かつての栄光などもはや見る影もなく、凋落する一方の日本。そんな自国の現状と行く末を、子どもたちにどう伝えるべきなのでしょうか。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』では人気コンサルの永江さんが、読者からの質問に答える形でその「正答」をレクチャー。親が我が子に何を伝え、そしてどう導くかについて解説しています。
日本の現状を子どもにどう説明すべきか
Question
いつもブログそしてメールマガジンをありがとうございます。世代間の不平等を小学6年生の子どもへどのように説明すればよいか悩んでおります。いつもブログ等で少子高齢化に伴う年金や健康保険の問題を拝見しておりますが、もし今小学生のお子さんがいらっしゃったらどのようにご説明されますか?(小学生には説明しないという選択肢もあるかと思います)
今の現状を知ってもらい、大人になっていく中で日本という国が成長していけるような選択ができるように育ってくれればと思っておりますが、逆に高齢者へ悪いイメージを持ったり、希望を失ったりしないかと危惧しております。もちろん子ども自身の捉え方ですので難しい部分はございますが、もし永江様が小学生へ語り掛けるならどのようにお話しされるかと思い質問いたしました。よろしくお願いいたします。
永江さんからの回答
いや、子どもにはちゃんと事実を伝えて「生き残るためには世界に出て生きていけるように頑張りなさい」と説明するべきだと思います。
日本は滅亡する・衰退するなどというと、強い日本を信じたいネトウヨから叩かれますが、日本が衰退し消滅に向かうのはもう揺るがない事実です。これまでの世界の歴史の中で人口が減少しながら発展した国はありません。
唯一ジョージアが人口減少と発展を並立したと紹介する人もいますが、ジョージアはロシアに侵略されて人口が減ったものの人口構成が若く、その後に発展したのであり、日本は少子高齢化により人口が自然減している状況です。年寄りばかり食べさせて人口と子供が減少している地方都市が発展するわけないのと同じように、日本が衰退していくことは必定です。都心部はまだマシですが、田舎は今後過疎化が急速に進むでしょう。すでに90歳以上の人口は3歳未満と同じなんですよ。
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集合体として変化を阻んでいる日本の高齢者世論
そんな危機的な状況でも高齢者は変化を嫌い、少子化対策にも反対するし、マイナンバーのトラブルで露呈した世界で唯一の戸籍制度の弊害も無視するし、移民を差別的に見るし、夫婦別姓には反対し、無思考に旧態依然でいるように求め、賦課方式の年金制度も理解せずに年金を上げろと叫びます。
もちろん個々の高齢者は悪い人ばかりではないですが、集合体として高齢者世論が変化を阻んでいるのは明らかで、このままでは日本は消滅を待つばかりなのは明白です。
そうした厳しい現実を伝えずに、お年寄りの考えはよく聞こうとか、日本の未来は明るいとか言ってもそれは現実逃避した真っ赤な嘘になってしまいます。今の子どもたちに親が伝えなければいけないのは、偽りの希望ではなく「日本は日本を出ても生き抜ける力を身に付ける衰退していくことは残念ながら事実」「君たちはために頑張るんだ」という厳然たる事実だと思います。
子どもの頃に何も考えずにだらだらゲームしているのと、先々の厳しさを理解して勉強・努力しているのでは、育ってからの生存確率も人生を自分で選択できる力も雲泥の差です。もう日本は昭和の高度経済成長期ではなく衰退局面なので、子どもにはその中で生き残るために努力しなければならないことを伝えてあげるのが親の愛情ではないでしょうか。
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