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文春砲に“特大ブーメラン”。浦沢直樹と社員の「W不倫」に敷いた箝口令

『文春オンライン』の餌食となり、苦しい立場が続く広末涼子と「sio」オーナーシェフの鳥羽周作氏。各界が恐れおののく文春砲ですが、その銃口を向けることができない相手も存在するようです。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、他誌が報じた自社女性社員と人気男性漫画家とのW不倫を文春が黙殺した過去を紹介。さらに彼らが決してその「情事」を報じることができない対象を白日の下に晒しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

広末涼子W不倫の裏で注目される“文春砲”ブーメラン 2016年、文春社員が「20世紀少年」浦沢直樹氏とW不倫 週刊文春を襲う“作家タブー”

広末涼子(42)とミシュラン1つ星店「sio」のオーナーシェフ鳥羽周作氏(45)のダブル不倫の騒ぎがとどまることをしらない。週刊文春は“第3弾”として、過去の広末涼子の不倫と、広末からの“直電”をスクープしている。

一方の鳥羽氏は、埼玉県戸田市のとだPR大使を解任、六甲バターの大阪・関西万博向けメニュー開発と、ユーグレナのコーポレートシェフの契約解除が明らかになった。

ここ数年の「週刊文春」の勢いは物凄いものがあるのは事実であるが、しかし我々は、ことの本質をそろそろ見極める必要がある。そもそも今回の広末涼子の不倫をスクープした「週刊文春」の社員が、2016年に過去にW不倫をしていたのだ(*1)。

お相手は、『YAWARA!』『MASTERキートン』『20世紀少年』などヒット作を次々と輩出し、“現代の手塚治虫”とも称される人気漫画家の浦沢直樹氏。

「週刊女性」が、2016年10月25日号に、「大人気漫画家 浦沢直樹 週2回の密会愛はまさかのW不倫」としてスクープしている。

問題なのは、なぜこのような世紀を揺るがす“直撃ブーメラン”が見過ごされていたのかだ。出版業界において、浦沢氏のような大作家の威力は絶大だ。

作品がベストセラーになれば自社の利益に直結する関係であるのはもちろん、雑誌のコラムやエッセイ執筆、インタビューなどで付き合いも深くなる。

そのため、作家の批判やスキャンダルは週刊誌の絶対的な“タブー”となっている。そのため、文藝春秋を襲ったまさかの不倫騒動も、結局は出版業界の“内輪ネタ”として関係者の間だけの話題となってしまった。

とはいえ、相手が大物作家だからといってその事実すら報道されないという状況は不公平極まりない。所詮は週刊文春も“イエロージャーナリズム”の類に過ぎないのだ。

目次

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週刊文春社員 W不倫詳細

週刊文春社員と浦沢直樹氏の“W不倫”を報道したのは、2016年の「週刊女性」10月25日号。

記事には浦沢氏と女性の2カ月近くにわたるデートの様子が詳細に描かれていた。

同年8月10日にはスープカレー店、8月22日はイタリアンの後、目黒のラブホテル、9月18日にも渋谷のラブホテル、その3日後には中華料理、10月5日には午後のカフェでデートをしていた。

また、記事には別々にラブホに入り、時間差で出てくる2人の姿が収められた写真も掲載されている。しかしながら、出版業界が“騒然”となったのは、お相手の女性のプロフィール。

「週刊女性」には、こんなコメントが掲載されている。

「大手出版社に勤務する50代前半のAさん。数年前、雑誌の企画を通じて、浦沢先生と接点ができたそうです。今は編集からは離れていますが、仕事のできる人ですから、漫画家や作家との付き合いは続いているようですね」

「同じ会社に旦那さんがいます。お子さんはいないそうですね」

しかも「週刊女性」は、

「Aさんの会社の雑誌でも週刊誌を出版しているので、取材には理解を示してくれた」

とし、Aさんの以下のようなコメントが掲載されていた。

「私も人のことを言えない会社にいますから。こうして公人の方と食事にいくとなるとそういう見方をされることもわかります」

「週刊誌を出している人のことを言えない会社とは、いったいどこの会社なのか? 当初は、浦沢がデビュー以来ずっと仕事をしてきた小学館か、それを出し抜く形で2008年から「モーニング」に起用し『BILLY BAT』を連載している講談社か、との憶測が流れていたが、取材してみると、このコメントの理由がよくわかった」(*2)

結果、この女性はなんと“文春砲”を擁する文藝春秋の社員だったのである。しかも、当時は広告関係のセクションで働いているが、かつては「週刊文春」にも所属していたという。

公私混同の不倫劇

このW不倫をめぐっては、文春関係者の

「写真を見てすぐにわかりました。Aさんは編集者としてもすごく優秀で、『CREA』で長く編集者をつとめていましたし、一時は『週刊文春』で連載班のデスクをしていたこともある。たしか当時は、村山由佳さんの不倫小説小説『ダブル・ファンタジー』を担当していたんじゃないですかね。旦那さんも月刊『文藝春秋』のナンバー2として知られ、“将来の『週刊文春』編集長”の呼び声も高い人物です」(*3)

との声も。

「しかもAさんが浦沢氏との関係を深めたのも『週刊文春』絡みだったといわれている。『週刊文春』には、『青春ロック』という有名人がロックの思い出を語るSony Musicとのタイアップ連載企画があるのだが、昨年秋に、浦沢がこのコーナーに登場。ボブ・ディランについて語っている。この企画の担当が、広告セクションにいるAさんだったらしいのだ」(前出・文春関係者)(*4)

まさに「公私混同」と言われてもしかたのないW不倫劇。一時、この報道に文春社内は凍りつき、厳しい箝口令が敷かれたという。

「出版社の社員の不倫なんて、これまでなら別に珍しい話でもなかったですし、会社も鷹揚だったんですが、『週刊文春』の不倫報道があれだけ注目を集めると、話が違ってくる。他媒体に『文春社員が不倫』などと暴かれかねないと、すごく警戒感を強めていました。『週刊文春』編集部では、身辺に気をつけるよう全スタッフに注意したくらいです。それが、この大物漫画家とのW不倫という超ド級のスキャンダルでしょう?幹部は何を書き立てられるか、と戦々恐々のようです」(前出・文春関係者)(*5)

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作家タブー

近年、「週刊文春」は“文春砲”として名を馳せるが、なんてことはない、文春にもタブーが存在する。それは“作家タブー”だ。

日頃、芸能人のスキャンダルを書きまくっている週刊誌も、作家に対してはどんなスキャンダルが浮上しても沈黙を決め込むどころか、逆に作家の意を受けて記事を潰すなど不祥事隠しに加担することもある。

浦沢直樹氏は小説家ではなく漫画家であるが、それでも大ベストセラーを連発する“大作家”だ。

このとき、不倫を報じた「週刊女性」を版行する主婦と生活社は、小説や漫画をメインとするコンテンツを出版していないため、こうした報道が可能だったのかもしれないが、しかし他の出版社が追随することは、結果的になかった。

だからこそ、“文春砲の”不倫大ブーメランが直撃することはなかった。実際に、週刊文春の作家タブーか以下のように機能している。有名なのは、百田尚樹が執筆した『殉愛』(幻冬舎)騒動だ。

やしきたかじんの妻であるさくら夫人をテーマとした同書については、さくら夫人の結婚歴など、さまざまな“嘘”が発覚。たかじんの長女からも「名誉棄損」で出版の差し止め訴訟を起こされた。

しかし、このとき「週刊文春」はこの問題で百田氏の“いいなり”になり、弱腰な対応を見せた。連日、さまざまな嘘や問題が発覚しても、一切、記事化しようとせず、逆に2014年12月18日号に百田氏の手記を掲載、2015年1月1・8日特大号から百田氏の連載小説『幻庵』を予定通りスタートさせる(*6)。

週刊文春の発行元である文藝春秋は、創業当時から文芸出版社の老舗として、現在まで数多くの作家を輩出し、その登竜門といわれる芥川賞・直木賞も主催する。

だからそ、芸能人のスキャンダルはバンバン報道するも、情けないことに作家の情事は一切報道できないのだ。

引用・参考文献

(*1)時田章広「人気漫画家・浦沢直樹の『ラブホW不倫』の相手は文春の女性社員だった!『週刊文春』デスクを務めたことも」LITERA 2016年10月11日

(*2)時田章広 2016年

(*3)時田章宏 2016年

(*4)時田章広 2016年

(*5)時田章広 2016年

(*6)田部祥太「“無双”といわれる『週刊文春』にも絶対書けないタブーが! 林真理子が『作家になれば悪口書かれない』と暴露」LITERA 2016年4月3日

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  • ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)2023年7月2日(日)号 首相はどんなときにも衆議院を解散できるわけではい 苫米地部裁判 諸外国の場合 歴史とともに制限されていく”解散”(7/2)
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2023年5月配信分

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  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年5月27日(土)号  G7広島サミット閉幕 G7の歴史 G7からGゼロへ 多極化・分極化・多様化する世界(5/27)
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2023年4月配信分

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2023年3月配信分
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  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年3月5日(日)号 成田悠輔氏の高齢者差別発言の本当の問題点 ~1~ 天皇陛下に対しても「自決しろ!」というのか? 特殊詐欺犯と同じ思想 それを”エイジズム”という(3/5)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年3月4日(土)  ChatGPT の凄さと限界 ChatGPT を支えるマンパワーの闇 問われる人間側の学習号(3/4)

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2023年2月配信分

  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月26日(日)号 難航するスウェーデンとフィンランドのNATO加盟 なぜトルコは反対する? トルコの独自外交にみる 「したたかさ」(2/26)
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  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月19日(日)号 相次ぐ凶悪犯罪 しかし日本の治安は本当に悪化しているか? 世界と比べて少ない日本の警察官の人数 結局は警察機構の「やるやる」詐欺か?(2/19)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月18日(土)号 再び起こる「飯テロ」の背景 問題の本質は何か? ”トイレ”と化すワイドショー報道 マスコミの報道が模倣犯を生む(2/18)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月12日(日)号 荒井秘書官 同性婚めぐり差別発言 更迭 ~2~ 人権後進国日本 統一教会”同性婚ヘイト”受け継ぐ岸田政権 すでに日本人は国を「捨てて」いる 増える海外移住者 (2/12)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月11日(土)号 荒井秘書官 同性婚めぐり差別発言 更迭 ~1~ 問題の経緯 オフレコとオンレコ 荒井秘書官とは(2/11)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月5日(日)号  映画版「鬼滅の刃」歴代興行収入1位の影で危惧される日本映画界の未来 ~3~ 映画の“多様性は”どこまで守られるのか 日本のミニシアター文化を維持していくために (2/5)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年2月4日(土)号 岸田首相「異次元の少子化対策」の行く末 「晩婚化」というウソ 奨学金問題 福祉国家でも少子化が進んでいるのというのに (2/4)

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2023年1月配信分
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年1月29日(日)号 ゴッホ「ひまわり」トマトスープ事件と地球温暖化懐疑論者 どちらがより暴力的か、冷静に考えよう(1/29)
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  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年1月22日(日)号 アフガニスタンは今どうなっている? アフガニスタンの歴史 タリバンとは? 飢餓 女性差別 臓器売買(1/22)
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  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年1月15日(日)号 岸田首相“唯一の”レガシー 原発再活用の虚構 「原発回帰は歴代政権が手が出せなかった」 原発燃料、結局はロシア頼み(1/15)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年1月14日(土)号 米国下院議長 投票15回目でようやく決まる マッカーシー議員とは? 下院議長とは? 「フリーダム・コーカス(自由議連)」が造反(1/14)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年1月8日(日)号 映画版「鬼滅の刃」歴代興行収入1位の影で危惧される日本映画界の未来 ~2~ 東宝一強体制の理由 しかし国際市場では通用せず(1/8)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年1月7日(土)号 岸田首相、防衛増税前の「解散」発言が波紋 萩生田氏の口車に乗せられて? 自らの首を絞めるのか(1/7)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2023年1月1日(日)号 中国、「ゼロコロナ」対策転換で感染爆発 若者の反発恐れ、方針転換 今後、死者149万人との予測も(1/1)

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2022年12月配信分
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月31日(土)号  映画「すずめの戸締り」にみる日本社会の戸締り ”誰が開きっぱなし”の扉を閉めるのか?(12/31)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月25日(日)号 国民民主党、連立入り? 自民と国民、共鳴する”民社党”の遺伝子 統一教会との関係も 公明党はどうなる? 創価学会の集票力懸念(12/25)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月24日(土)号ディズニー&ジェームズ・キャメロンVS和歌山・太地町&二階俊博 映画「アバター」続編で対立の火ぶたが切って落とされる なぜ日本はイルカ漁に固執するのか? 結局は”利権”目当てか?(12/24)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月18日(日)号 防衛省が”ステマ”工作研究? 自称インフルエンサー、所詮は利用される運命(12/18)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月17日(土)号 どうなる? サッカーW杯2026年大会 48カ国が参加 グループステージは3試合から2試合へ 高騰する放映権料 もはや“有料”放送が当たり前?(12/17)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月11日(日)号 旧統一教会と地方議員の”接点”明らかに 一方、障害者支援施設SANCYO/TANOSHIKAの嘉村裕太は、精神障害者に対し、「政治に文句をいうなら統一教会の支援を受けて政治家に立候補せよ」と圧力 福岡県大川市長倉重良一・久留米市長原口新五も同調(12/11)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月10日(土)号 どうなる、岸田首相の行く末は? 退陣? 早くても年内まで?  「検討使」の裏で着々と右翼政策は実行  自民、国民民主と連立?(12/10)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月4日(日)号 防衛費増額 有識者会議にメディア関係者  法人税増税盛り込まず 自民党とマスコミ(12/4)
  • モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)2022年12月3日(土)号 政治問題化するサッカーW杯 なぜカタールへの招致が決まったのか? カタールと日本 カタールで起きていることは、未来の私たち 地球温暖化とスポーツ(12/3)

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image by: Lombroso, Public domain, via Wikimedia Commons

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