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米ボーイング社が「ビン・ラディン首切り作戦」に投入された大型機動ヘリ最新型を韓国軍へ提案した意図

北朝鮮からの脅威を一番身近で感じている韓国。軍事にも力を入れていますが、今回、無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、米ボーイング社から韓国に提案しているという「機体」について紹介しています。

首切り特殊作戦用ヘリコプター

韓国が特殊作戦用大型機動ヘリコプターの導入を推進している中、米ボーイング社によってビン・ラディン氏の首切り作戦に投入されたCH-47チヌーク(Chinook)ヘリコプターの最新型であるCH-47ERが提案されている。韓米が有事の際、特殊戦司令部の斬首作戦などに使用する特殊専用最新型チヌークヘリを15~20機ほど追加導入する案を検討中だ。導入物量は18台が有力だという。

12月6日、米防衛産業会社ボーイングによると、韓国陸軍が新たに導入を検討中のCH-47ERは標準型に比べて2倍以上の燃料搭載が可能であり、強風が吹く特殊戦環境でも安全な運営ができるよう飛行性能が強化された。

パトリック・サーパスH47チヌーク事業開発担当理事は先月30日、アリゾナ州メサのボーイング生産施設で会った取材陣に「チヌークヘリは2011年5月2日のオサマ・ビン・ラディン暗殺作戦にも使われた」とし「韓国にも潜在的斬首作戦の対象があるならばチヌークが使われる可能性が高い」と話した。

ボーイングは、北朝鮮の戦車戦術など韓半島の安保状況を別途研究し、対戦車兵器である大型攻撃ヘリコプターAH-64Eアパッチ性能改良などにも反映していると説明した。

ボーイング側は「北朝鮮軍に対する色々な場合に備えた研究が進行された」とし「韓国軍の要求に合わせてアパッチ、チヌークなど新型兵器を開発、製作している」と明らかにした。

一例として、韓国軍は山岳地形など韓半島の特殊性を考慮したヘリコプター無線装備システムの装着の必要性が提起されたこともあるという。ボーイングのアパッチ・チヌーク開発チームには平沢(ピョンテク)キャンプハンフリーズなど在韓米軍で服務した高位将校数人が迎え入れられて投入されたことがわかった。

多目的ヘリコプターであるチヌークは、軍輸送、捜索および救助、人道主義および災難救護から特殊作戦に至るまで多様な作戦に使われている。ボーイングCH-47FブロックII機種は有効搭載重量最大2万7700ポンド、最大離陸重量5万4000ポンド(2万4494kg)だ。

先立って韓国防衛事業庁は4月13日、第152回防衛事業推進委員会を開き特殊作戦用大型機動ヘリコプターを国外購買することを議決した。2024年から2031年まで進められる同事業には、総事業費約3兆7000億ウォンが投入され、計18台が導入されるという。

防衛事業庁は事業妥当性調査を経て最終推進方案を用意する予定だ。これを通じて陸軍は特殊作戦のための空中浸透能力を確保し、空軍は探索救助能力を補強できるものと期待している。この事業にはボーイングのCH47の他にもロッキードマーティン・シコルスキーのCH53K、レオナルドのAW101が事業参加の意思を明らかにしている。特殊作戦用大型機動ヘリコプターの1台当たりの価格は1300億ウォン前後と推定される。

これと共にボーイングは、韓国空軍が推進しているF-15K戦闘機性能改良事業で、操縦席とレーダーなど機体の前部を丸ごと変える方式を提案した。ボーイング関係者は「韓米がF-15K性能改良事業と関連して終盤議論を進行している」としてこのように明らかにした。

特にロバート・ノボトニーF-15制空権事業開発専務理事は「F-15EXは戦闘機前方部分アップグレード事業になると予想される」として「F-15K後方部分は維持がうまくいっており今回の事業に含まれない」と話した。彼は「レーダー交換など部品交換をする方式も考えてみたが、韓国国防研究院(KIDA)で研究してみた結果、機体前方部交換が一番効率的だと結論が出た」とし「機体は前方部と後方部が組立形態で連結されているため、文字通り操縦席のすぐ後ろ側と翼が始まる部分の間を引き離すことができる」と説明した。

これと関連して防衛事業庁は昨年12月28日、第148回防衛事業推進委員会を開きレーダーと任務コンピュータ、電子戦装備などを交替する「F-15K性能改良事業」推進基本戦略案が審議・議決した経緯がある。

国外購買方式で2034年までに総事業費約3兆4600億ウォンが投入される。これを通じて空軍が運用中のF-15K戦闘機に多重位相配列(AESA)レーダーなどが装着されれば、任務能力と生存性が大幅に向上するものと期待される。

ボーイングが提案したF-15K性能改良事業は、F-15SEに搭載されたAESAレーダーであるAN/APG82レーダー装着、操縦席ディスプレイ機能強化、新型電子戦装備EPAWSS(Eagle Passive Aarning Survivability System)搭載の大きく3つだ。

ボーイング関係者は「より遠くを見てより遠くを飛ぶことができるようになる」とし「韓米空中連合作戦時、米空軍戦闘機との相互運営性がさらに向上するものと予想される」と話した。これと共にボーイングの次世代海上哨戒機P8A6機が来年製作が完了し、早ければ2025年から韓国海軍に引き渡される予定だ。

ボーイング側は「2018年に韓国海軍の次世代海上哨戒機に選定され、計6機導入することで契約されたP-8Aポセイドン6機のうち4機を製作し、残りの2機も来年完了し海軍に引き渡される予定」と明らかにした。

一方、2024~2034年に計3兆4600億ウォンが投入される韓国空軍主力戦闘機F-15K性能改良事業と関連してボーイング側は「AN/APG82レーダー装着、操縦席ディスプレイ機能強化、新型電子戦装備EPAWSSを搭載し、より遠くを見てより遠くを飛ぶことができるようになるだろう」とし「韓米空中連合作戦時、米空軍戦闘機との相互運営性がさらに向上するだろう」と説明した。(文化日報参照)

image by: Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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