森友学園問題をモチーフに文書改ざんにまつわるエピソードをリアルに描写し、大きな話題となっているNetflixで配信中のドラマ『新聞記者』。フィクションとはいえリアリティさが最大のウリだが、実はその裏で同作のプロデューサーが森友事件の遺族に謝罪していたことが明らかになった。
Netflix版『新聞記者』プロデューサーが遺族に謝罪
東京新聞社会部記者の望月衣塑子氏のベストセラー小説を原作とし、2019年に映画化もされた『新聞記者』。Netflix版では米倉涼子(46)が主演を務め、森友学園問題を題材としている。
各話のエンドクレジットに「実在のものを描写するものではありません」と“一応”の断りを添えているものの、安倍晋三&昭恵夫人が真っ青になるほど詳細に描写。
「私や妻が関係していたということになれば、それはもう私は、それは間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたい」一一安倍元首相が国会で強気に言い放った答弁がそのまま劇中に登場するなど、かなり攻めたドラマになっている。
【関連】安倍晋三も大パニック!?Netflix版『新聞記者』が森友問題を忠実に再現、“超リアル描写”で内幕を暴く
だが実はその陰で、昨年12月27日に同作のプロデューサーが公文書改ざんを強いられた末に自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんと面会し、謝罪していたと文春オンラインが報じた。
記事によると、Netflix版『新聞記者』の制作に向けた話し合いを両者は行っていたが、話を進めていく中で“財務省に散々真実を歪められてきたのに、また真実を歪められかねない”と感じた赤木さんが協力を拒否。溝を解消しようと話し合いを重ねたものの、納得できる形には至らなかったという。
その後、フィクションということも理由に、「赤木さん側の要望をほぼ受け入れずに制作を進めることが一方的にメールで通告された」といい、話し合いは打ち切られたとしている。
撮影が終了し、配信直前という段階になってプロデューサーが赤木さんと面会して謝罪。しかし、赤木さんは「人生を滅茶苦茶にされたあの時と同じ気持ち」として、怒り心頭だと記事は伝えている。
Netflix版『新聞記者』がフィクションであることはたしかだが、誰が見ても森友学園にまつわる文書改ざんにまつわるエピソードをモチーフにしていることは明らか。遺族に対する事前の配慮がなかったことは問題となりそうだ。
ドラマを絶賛していた野党議員たちはどうする?
1月13日から配信されるやいなや反響を呼び、連日ランキングでトップ1を獲得するほどの人気作となったNetflix版『新聞記者』。世界同時配信されていることから、香港や台湾でもランクインするなど、大きな話題となっている。
森友学園問題を扱っているため永田町界隈でも関心が高まり、「おもしろい」「見始めたら止まらない」とツイートする国会議員たちも多い。
文春オンラインの取材では責任のなすり合いのような様相を呈しているが、裏切られた形となった赤木さんの気持ちが晴れることはない。
【関連】安倍晋三氏の思う壺?Netflix版『新聞記者』の意外な“ガス抜き”効果
人気ドラマの裏側で起きていたさまざまな問題。一連の騒動に、ネット配信の海外ドラマのファンであることを公言していた安倍元首相はどう感じているのだろうか。
Twitterの反応
やはりそういうこと……第1話で視聴止めたの正解だった。「望月記者が赤木さんとの連絡を一方的に遮断したこと、雅子さんをモデルにした役柄に内定し、衣装合わせまでしていた小泉今日子が出演辞退…」ネットフリックス「新聞記者」プロデューサーが制作経緯巡り、森友遺族に謝罪 1/26 文春オンライン pic.twitter.com/wU46wzXq0l
— 如野🌈 (@yukino__tweet) January 26, 2022
「ネットフリックス「新聞記者」プロデューサーが制作経緯巡り、森友遺族に謝罪」週刊誌が報道した遺族の遺書が「新聞記者」のスクープになっていて、当然、当事者の許諾を得ていると思っていたのに。あれだけ権力の説明責任を追及した「新聞記者」は取材拒否とか。 https://t.co/2L2wdQpA6H
— 橘 玲 (@ak_tch) January 26, 2022
新聞記者のドラマは面白いんだけど、やっぱ問題が解決されてない事案をリアル寄りなフィクションとして作品にするのは難しいもんだねぇ
やるならメタ発言とかで匂わすぐらいが理想なのかね
— 豚・呑|ᴗ•)و゙㌧㌧ (@Kokoperi7) January 27, 2022
新聞記者の記事よんでアーア……て思った
— パン粉 (@cluclucclu) January 27, 2022
政治の闇を暴く新聞記者の闇が深いとか…… https://t.co/fW8EZr2qoh
— もささケダマノフ (@mosasakedama) January 27, 2022
現役ジャーナリストが本業以外の場所ででかい顔し出すと碌なことしてないんだよね〜とうっすら思ってたら勘が当たったでござる
ネットフリックス「新聞記者」プロデューサーが制作経緯巡り、森友遺族に謝罪(文春オンライン)#Yahooニュースhttps://t.co/4dUuFIYcyU
— まあとり (@toriaezu_20) January 27, 2022
https://t.co/IzXIVn51Pk
>望月記者にも話を聞こうと自宅のインターホンを押すと「はい」と、いつも会見で耳にするやや高い声で応答があった。ところが「週刊文春」と名乗ったとたんに切られ、あとは一切応答なし。電話をしても手紙を置いても、なしのつぶてだった粘着取材に自分は答えないの草。
— しわすみ (@s_w_s_m) January 26, 2022
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
image by : XanderSt / shutterstock