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渡部建の謝罪会見に思う、叩かれる人・叩かれない人の差と正義マンへの違和感

「多目的トイレ不倫」で世間の耳目を集め、芸能活動を自粛中だったお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建(48)。3日夜に遅すぎるとも言える謝罪会見を開き、その様子はネットで生中継されました。サッカー情報で人気のメルマガ『J3+ (メルマ)』の著者じじさんは、渡部の会見を視聴し、不倫問題を起こした芸能人でも叩かれる人と叩かれない人がいることに強い違和感を覚えたとしながら、第三者が大騒ぎしてとやかくいう問題ではない、と持論を展開しています。

【芸能界】 渡部氏の謝罪会見を視聴、どうも気になる「正義マン」への違和感

2020年は東京五輪で盛り上がるはずだったがコロナ一色の1年になった。最近では東日本大震災が発生した2011年以来の「ネガティブなニュースの多い1年」になったが、未だにコロナの騒動は収まっておらず。むしろ、本格的な冬を迎えるこれから感染者数や死亡者数が増えそうな流れになっている。JリーグのシーズンはJ1もJ2もJ3も何とか全日程を消化できそうな流れになっているが、日本代表の国際Aマッチはほとんど開催されず、年代別の日本代表の国際大会は男子も女子もほとんど全てが中止や延期になった。

2021年は2年連続の五輪イヤーになる。明るい話題の多い1年になってほしいと思うが、今、日本で話題になっているのはアンジャッシュの渡部氏の件になる。不倫騒動で6月10日(水)から無期限活動自粛中だったが、大晦日に放送される人気TV番組での復帰が噂されており、12月3日(木)の夜に会見を行った。

芸能リポーターと呼ばれる人に囲まれながらの謝罪会見になったが、夜の19時から行われた。さすがに地上波での中継はなかったが、ネットメディアが生配信しており、多くの人がリアルタイムで謝罪会見を視聴した。

芸能活動を再開させるためにはうまく謝罪会見を乗り切らないといけないので「どんな風な態度でどんな風にコメントするのか?」は興味深かったため配信を視聴したが、最初の10分ほどで断念した。芸能リポーターと呼ばれる人たちが渡部氏を取り囲んで矢継ぎ早に質問をして糾弾する様子は、観ていて違和感を覚えた。

渡部氏は芸能リポーターの質問に対して同じような回答ばかりだったので「ボキャブラリーの少なさ」に驚いたが、「芸能リポーターを含めたマスコミに批判の声が集中するだろう」と思える会見だった。

「芸人なので笑いを取るべき」「謝罪会見の場でネタに走るべき」という声もあったが、さすがに難しい。今のご時世であれば120%の確率で逆効果である。「神妙な顔をしてとにかく謝罪をする」というのがベストな道だといえるが、そもそもとして誰に対しての謝罪なのか?は分からない。

「なぜ、謝罪会見をしないのか?」という声は多かったが、謝罪会見をする/しないに怒っていた人は高確率で「騒動から半年後の謝罪会見は遅すぎる」「今頃になって謝罪会見をするなんて」と憤っているだろうと思われる。

多目的トイレでの行為は許されないが……

当然、「多目的トイレでの行為」は許されるものではない。多目的トイレを利用したい人が渡部氏のせいで利用できなかった可能性はある。多目的トイレという言葉自体にマイナスの影響がついてしまったのも残念に感じるが、レイプなどの犯罪行為というわけではない。「誰にも迷惑をかけていない」とは言えないが、殺人や飲酒運転での人身事故などと比べると周りにかけた迷惑度でははるかに下である。「奥さんには謝罪をして一応の許しは得ている」ということを考えると、第三者が大騒ぎをするようなことではないと思う。

不倫や浮気などが週刊誌などで報じられる有名人は少なくないが、メディアなどに全く取り上げられずにスルーされる有名人もたくさんいる。

渡辺謙さんの不倫は大きく取り上げられることはなかった。宮川大輔さんも2012年に渡部氏と同じように「多目的トイレでの行為」が報道されているが、普通に活動をしている。

男性の有名人のみならず、女性の有名人も同様である。2016年にベッキーさんの不倫が大きな騒動になって、矢口真里さんも不倫で大きな騒動になったが、似たようなケースでお咎めなしの人も多い。

同じくらいの格の有名人であっても「大きく取り上げられる人」と「ほとんど or 全く取り上げられない人」がいることに強い違和感を覚えるが、「渡部氏の復帰を後押しするために、ヘイトが芸能リポーターへ集まるように仕向けた」というのであれば、シナリオを書いた人はかなりの策士である。

「ここから逆転ホームランを打つのは難しいのでは?」と会見前は思っていたが、芸能リポーターに批判が集まって、渡部氏に対しては同情的な声も多くなっている。「すべてがシナリオ通り」であれば、芸能リポーターも役者である。

面白ければある程度はOK?

「ネット社会になる前からのこと」だと思うが、ネット社会になってからそれまで以上に「弱った人を叩く傾向」が強くなった。「一度でも叩いてもいいというレッテルを張られた人」は、サンドバッグになってSNS上などで殴り続けられるケースが目立つ。

芸能界に限らず、サッカー界でも2010年の南アフリカW杯の直前の時期の岡田監督であったり、2014年のブラジルW杯直後のMF本田圭であったり、時代を問わずに日本サッカー協会であったり、「何をしても何を言っても批判される状態になる」のは決して珍しいことではない。

MF本田圭のような現役のサッカー選手はプレーで見返すことが出来るだけマシである。2018年のロシアW杯の直前の時期も大きな批判を浴びたが、本大会で活躍したことで批判的な声はおさまってむしろ称賛の声が多くなった。

分かりやすい結果を出すことで評価やイメージを大きく変えることはできるが、渡部氏のような芸能人になるとなかなか難しい。謝罪会見以降もしばらくの間はワイドショーなどで渡部氏のことが大きく取り上げられると思うが、謝罪会見によって世間の空気が少し変わる可能性は高いと言える。

普通の人であれば、日本のトップや世界のトップまでたどり着くのは難しい。最近のサッカー選手は真面目なのでスキャンダルを起こす選手は少ないが、「女遊びや男遊びがひどくても試合で活躍できればOKなのでは?」と思うところもある。もちろん、サッカー少年やサッカー少女のお手本にならないといけない立場の人間であるが。

一方、お笑い芸人についても「面白ければある程度はOK」と思うところもある。

image by: 渡部建公式Twitter

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