1月20日にトランプ大統領の就任式があり、これで第二期トランプ政権が発足しました。トランプ氏が「問題だ」と思っているにも関わらず、明確な対処を決めかねていることが二つあると指摘するのはメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤さん。その大きな二つの問題とは何なのでしょうか?
トランプ次期大統領の最大問題
1月20日は米国大統領の就任式でした。
ウクライナ戦争、イスラエルのガザ紛争、北朝鮮の核、中国との経済戦争、等々、問題は山積みです。
トランプはすでに自身の考えを発表し幾つかの手を打っています。
しかし、私から見ると、彼が本当に問題と思っていて、しかし明確な対処を決めかねている事が2つあります。
一つは、すでに米国にすでに入っている不法移民をどうするかという問題。
おそらく現在2000万人以上の不法移民が米国内にいると思われます。彼らを公約どおり国外退去させることは並大抵の事ではありません。
最初は「犯罪歴のあるものから国外追放する」といった段階的な手段をとるでしょうが、それでも大きな混乱を生むでしょう。
国外追放の危機を感じた不法移民が結束してテロ集団と化すかもしれません。
またニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルスといった主要都市は民主党の強いサンクチュアリ(聖域)都市です。反トランプで不法移民を保護する政策をとっています。
その地域の警察の協力は期待できません。
トランプの看板政策だけに絶対にうやむやにできません。
治安を維持したまま、不法移民を国外退去させる方法があるのでしょうか?
これが第一の問題。
第二の問題は、左派マスコミへの対応です。
一般米国人でさえ主要マスコミの偏向報道に呆れているのですから、トランプ自身の怒りは想像にあまりあります。
彼は何とかしてマスコミに復讐したいと思っているでしょう。
その復讐心が自制心を超えた場合、とんでもない規制がされるかもしれません。そして多くの米国民もその怒りを理解して支持するかもしれないのです。
この2つの問題は、海外問題とは質的に異なります。
世界一の大国、米国の治安と民主主義の根幹にかかわる国内問題です。
対処を間違えると国の自壊に向かう可能性すらあるのです。
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PS
米国の主流派メディアにも多少の論調変化があります。
米国ニューヨーク・タイムズ紙1月18日に「トランプ氏の政策への支持は、トランプ氏への支持を上回る」との見出しの記事がありました。
「世論調査によると、一般市民は(トランプが嫌いでも)彼が掲げる不法移民の国外追放や海外への米国の関与縮小に共感していることが分かった」との事。
(この調査は反トランプのニューヨークタイムズ自身が行ったものです)
つまり結果は、トランプは嫌いだが「政策的にはトランプを好む」人が存在する事を示しています。
実際、私の知っている米国のトランプの支持者は「トランプが嫌いな人の気持ちは分かる。しかし政策でトランプを選ぶ」という人ばかりです。
それに対して、トランプの不支持者は「トランプを支持する人の気持ちがわからない。バカじゃないか」と言っている人が多いです。
どちらが情報から遮断されていたのでしょう?
反トランプ、トランプ不支持者の人達です。
左派マスコミは、トランプの説得力のある主張を、トランプ不支持者から遮断したのです。
そして「トランプ支持者は乱暴で無知な白人」というイメージを流布したのです。
一部の事実を膨らませ、ある事実は報道しない。そのような手法です。(彼の過激な発言に焦点をあて、説得力のある主張は報じない)
多くのトランプ支持の米国人がマスコミを信じられないようになったのも無理がありません。
今後、左派主流派メディアがトランプの「政策」を公平に報道できるのか、注目したいところです。
社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために
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