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TOKYO, JAPAN - MAR 2020 : Back shot of unidentified crowd of people walking down the street in busy rush hour. Many commuters going to work. Japanese business man and woman, job and lifestyle concept.

移動時間が「労働時間」になる?社会保険労務士が“具体的な事例”を解説

仕事中の移動時間は「労働時間」になるのか?考えたことがない人も多いのではないでしょうか?今回、無料メルマガ『採用から退社まで!正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者で社会保険労務士の飯田弘和さんが、移動が労働になる/ならないケースを詳しく解説しています。

移動時間が労働時間になるとき

よくいただくご相談に、移動時間について、それが労働時間になるのかどうかといったものがあります。

労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間をいいます。

明示の業務指示だけでなく、黙示の業務指示であっても、使用者の指揮命令下にあることになりますので労働時間になります

そして、労働時間であれば、当然に賃金が発せします。

そこで問題になるのが、直行直帰の時間や業務途中の移動時間です。

特に建設業や訪問介護業などで、問題になることが多いです。

例えば、建設業では、朝会社に集合して、そこで社用車に皆で同乗して現場に向かう場合や、訪問介護ヘルパーが、利用者宅から次の利用者宅へ向かう場合などが想定されます。

移動時間については、

1.移動中に業務の支持を受けず
2.業務に従事することもなく
3.移動手段の指示も受けず
4.自由な利用が保証されている

場合には、労働時間に該当しないとされています。

そうなると、例えば、会社から社用車を運転しての移動を命じられた場合、「3.移動手段の指示」を受けていることになります。

また、社用車の運転を指示されての移動は、主たる業務に付随する業務と考えられます。

したがって、会社から社用車を運転しての移動を命じられた場合の移動時間は、労働時間と考えられます。

では、朝会社に集合して、そこで社用車に皆で同乗して現場に向かう場合の移動時間は労働時間になるのでしょうか。

この場合、社用車に皆で同乗して現場に行くことが、会社の指示であるならば、この移動時間は労働時間に該当する可能性があります。

ただ、現場に行くのに、自ら直接に現場に行ってもいいし、社用車に皆で同乗して行ってもいいというのであれば、その移動時間は会社の指示による、会社の指揮命令下の時間とは言えないでしょう。

しかし、この移動中も、車内で何か業務を義務付けられているならば、それは労働時間に該当します。

一般的には、このような場合には、運転者については、その移動時間は労働時間と考えられますが、それ以外の同乗者については、車内で自由に過ごすことが認められているならば、その移動時間は労働時間には該当しないと思われます。

次に、訪問介護ヘルパーでよくみられるような、利用者宅から次の利用者宅への移動時間について考えます。

この移動時間のすべてが労働時間に該当するわけではありませんが、通常の移動に要する時間については、その時間は、「4.自由な利用が保証されている」とは言えないので、労働時間に該当すると考えられます。

ちなみに、たとえ移動時間が労働時間に該当する場合でも、本来の業務に対する賃金額と移動時間の賃金額を異なるものにすることは可能です。

その場合には、あらかじめ、それぞれの賃金額を定めておくことが必要です。

しかし、そうであっても、各都道府県の最低賃金額を下回ることはできません。

image by: Shutterstock.com

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就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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