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誰が「安倍前首相を逮捕せよ」の大号令をかけたのか?黒幕候補4つ

安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」前日に安倍氏の後援会が開いた前夜祭を巡って、東京地検特捜部が安倍氏の公設第1秘書らから任意で事情を聴いたことが判明し、永田町周辺では「安倍逮捕か?」と、にわかに騒がしくなっている。計800万円超の補填が安倍前首相が指示したのか否かに注目が集まっているが、そもそも今回の急展開のきっかけとなった証拠を誰がリークしたのだろうか? 国会で厳しい追及を受けたにも関わらず重く閉じたままだったはずの「桜ゲート」を開いた「黒幕」の正体を追った。

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黒幕その1:裏切りの菅義偉による「安倍切り」か?

「モリカケ問題」から「桜を見る会」まで、女房役として安倍前首相を擁護し続けていた前官房長官の菅義偉首相だが、実は安倍氏とは「不仲説」が囁かれている。その決定打となったのが「河井夫妻」と「IR問題」だろう。

昨夏の参院選の広島県選挙区で、岸田文雄元外相の息がかかった溝手顕正候補にあてて、河井克行元法相の妻・河井案里を送り込んだ菅氏だったが、河井氏側に自民党本部から1.5億円もの選挙運動資金が投入されたことが明るみになり、大規模な買収がおこなわれた疑惑が浮上。安倍氏も案里氏の応援に駆けつけていたが、その後この選挙が「河井夫妻選挙違反事件」に発展すると、克行氏を無理やり入閣させたのも案里氏を推したのも菅氏だとばかりに、河井夫妻の件からは距離を置いていた。

また、IR問題をめぐっては、菅氏のお膝元・横浜市へのカジノ誘致も取り沙汰され、法整備の部分でも随分と肩入れをしてきたが、秋元議員による汚職事件で10年ぶりの現職国会議員逮捕の事態となり、IRを推し進めてきた菅氏の周囲は「四面楚歌」とも言える状態だった。

数々の「疑惑」に対してさんざん擁護してもらっておきながら、菅氏の身内のために力を貸さなかった安倍氏への恨みは、この頃からマグマのように溜まり始めていたのかもしれない。

本来、安倍氏の汚職は「元女房役である菅首相にもダメージが及ぶ」と考えるのが常識だ。しかし、今回論点になっているのは河井夫妻でもIRでもなく、安倍氏の後援会による「桜を見る会」前夜祭。菅氏にとっては、ギリギリのダメージコントロールが効く案件とも解釈できるだろう。

新型コロナ「第3波」によるGoTo見直しや感染者急増などの困難に直面する菅政権にとって、肉を切らせて骨を断つ「安倍切り」で支持率の急回復を狙っている可能性も否定はできない。

メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』の著者でジャーナリストの山岡俊介氏は、ツイッターに「今回の捜査は菅首相の安倍切り。だから菅首相にも支障が出る河井夫婦1・5億円には手を付けず。それで検察のメンツも立ち、菅の支持率も高まる。菅首相の非情さ? 公設第一秘書逮捕で安倍は連座で失職かその前に辞職が落しどころ」との持論を投稿している。

黒幕その2:アメリカの意向による「安倍切り」か?

今回の安倍「桜ゲート」が再浮上したタイミングを思い出してみたい。11月3日の米大統領選挙で民主党のバイデン候補が勝利確実となり、トランプ敗北が決定的となった11月中旬トランプ側が権限移譲を認めたほぼ同時のタイミングで、誰もが忘れかけていた「桜」前夜祭の問題が出てきたのである。

つまり「トランプの親友」を自称してやまない安倍氏は、アメリカにおける政治力学の変化によって「用済み」にされた可能性があるということだ。バイデン勝利の結果で一気に空気が変化し、アメリカ(米軍)が、もはや安倍氏を守る必要がなくなったと考えても不思議はないだろう。

トランプが表舞台から去るタイミングがやってきたのであれば、彼を支持しつづけた安倍氏もまた消える運命なのかもしれない。

黒幕その3:東京地検特捜部か?その真意は…

今回の疑惑を積極的に報じているメディアを見ると、毎日、朝日、東京あたりは言うに及ばずだが、ここに読売とNHKという政権忖度2メディアがスクープしたという事実が入ってくるから事は穏やかではない。特に安倍氏の「詳しくは読売新聞を」過去発言でもわかるとおり、何かにつけて安倍氏を援護射撃してきたあの読売が、今回の件をスルーどころかスクープしたことは瞠目に値する。

と考えると、今回の件の「リーク元」はどこなのか? 官邸内部の関係筋ではないとすると、東京地検特捜部からという可能性も否定できない。

東京地検特捜部は「アメリカの出先機関」などと表現されるように、その成り立ちからもアメリカ(米軍)と深い繋がりがあると言われる。前述の「アメリカから切られた」説にも繋がるが、地検内部には安倍氏の“悪行三昧”に手をこまねいている現状を快く思わない勢力がいたという指摘も一部では出ている。

これが正しいと仮定するならば、ここで2つの可能性が浮上する。

ひとつは、東京地検特捜部が、アメリカのお墨付きを得たうえで本気で安倍氏を潰しにきている可能性。

もうひとつは、アメリカが大統領選を境に政治的な混乱に陥っている今のタイミングで、トランプがまだ大統領のうちに、安倍氏「不起訴」の既成事実化を狙って動いているという可能性だ。

黒幕その4:「国民投票法」を通すための与野党合作プロレス説

「私は知らない、秘書がやった」は、新旧を問わず政治家お得意の「蜥蜴のしっぽ切り」という逃げ口上だが、安倍氏の場合、ここまで長きに渡って自身の後援会の有権者たちへ便宜を図ってきたことを、当の本人がまったく知らなかったとはにわかに信じがたい。となれば、さらなる動かぬ証拠が出てくれば、現実的には「前首相逮捕」もあり得ない話ではない。

一部では、26日にも採決がおこなわれる「国民投票法」を通すため、与野党で口裏を合わせたプロレス(やらせ)ではないか、とも囁かれている。「国民投票法」に反対しない代わりに、野党へ「安倍氏の首」を差し出した、という訳だ。

安倍氏が本当に起訴されるか否かは現時点では不明だが、彼が妻・昭恵氏と住む自宅の「警備」が緩くなっているかどうかが意外にも目安となる可能性はある。もし、自宅前の警備が厳重ではなくなっていたとすれば「逮捕のXデー」はそう遠くないのかもしれない。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by:安倍晋三公式Facebook

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