【武田双雲×茂木健一郎】人は「幸せ」だからこそチャレンジできる。今まで“真逆の選択”をしてきた日本

 

日本の社会は今まで「真逆を選択」をしてきた?

茂木:よく僕がよく言うのは、昔話によくある「そして二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ」っていうのは、そこまでは色々苦しいことがあって、最後には幸せになって、その後はもう大丈夫みたいなイメージあるけど、そうじゃないんです。恐らく、双雲はすごく同意してくれると思うんだけど、幸せになったからこそ、幸せだからこそチャレンジができるんです。幸せというこたつに入ってチャレンジするんです。

武田:いや、これ、めちゃくちゃ深い話ですよね。何故かというと、茂木さんが言ってることが新しく聞こえるぐらい、日本の社会は「真逆を選択」をしてきたんですよ。今まで「苦労してなんぼ」で、いつかの幸せのために今を犠牲にするっていう。それを全否定している茂木さんはすごいと思う。

茂木:だから「幸せがチャレンジの起点」なんですよ。

武田:日本人は逆で「幸せを得るためには我慢が必要」とか、今は一生懸命に歯を食いしばって、幸せのために今勉強しなさい、受験に受かりなさいっていうことでやってきたら、実際、東大に行こうが、行かまいが、幸せはなかったわけです。それが100億円持とうが、上場企業の社長になろうが、年収が何千万こようが、そこにハッピーはなかったっていう結果が出ているのに、いまだにみんなまだ何か未来にあるんじゃないかっていう幻想を見ながら、今を我慢している。まだ日本には、僕が言っている事を理解している人が少ないんです。

茂木:俺は、ずっと言っているけど、俺は色んなところで話しするけど、日本のお母さんも完全にこうなっている。例えば東京だとみんな中学受験するから、俺がこういうこと言っても、最後に「先生どうしたらいい中学に受かるんですか?」みたいに聞かれるわけ。「わかりました、さようなら」みたいな(笑)。

内田:それは不幸ですよね。子供にとっても、これからの日本にとっても。

武田:まず不安がベースになっていて、全て「不安プラットフォーム」の上に教育とか親子関係を載せているので、この不安プラットフォームを「全とっかえ」しないといけないのに、未だに不安を何とかしようとする。そんなことしても仕方ないのに、今こういう話を誰もしていないんです。

内田:確かに。でも、そういう教育を受けて大人になった人が、今から脳に刺激を与えたり、何か切り替えたりするキッカケみたいなものはあるんでしょうか?

茂木:やっぱり「パターン認識」っていうか、いろいろなパターンを見ることじゃないですか。日本ではあんまりパターンがないってことだよね。でも、海外に行くと「ホーム・エドゥケーション」って言って、家で勉強している子なんて100万人単位でいるし、不登校っていう概念自体が無いし、ハーバード大学は日本の偏差値という概念で言うと「Fランク」だしね。もともと偏差値っていう概念がないから点数とか関係ない。日本の常識は世界の非常識だから。俺もう10年ぐらい同じこと言ってきてるけど、分かってる人は分かってるけど、分からない人は聞いてない、聞こえてない(笑)。

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