他社に対して引けを取らないと自負している製品やサービスが、お客様に受け入れられていないという悩みを抱えている方、それはもしかしたら「提供する側」のマーケティング手法に問題があるのかもしれません。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんが、自社製品やサービスの「価値」を深堀りし理解することがマーケティング活動の基本とした上で、その具体的な方法をレクチャーしています。
自社製品やサービスの真の価値を言えないようじゃマーケティングできない
以前に某食品会社の新製品に関するマーケティングのご相談を受けたときのこと。
この新製品、実にインパクトがあり、とても魅力的な逸材でした。ですが、市場に受け入れられなければ話になりません。そこで、取り組んでいただいたのが製品価値を深掘りして理解してもらう、ということでした。どういうことかというと、その製品が一体何の為に存在するのか?を今以上に知るということです。
「自社製品なんだから、そんなことはよくわかっている」
と思われそうですが、マーケティングで失敗する多くの企業や店舗は、ここの理解が浅いケースが大半なのです。しかし、ここの理解を深掘りしておくことで、製品やサービス、あるいは事業そのものの価値を的確に捉え、市場に伝えることができるようになります。というか、ここを伝えていくことがマーケティングであり、セールスと大きく違う点なのです。
ではどういった風に実際、理解を深めるのかというと、まず、目に見えている、手に取れる製品そのものや、体感してもらっているサービスそのもの、これらは、真の価値ではない、ということを認識することです。
で、目の前にある製品、サービスのラインナップを見て、
- なぜそのような仕様なのか?
- なぜそのパッケージなのか?
- なぜそのデザインなのか?
- なぜこのサービスが必要なのか?
- なぜ原材料はこれでなければいけないのか?
などということをよく噛み砕き、考えてみます。つまり、各製品やサービスなどに疑問を持ち、それに対する答えを1つ1つ見つけていくのです。それらの回答がその製品やサービスにある価値です。
たとえば、飲食店に行けば、メニューがあります。なぜ、そのようなメニュー構成になっているのか?あるいは、ラーメン屋や牛丼店などの専門店にはサイドメニューがあります。なぜ、サイドメニューに○○を採用しているのか?こうした疑問にその飲食店やサービス、製品の価値を一歩深く理解するヒントが隠れているのです。
大事な奥様の誕生日、家族でレストランに出かけることになりました。前菜から始まり、メイン、デザートなど、家族で過ごす楽しいひと時を彩ります。配膳するタイミングも絶妙。雰囲気を壊さないようにタイミングを見計らってお出しします。
こうしたことが、料理、サービスそのもの、このレストランの価値が伝わっていることになります。
つまり、製品やサービスを知り、一歩深く理解するということは、レストランでコース料理を出すように、顧客のシーンに適したものを適したタイミングで提供し、はじめて価値が伝わるものである、ということを知ることなのです。
こういうときにこそ使ってもらいたい。こうこうこうだから、この商品なのです。こうこうこうだから、このサービスなのです。こうこうこうだから、このような構成、ラインナップなのです。この「こうこうこうだから」をいくつも見つけ、答えを用意する、これが真の製品、サービス価値を理解することなのです。
そして、その理解したことを情報化し伝えていく、これがマーケティング活動なのです。
■今日のまとめ
「製品やサービスの価値をもう深掘りし理解する」
- 自社、自店の商品やサービスのラインナップを列挙する
- 列挙したものに「なぜそれらが必要だと思うか?」「なぜパッケージはそうなのか?」「なぜロゴはこうなのか?」など「なぜ?」をいくつも考え、その答えをそれぞれまとめてみる
- そのことを社内で共有する
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