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中国の「一帯一路」が元凶。カンボジアで人身売買被害に遭う台湾人続出の衝撃

台湾からカンボジアに渡った若者を中心とする300人以上が人身売買被害に遭い、帰国できないでいるとして、台湾社会を震撼させています。何が起きているのか、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』著者で、台湾出身の評論家・黄文雄さんが複数の報道を元に衝撃の実態を伝えています。黄さんは帰国を困難にしている理由の一つとして、「一帯一路」により開発され治外法権のようになっている地区に連れ去られていることをあげ、中国の杜撰さが悪の巣窟化を助長していると批判しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年8月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】台湾人の被害が続々!他国を犯罪の巣窟化する「一帯一路」の実態

台湾社会に衝撃が広がるカンボジアの“人身売買”、現場は「警察も手を出せぬマフィアの”治外法権”エリア」…日本に被害拡大の可能性は? | ABEMA TIMES

今、台湾社会は、ある事件を起こしている大きな犯罪組織の話題でもちきりとなり、台湾人は戦々恐々としています。事件の概要はこうです。以下、報道を一部引用します。

「無経験で高収入。ビザ申請も代わりに行いますし、飛行機代もタダ。空港までは迎えに参ります」「英語スキルは不要。タイピングができればOK」。そんな甘い言葉でカンボジアやタイなどの東南アジアの国々へ誘い寄せられ、詐欺行為への加担を強要されるといった被害が台湾や香港などで相次いでいる。

台湾内政部や香港政府の発表を総合すると、手口はこうだ。まずネット上に「海外で働きませんか」という趣旨の広告を掲載する。英語力や特別な経験は一切必要なく、しかも高収入だと謳う。興味を持って連絡すると、ビザ申請や滞在場所の確保なども代行してくれ、飛行機代もタダだという。しかしいざ現地に着いてみればパスポートを取り上げられ、詐欺行為に従事させられる。

 

台湾内政部によると、まず詐欺の手法を教え込まれ、「台湾訛りで電話をしたり、メッセージを送ったりして、友人や知り合いを東南アジアに誘い寄せる」ことなどを強要されるという。現地では劣悪な環境に置かれ、暴力や性的暴行を受けることもあるという。

「無経験で高収入」実は東南アジアへの人身売買。台湾や香港を震撼させた詐欺の実態とは | ハフポスト WORLD

台湾は日本以上の学歴社会であり、学歴が低いと初任給も低くなるのが現状です。そんな、社会構造からはみ出した若者たちを狙って、犯罪組織は甘言を弄してカンボジアに誘います。報道によれば、「『まだ370人前後がカンボジアにいる』。台湾内政部(内務省)の徐国勇・部長は8月21日、台湾メディアに対しこう明かした」とのこと。

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なぜ台湾人がカンボジアに連れて行かれるのか。この集団的犯罪の背後には中国の影が色濃く見えます。第一に、台湾とカンボジアは国交がないため、現地での捜査や捜索を行うのが困難だということです。

第二に、報道によると、被害者の台湾人たちはカンボジアに着くと、「カンボジア南部のシアヌークビル経済特区(SSEZ)やミャンマー東部カイン(旧カレン)州ミャワディの人身売買拠点「KK園区」に売られ、詐欺などの行為に従事することを強要される」といいます。

シアヌークビル経済特区は、巨大経済圏構想「一帯一路」に沿って中国が開発を主導。香港01によるとKK園区も当初は経済特区だった。両地区では、本来誘致するはずだった産業に替わり徐々にギャンブル産業が勃興。その後、中国当局が越境賭博への取り締まりを強化し、新型コロナウイルスの流行も追い打ちとなって集客を失い、ギャンブル産業が立ち行かなくなったために人身売買の一大拠点に成り下がったとみられる。

人身売買被害37人に増加 東南アジアへ、香港社会に衝撃 – NNA ASIA・香港・社会・事件

中国が建設した街なだけに、公用語は中国語のようであり、カンボジアにおける治外法権のような地域になっていたそうです。そこへ台湾人や香港人を誘い込み、詐欺、性犯罪、臓器売買などの犯罪に利用しているというのです。

さらに噴飯ものなのが、この状況に対するカンボジアの中国大使館の態度です。

カンボジアの中国大使館は8月20日、カンボジアに滞在する台湾出身者への「手紙」を公開。「祖国はあなたたちの盾であり、どのような困難であろうと直接私たちに連絡できる」などとつづり、台湾は中国の不可分の一部であるとの立場を強調した。

「無経験で高収入」実は東南アジアへの人身売買。台湾や香港を震撼させた詐欺の実態とは | ハフポスト WORLD

スネークヘッドやらヤクザやらの中国人犯罪集団が堂々と犯罪を繰り広げられる場所を提供し、犯罪に目をつぶっている一方で、被害者である台湾人や香港人に対しては、「祖国はあなたたちを見放さない」などと偽善者ぶっているのです。もちろん、以下のように反論しています。

台湾外交部(外務省)は台湾メディアに対し、カンボジアなどで詐欺グループが発生したのは中国が推し進める巨大経済圏構想「一帯一路」が背景にあると主張。「自分たちで火をつけておきながら一方で助けるなどと叫んでも一帯一路の失敗は隠せず、台湾の人々の中国政府への反感を増加させるだけだ」

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中国の「一帯一路」自体が、詐欺まがいの行為であり、中国による「インフラ建設支援」という甘言に釣られた国は、次々と「債務の罠」にはまり、借金返済ができずに破綻の危機に陥っています。その典型例がスリランカでしょう。

そして今度は、その一帯一路に組み込んだ国を悪の巣窟にして、台湾人に罠を仕掛けているというわけです。

台湾政府は、カンボジア行きの飛行機に乗る人達に対して注意喚起を強めたり、帰国できていない台湾人の救助のための策を練ったりと努力をしていますが、国交のないカンボジアでの出来事なだけに、なかなか直接的な行動には出られないようです。

台湾はテレビも新聞もこのニュースでもちきりで、人々は恐れおののいています。中国が言う「武力を使わずに平和的な統一」が、これなのでしょうか。先週のメルマガに書いた「京台鉄道」の一件といい、この重大な犯罪といい、中国政府は一体どこまで卑怯なことをするのでしょうか。
(メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年8月24日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by:Milosz Maslanka/Shutterstock.com

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