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櫻井翔の父親が“黒幕”か?ジャニー喜多川の性加害を上回る「日本のタブー」

被害者たちの勇気ある告発を受け、これまでの「慣例」を破る形でジャニー喜多川氏の性加害について報じ始めた大手メディア。しかし未だマスコミが沈黙を貫く「ジャニーズのタブー」が存在するようです。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、櫻井翔氏の父である桜井俊氏を巡る疑惑を紹介。メディアどころか与野党議員までもが桜井氏に対して及び腰である理由を解説しています。

【関連】全メディアが沈黙。ジャニー喜多川「性加害」問題を報じぬニッポンの異常

ジャニー喜多川氏の性加害問題を上回る、ジャニーズのタブー 嵐・櫻井翔パパ 桜井俊氏(元総務官僚) 自民党と電波利権をつなぐ者 放送法文書の“黒幕”か?

ジャニーズ事務所創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題について、NHK、そして各キー局ともに“ようやく”というべきか、報道するようになった。

今月12日、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが日本外国特派員協会で記者会見。以後、NHKが日本のテレビ局として初めて、13日に報道。テレビ東京と日本テレビは14日に、それぞれ自社のWebメディアの「テレ東BIZ」「日テレNEWS」で報道。

その後、21日にジャニーズ事務所が社員や所属タレントに対し、聞き取り調査を行い、今後の対応について取引作企業に説明したと、「朝日新聞デジタル」が報道。

以前とは違い、ジャニーズ事務所の“タブー中のタブー”を大手メディアがここまで報道するようになった背景には、明らかにインターネットの存在があっただろう。

だからこそ、テレビがあからさまに報道しなくても、Web媒体が報じて、単なる“噂”として終わらなかった。

一方で、ジャニーズ事務所をめぐっては、もう一つ、触れなければならない問題がある。

活動休止中の「嵐」の櫻井翔氏の父親、桜井俊氏についての問題だ。くしくも、放送法をめぐる「政治的公平」の問題が国会でなされている。その“黒幕”が、桜井氏であると噂されているからだ。

目次

放送法文書の“黒幕”か?

放送法が定める「政治的公平」についての解釈をめぐり、立憲民主党の小西洋之参院議員が公表した文書は、松本剛総務大臣は、総務省が作成した行政文書であることは認めたものの、しかし、それ以上の動きはみられない。

しかしことの本質は、問題の黒幕が当時の旧郵政省出身者の総務審議官であった桜井俊氏であること。

ただ、小西議員が示した文書には、「配布先」として当時の高市早苗総務大臣や事務次官の名前は入っておらず、“最初に”桜井総務審議官の名前が登場。

あるいは、

「礒崎陽輔総理補佐官からの連絡(総理レクの結果)」

の報告では、

「桜井総務審議官限り」

となっている文書もある。

つまり、桜井氏は“当時の全てを知る人物”であるのだ。

「『取扱厳重注意』の文書を小西洋之議員に手渡したのは、国家公務員法違反の機密漏洩に当たる可能性がある。文書は情報流通行政局保管だったが、大臣室からも閲覧できない。

つまり、旧郵政省グループしか知らない文書だった。おのずから『犯人』も限られてくる。桜井氏が招致されれば、監督責任問題が当然のことながら出てくる。与野党ともに『櫻井パパ』を追及することに腰が引けている」(*1)

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桜井俊氏とは?

桜井俊氏は、1953(昭和28)年12月14日生まれ。旧郵政・総務省の官僚であり、総務次官にまで上りつめた。退省後は、電通の取締役を歴任し、現在はマルチメディア振興センター理事長。

群馬県の前橋市出身。父は群馬県の地元紙上毛新聞元専務。1977年に東京大学を卒業後、旧郵政省に入省。その後、電気通信局電気通信事業部事業課長などを歴任。

とくに日本電信電話の再編などの通信事業の自由化を主導した。

2001年に総務省が発足したあとは、情報通信政策局総合政策課長、情報通信国際課長などを歴任。民主党政権時には、電波オークションが議論になった際、反対の論陣を張り、そのこと自民党の世耕弘成らに注目された。

2014年に事務次官への昇進が取り沙汰されるも、結局は幻に。2015年7月に事務次官への昇格が内定し、28日の閣議で次官への就任が決定。そのときに、俊氏の長男が嵐の櫻井翔であることが広く報道された。

2016年に当時の舛添要一の政治資金問題が騒がれた際には、週刊ポストが、

「次期東京都知事候補」

であると報道したものの、桜井氏は、総務省の前で、

「情報通信行政をやってきただけの人間ですので、とてもそのような役を果たせるだけの器ではない」

と語り、出馬を否定した。2016年6月に退官した。

自民党と電波利権をつなぐ者

桜井氏が歩んできた経歴は、総合通信基盤局や情報通信国際戦略局で、とくにテレビの地上デジタル化を指揮するテレビ局を“ダイレクト”に管轄に納めるもので、まさに電波・通信事業畑の官僚。

とくに政治とメディアの利権が絡む、まさに根幹をなす者だった。自民党とも関係が深かったことで知られる。

「俊氏はNTTの分割を主導した人物ですが、そのときに協力関係を築いたのが、NTT出身の総務族議員で現在の経済産業大臣の世耕弘成氏だった。また、安倍政権最大の実力者である菅義偉官房長官のおぼえもめでたく、菅氏が総務大臣のときに総合通信基盤局長電気通信事業部長から総括審議官に引き立てられています」(総務省関係者)(*2)

そもそも櫻井翔が所属する嵐は、ジャニーズ事務所のなかで実権を握るメリー喜多川氏の娘である藤島ジュリー景子氏が統括しており、ジャニーズ内でもっとも優遇されているグループだった。

テレビのキャスティングにも力が入れられ、他方、スキャンダルは徹底して潰されている。そのなかでも“ミスター総務省”と呼ばれた父をもつ櫻井翔は特別だったという。

■引用・参考文献

(*1)「『高市早苗の文書疑惑』全てを知る男『櫻井翔のパパ』を追及しないという茶番劇」Asagei+plus 2023年3月11日

(*2)「櫻井翔パパ・桜井俊氏の電通天下りの裏に電波利権が! 電波オークションをめぐる安倍政権と電通の思惑とは」LITERA 2017年12月5日

(『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年4月27日号より一部抜粋・文中一部敬称略)

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伊東 森(いとう・しん): ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。 1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。 高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

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