ジャニーズ事務所とその関連会社が、所属タレントへの「お年玉」を経費として計上し、東京国税局から約4,000万円を追徴課税されていたことが明らかに。テレビ各局は揃って報道を控えていますが、「お年玉」は5年間で約9,000万円にのぼるとされ、ジャニーズファンの間では「ひとりあたり18万円の豪華お年玉」が話題になっています。ただ、実際には「ひとりあたり18万円」は正しくなく、タレントによって貰える額はかなり違うとの見方も。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
ジャニーズ事務所「お年玉」の気になる内訳は?
年の瀬も押し迫って、ジャニーズ事務所にまたまた激震が走りましたね。
藤島ジュリー景子社長が所属タレントへの“お年玉”を必要経費として計上していたことが東京国税局の調査で明らかになったのです。
当局の発表では2018年から2022年の5年間で約9,000万円の“お年玉”が対象となったそうですが、2018年から突然“お年玉”をあげ始めたわけではないと思うので…めまいがしてきそうです。
同事務所には全部で100人少々の所属タレントがいますから、単純計算で“ひとりあたり18万円のお年玉って凄くない?”とSNSでは盛り上がっているようですが、内実はそれ程単純ではないでしょう。
テレビが報じない「お年玉」キムタクは50万円、トラジャは5~10万円か
同事務所にはアイドル予備軍のジュニアたちが300人程、稽古場で未来の『嵐』や『King & Prince』、『Snow Man』『SixTONES』を夢見て汗を流しています。
そして木村拓哉とメジャー・デビューしたばかりの『Travis Japan』メンバーの“お年玉”が同額とは、到底思えませんよね。
芸能プロダクション関係者によれば「キムタクで50万円前後、トラジャだと5~10万円程度かな…」という見立てです。
何歳になろうが故・ジャニー喜多川さんにとっては可愛い可愛い息子同然でしたから、その習慣はおそらく今も続いているわけで…もちろんこの“お年玉”はCocomiやKōki,に還元されるわけですけれど。
民放でこの追徴課税を耳にして昨日の『ニュース7』を見たところ、同番組はもしかしたら秋葉復興大臣の事実上の更迭より多くの国民の関心事かもしれないこの問題に、一切触れることはありませんでした。
まるで“戦争”だの“侵略”だのと自国のマイナスになることは一切ニュースにしない某国のようです。
まぁ大臣の更迭や埼玉県飯能市の親子殺害事件で報道部はてんてこ舞いなのは容易に想像はできますが、それでも大手芸能プロダクションの脱税事件に全く触れないというのはちょっと違うような気がしましたが皆さんはどう感じましたか?
確かに数日後には、MCや審査員の他に同事務所の6組のアーティストが出演する『紅白歌合戦』や、年が明けた1月8日からは『どうする家康』がスタートするわけで…それでも事件とエンタテインメントをしっかり色分けしないとテレビ局の信用問題…忖度と言われてしまうことになりかねませんよね。
沈黙を守る芸能マスコミの“代替ネタ”に仰天
このニュースで驚いたのは、今朝のスポーツ新聞の一面でした。
某老舗スポーツ新聞朝刊は一面にこの報道の詳細ではなく、『なにわ男子』道枝駿佑の“石原裕次郎新人賞”受賞のニュースを挙げてきたのです。
詳細や続報を期待していた私は、その見出しに一瞬思わず呼吸困難になりそうでした。
しかも賞の冠は、かつて芸能マスコミに大盤振る舞いな忘年会を提供していた石原裕次郎さん…。
報道によればこの新人賞の“お年玉”は100万円!
まだ20歳の道枝はこの“お年玉”をどう使うのでしょうね、“課税か非課税対象かしっかり勉強して、必要ならしっかりと申告しないと…”と、笑顔の紙面の道枝に話かけてしまいました。
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本年のブログは今日が最後になります。今年皆さんからいただいた励ましや助言、取材協力の御言葉に心から御礼申し上げます。来年も皆さんの御期待に応えるよう、精進していく所存です。
年明けのスタートは1月4日を予定しております。皆様にとって2023年が良い1年であることをお祈り申し上げながら今年を締め括りたいと存じます。ありがとうございました、そして来年もまた、宜しくお願い致します。
プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」
image by : 遊戲基地 / CC BY 3.0