、子どもとしても使うのをためらうところだろう。ぜひとも、自治体にも国にも、このような設備に関する基準はしっかり設け、その基準に達しないのであれば許認可を出さないとか、改修させるなどの指導をしてもらいたいところであるが、ニュースや情報を聞く限り、市民、区民からの声がやっと届いて今問題となっているということだから、自浄作用は認められないのだ。
私からすれば、防犯カメラを室内も完備して、いじめや体罰、性被害等の問題が起きづらい環境を整えて欲しいところだが、いまだにエアコンつけましたと地元の政治家が成果だと報告会で誇るような地域もあるようだから、その道は遠いだろうと感じるところだ。
いずれにせよ、スピード感はなく、危険アンテナも低いとか言いようが無い。
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なぜ性犯罪がいじめ問題になされるのか?
“三重県四日市市の私立暁学園暁高で2022年、当時3年生だった女性が交際相手から性的暴行を受けたと訴え、いじめ重大事態に認定された問題で、女性が元交際相手や学校などに苦痛に対する慰謝料として計2990万円を求め、津地裁に提訴していたことが28日、関係者への取材で分かった。3月31日付。9月14日に第1回弁論が開かれる。
女性は、交際していた男子生徒から屋外や校内で20回以上、性的暴行を受けたと訴えている。学校の第三者委員会がまとめた報告書によると、人が出入りする可能性がある場所で行われ、心理的負担になったと認定。その後心的外傷後ストレス障害と診断されており、いじめに該当すると結論付けている。”共同通信2026/8/28 引用
こうした被害もニュースを読めば、「いじめ重大事態として認定され」などと表記されている。いじめ関連の専門家として、私のところにメディアから意見を聴きたいという取材があったりする。
その都度、いじめ防止対策推進法上のいじめの定義は、カバーする範囲が広いので、他に適法がなく、いじめ防止対策推進法を根拠にして組織が動き、専門委員の予算をつけたりするわけだから、行政において根拠法があることは原則だろう。そうでなければ、私的に気分で何でもできてしまうわけだ。実際やっているところもあるが。
話を戻し、こうした致し方ない機能的問題について、しっかり考えて欲しいと言及するに私は留めている。
なぜなら、そもそも事件は憎むべき、卑劣な犯罪であり、それを学校や教育行政で適法がないから、いじめ防止対策推進法でということに問題があると認識してほしいのだ。
法律を作ることが政治家の仕事であろう、議会の仕事であろう。問題が起きてから立法の問題が顕在化し、どうしても後手で法律ができるということは致し方ない事であろうとは思うが、立法が遅れすぎ、見送られ過ぎてやしないか。
議会で居眠りをするほど激務なのかもしれないが、国民市民が見たいのは、当選するために選挙を頑張る姿ではないし、実際は旅行のところを視察だと言い張る姿でもない。立法したり行政の監視をしたり、事業に取り組む姿であろう。
ちなみに、いじめ防止対策推進法にはこういう条文がある。
法23条6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。
学校は治外法権ではない。外で起きたら通報する問題は内で起きても通報すべきである。
これを、校長などが問題発覚を恐れ、通報しないなどの問題こそが、隠ぺいであるわけだ。
加害者にとって最も怖いのは、こういう責任者の言葉だ。「私は刑法犯、犯罪行為等が起きたら、前後事情関係なくすぐに通報します。」
そして最も怖くないのはよく聴くこういう言葉だ。
「君たちは何であれ、私の大事な生徒だ。学校で起きたことは学校で対処するのが原則、犯罪行為であっても人は過ちを犯すのだ。許すことから始めよう。」
お花畑でちっちした~♪のバックミュージックが流れてきそうなほど脳内お花畑世界が広がるボケた思考は、早々に捨ててもらいたいところだ。捨てられないなら、職を辞してもらいたい。
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性加害者はしぶとい
“生徒へのわいせつ行為を理由に懲戒解雇された横浜市の私立学校の元男性教諭が、独自調査を行わずに教員免許を失効(失職・失効手続き)させた神奈川県教育委員会の処分は不当だとして処分取り消しを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷は2日付で教諭側の上告を棄却する決定をした。処分を適法・妥当とした二審・東京高裁判決が確定し、元教諭側の敗訴が決まった。
教育職員免許法では、私立校教諭が「公立校であれば懲戒免職に相当する事由」で懲戒解雇された場合、都道府県教委が免許の失効手続きを行う旨が定められている。裁判では教委側にどこまで独自の事実調査が義務付けられるかが争点となっていた。”
ニュース要約
このニュースの事件は2016年、教え子の高校3年の女子生徒にキスをしたり、性的関係を求めることをほのめかしたりしたなどとして、21年に懲戒解雇された。というところから始まっている。
どこからどう見ても、教え子の生徒にわいせつ行為をした教師であろう。それでも、教員免許を取られまいと、最高裁まで戦うわけだ。まず誰もが知っていると思うが、日本は三審制であり、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の順に争うことができる。
他の事件でも、わいせつ行為等でクビになった教員が、名前を変えて再就職しようとしたり、手配が回って学校はダメだとなれば、子どもが集まる児童クラブや施設に勤務しようとしたりする。
職業選択の自由が憲法で保障されていようが、公共の福祉、被害を受ける子どもたちの人権と秤にかければ、議論する余地もない。
日本版DBSは2026年年末あたりから始めると言われているが、ぜひとも、より厳しく、さらに範囲を広め、被害防止のために機能してもらいたいところだ。被害を受ければ一生苦しむのは子どもたちのみならず、守れなかったことで自分を責めてしまう大人たちであるのだからーーー(『阿部泰尚メルマガ「伝説の探偵」』2026年9月9日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です )
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