厳しい懐事情をなんとかやり繰りして出向いたキャバクラで、パッと散らしてしまった稼ぎの一部。そんな夜の街に落とした決して安くないお金を、なんとか取り戻す手はないものでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、キャバクラ代を会社の経費で落とす方法を伝授。さらに「二次会費用は交際費にできない」という都市伝説の真偽を検証しています。(この記事は音声でもお聞きいただけます。)
※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2022年11月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:大村大次郎(おおむら・おおじろう)
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。
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キャバクラ代を経費で落とす方法
「キャバクラ代を会社の経費で落としたい」
かなりの男性がこういう願望を抱いたことがあるのではないでしょうか?会計の世界では「キャバクラ代なんて経費で落とせるわけない」こういう考えがまかりとおっています。
しかし、しかし、です。キャバクラの領収書であっても、やり方によっては経費で落とすことができるのです。もちろん、ただ無条件で経費に落とせるということではありません。一定の条件を満たさなけ ればなりません。でも、その条件というのも、それほど難しいものでもありません。
キャバクラの領収書を経費で落とすには、いくつか方法があります。
これから数回にわたってそのいくつかの方法を順に紹介していこうと思っています。この「キャバクラの領収書を経費で落とす」ということは究極の経理テクニックといえます。キャバクラの領収書を経費で落とす方法を知れば、「経費とはなんぞや」「会計とはなんぞや」というものがおのずから見えてくるはずです。だから、経営者のみならず、一般のサラリーマンの方も絶対に知っていて損はないのです。
キャバクラの領収書を経費で落とせるのなら、ほかの領収書を経費で落とすことなど簡単、ということになります。つまりキャバクラの領収書を経費で落とすことは、究極の会計術ともいえるのです。これさえ知れば、あなたはもう会計の達人ということになるでしょう。
キャバクラ代を経費で落とすための三つのルート
まず「経費」というものの基本的な考え方をご説明しますね。「事業の経費で落とす」ためには、事業に関連する経費でなければなりません。逆にいえば、事業に関連するものであれば、どんな支出でも経費に計上する ことができるのです。だからキャバクラ代も、事業と関係していれば、経費に計上することができるのです。つまり、キャバクラと事業の業務に関連を持たせることができれば経費にできるのです。
「キャバクラと事業の業務」というと、一見、何の関連性もないように見えます。しかし、やり方によっては、関連付けることができるのです。
その方法として、だいたい三つのルートが考えられます。ただこの「三つのルート」というのは、今、筆者が考えついていることが三つだけ、ということであり、研究次第、工夫次第で、もっと増える可能性もあります。そして三つのルートとは次のとおりです。
- 接待の場としてキャバクラを利用する
- 商品開発のためにキャバクラを利用する
- 研修のためにキャバクラを利用する
一つ目の「接待の場」は、そのままの意味です。つまりは、取引先などの接待にキャバクラを利用するということです。
二つ目の「商品開発」というのは、マーケティングなどを含めて商品開発の調査のためにキャバクラを利用する、ということです。
三つ目の「研修」は、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、社員のスキルアップや、ビジネス知識習得のために、キャバクラを利用するということです。
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「二次会費用は交際費にできない」という都市伝説
今回はまず一つ目の「接待の場としてキャバクラを利用する方法」をご紹介しましょう。
キャバクラ代を交際費として落とすことができるのは、当然のことながら、「接待でキャバクラを利用した場合」に限られます。自分一人でふらりとキャバクラに行って、それを交際費で落とすことはできません(これはキャバクラに限らず、すべての交際費がそうです)。
「飲食代やゴルフ代ならともかく、キャバクラ代まで交際費で落とせるの?」と思う人もいるでしょう。しかしキャバクラ代でも、接待交際のためのものであれば接待交際費に該当するのです。
実は交際費というのは、明確な線引きはないのです。どんな費用が交際費で、どんな費用が交際費にならない、という明確なガイドラインというのはほとんどないのです。税務署の調査官によっては、「一次会の費用は認めるけれど、二次会の費用は認めない」などと言う人もいます。だから、会計の都市伝説として、「一次会の費用は交際費にできるけれど、二次会の費用はできない」というようなものが出回っています。
これは会計の世界では、昔からよく言われてきたことのようです。インターネットでも、こういうことが時々言われているようです。しかし、実は、「二次会以降の費用は会社の経費で落とすことができない」というのは、都市伝説に過ぎないのです。取引先などを接待するときの「接待交際費」というのは、その条件は「仕事に関係する接待」ということです。少しでも仕事に関係する接待ならば、接待交際費に計上することができるのです。
税法上は一次会であろうと二次会であろうと、接待交際をしていれば、立派に接待交際費として計上できるのです。そして、接待交際において計上できる費用というのは、「接待交際においてかかった費用」です。「一次会はいいけれど、二次会はダメ」などという縛りはまったくないのです。だから、取引先などを一次会で飲食を饗応し、二次会でキャバクラに案内したような場合、その費用はすべて接待交際費に入れることができるのです。
接待をするときに、一次会だけで終わり、というようなことは少ないはずです。二次会があるほうが普通だといえるでしょう。二次会からは、自腹で払わなければならない、などというのは、絶対におかしい話なのです。だから、調査官から文句を言われても納税者側が「それはおかしい」と指摘すれば、調査官はそれ以上突っ込めないのです。
そして、交際費かどうかの判定というのは、それが本当に「接待交際」かどうか、ということなのです。
その接待が会社にとってなんらかの意義があるかどうかなのです。取引先をキャバクラに招待して意義がないことなどありません。キャバクラに招待されて、嫌に思う取引先がいるわけはありません(取引先が普通の健康な男子であった場合)。また実際、取引先を高級クラブで接待して、接待交際費で落とすということは、どこでもやっていることなのです。高級クラブがOKで、キャバクラがNGというようなことは、一般常識から見てもあり得ないといえるでしょう。
だから、判断基準として、「その接待が会社にとってなんらかの意義があるかどうか」ということを頭に入れておいてください。それさえクリアしていれば、キャバクラの費用も事業の経費で落とすことができるのです。
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それにしても、なぜ「一次会はいいけれど、二次会はダメ」などという都市伝説が広まったのでしょう?昔は、税務署員や会社の経理担当者たちは、けっこうルーズな処理をしていたことがあったのです。交際費なども、社長や社員の遊興費を適当にぶち込んでいたりしたのです。
税務署員も、それをひとつづつチェックするのは面倒だから、二次会と思われる領収書だけをチェックし、「これは本当に交際費?」などとしつこく問い詰めたりしたようです。
また一つ一つの取引を精査するのではなく、交際費の総額を見て「交際費が少し多すぎるんじゃない?」などと追及したこともあったようです。
そういうことが、「二次会の費用を計上すると税務署から否認される」というようにエスカレートしていったのでしょう。ですが、こういう税務調査というのは、本来は法律からはずれたことなのです。税法上、交際費に該当するかどうかが問題であって、交際費が多すぎるかどうかは、税務署がとやかく言える筋合いではないのです。
現在では、税務署も会社の経理担当者も、きちんと法律に基づいて処理をしています。高すぎであろうとなかろうと、交際費に該当する経費であれば交際費に計上していいのです。今の税務署員は、世間の目もありますから、昔のように「無茶な文句」は言わなくなっているのです。もし無茶な文句を言ってきたりすれば、ネットでさらされたりしますからね。あくまで法律に基づいた仕事をしているはずです。
次回は商品開発費、研修費でキャバクラ代を落とす方法をご紹介したいと思います。
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