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松本人志が活動再開へ!そこに寄生する中居ファンの不穏…『ダウンタウンチャンネル』は“尖った笑い”で松本の天才を再証明できるか?

松本人志が芸能活動を再開することがわかった。その舞台はサブスク配信の『ダウンタウンチャンネル』。YouTubeなどに依存しない独自プラットフォームだが、なぜか松本ファン以上に中居正広ファンが色めき立っており、予期せぬ悪影響を指摘する声があがっている。

松本人志が芸能活動再開へ。『ダウンタウンチャンネル』前評判は上々

お笑いコンビ・ダウンタウンのインターネット配信サービス『ダウンタウンチャンネル(仮称)』がこの夏にもスタートすることがわかった。読売新聞が25日、吉本興業関係者の話として報じたもの。その後スポニチの取材に吉本が事実を認めた。

実現すれば、『週刊文春』が報じた一連の性加害疑惑によって芸能活動を休止した松本人志(61)は、体調不良で休養中の相方、浜田雅功(61)とともにテレビではなく動画配信で芸能活動を再開することになる。

「似たような観測記事は過去にもありましたが、いよいよ本決まりになったようですね。松本さんのファンからは早速、≪コンプラ重視のテレビは面白くない、松っちゃんにはサブスクで暴れてほしい≫など期待の声が多数あがっています。世間の反応も上々ではないでしょうか?」(芸能ライター)

SNSでは、≪松本を見たくないやつは、清廉潔白なテレビwを見てろよ≫≪見たい人間が金を払うモデルだし文句はないでしょ≫といった投稿も。もっとも松本は“不謹慎な笑い”がコンプラ基準に抵触したという理由でテレビから消えたわけではない。そのため、≪あれだけ意気がっておいて、一度も会見なしはダサすぎる≫≪単なる逃げでしかない≫など批判もみられる。それでも――、

「見たい人間だけが金を払う、これに文句をつける権利は誰にもない、というロジックは非常に強力で、こんどこそ『ダウンタウンチャンネル』は開設にこぎつけることでしょう。YouTubeなど他に依存しない独自プラットフォームゆえに、アンチによる“通報”や“不買運動”もまったく無意味。定額課金のサブスクならではの強さがあります。

喜びに沸く松本さんのファンの意見を眺めていると、“文春砲をなかったことにしたい”という心理が垣間見えるのは事実です。ただ、それとはまったく別の次元で、“解き放たれた松っちゃん”の新しい笑いを見たい、という気持ちにもウソはないように感じられますね。

私の同業者の間でも、≪もう一度キレキレな松っちゃんを見てみたい≫≪絶対サブスク契約する≫という人間は多い。仕事柄、サブスク代を経費に計上できる点は割り引かないといけませんが…」(前出の芸能ライター)

いま活躍するお笑いタレントで、松本の影響を受けていない人間などほとんどいないだろう。その“笑いの天才”が再始動するとあって、『ダウンタウンチャンネル』への巷の期待感は思いのほか高いようだ。

松本にとって「中居正広ファン」が不安要素になる理由

ただ、そんな中でも不安要素はあるという。中居正広ファンたちの動向だ。

「実は今回の発表で、松っちゃんファン以上に色めき立っているのが、“中居ヅラ”と呼ばれる熱狂的な中居正広ファンたちなんです。≪松っちゃんの次は中居くんが復活する番だ≫という希望的観測はまだ理解できるのですが、≪『ダウンタウンチャンネル』に中居くんも出てほしい⇒出るに違いない⇒出ることが決まっているらしい≫という感じで、尾ひれが付いた話が事実のように拡散されている現状はなんとも…。このムードは、松本さんにとってはマイナスのほうが大きいのではないでしょうか?」(前出の芸能ライター)(次ページに続く)

“尖った笑い”で天才を再証明する松本。中居ファンが邪魔なワケ

松本人志の芸能活動再開と『ダウンタウンチャンネル』開設のビッグニュースに、中居正広ファンたちが“相乗り”しようとしている。

この危うさについて、別の芸能関係者が指摘する。

「吉本やダウンタウン側にはメリットとデメリットがある。まず最大のメリットは何と言ってもサービスの初期登録者数を確保しやすくなること。中居ファンは年齢層が高く金払いのいい女性たち。彼女たちをサブスクライバーにカウントできるのはビジネス上、大きな魅力となる。

いっぽうでデメリットも無視できない。松本ファンがサブスクに求めるであろう“新しい笑い”と、中居ファンが求める“癒やし”や“救済”は相性が悪い。“文春砲を浴びたファン同士”という仲間意識だけでは絶対に埋まらない根本的な溝が両者にはある。そんな中、『ダウンタウンチャンネル』全体として“中居色”を強く出しすぎると、チャンネル運営が安定軌道に乗る前に、松本信者が離れてしまうという本末転倒にもなりかねない。

松本は笑いの天才『だった』。なぜ過去形かというと、近年は取り巻きの後輩芸人たちの“トークを回す”立場に安住して、世間の評価から逃げてきたため。ニュースバラエティのMCをやるようになってからは、故・安倍晋三元総理など政治権力におもねる姿勢も目立っていた。

それと同じことを今さらサブスクで“再放送”しても登録者をつなぎとめるのは難しい。テレビのコンプライアンスも言い訳にはできない。となるとビジネス上、尖った笑いに立ち返り、もういちど“天才を証明”することが求められる。その際に、中居ファンの顔色を気にしているようではロクな作品を作れなくなってしまう。

さらに、このタイミングで“松本&中居復活”を下手に強調して、再び文春を“怒らせる”ことになったら目も当てられない。フジテレビ第三者委調査報告書の“全裸手招きタレントU”の疑惑はくすぶったまま。初夏とも言われるチャンネル開設に無事こぎつけるには、中居とは“絶縁”するくらいの警戒心が必要なはずだ」(芸能関係者)

では、『ダウンタウンチャンネル』にファンたちが求めるであろう“尖った笑い”とは、具体的に一体どのようなものなのだろうか?(次ページに続く)

「豆」がヒント?松本人志はどんな新作を生み出すか

松本人志と浜田雅功は、ともに兵庫県尼崎市出身。彼らが子供時代を過ごした頃の“アマ”は光化学スモッグが立ちこめ、ときにアスベストが飛散することもある“工業の町”だった。

お世辞にもガラがいいとは言えない下町には、多くの出稼ぎ移住者や在日外国人が暮らしており、いわゆる「同和問題」において「被差別地域」と呼ばれるエリアも市内に点在していた。

ナチュラルな差別が横行すると同時に、反差別闘争も盛んだったという当時の尼崎。そんな土地柄から生まれたとしか思えない、『ダウンタウン』の尖りまくった名作コントが存在するという。先の芸能ライターが説明する。

「『ダウンタウンのごっつええ感じ』で1997年に放送された、『』というコントがそれです。豆嫌いの子供が、食事中に親の目を盗み、こっそり豆を捨ててしまう。すると“豆のもん”を名乗るヤクザ風の男2人が突然、家に乗り込んでくる。男たちは“ここ座れ”“えらいことしたなぁ”“自分が何したか言ってみぃ”などと因縁をつけ、“おまえ豆捨てたやんけ!”と、子供に豆を捨てたことを謝罪させる――という内容です。これだけなら食育のようにも思えますが、もちろんそうではありません。その後、男たちは家族全員に『豆と日本人』という洗脳映画の鑑賞を強要し、はては父親をクルマに詰め込み拉致してしまうのですから…(笑)。

実はこれは、関西出身の人間なら誰もが『あの部落解放同盟をおちょくっている…』と震撼してしまうコントなんですよ。当時の『解同』はまだまだ力を持っていて、うっかり“差別者”と認定された個人や企業は徹底的に“糾弾”されたものでした。地上波でそのタブーをやすやすと破ったということで、今でも最高のコントの1本に挙げるファンがいるほどの名作です。個人的には、こういう尖りまくったお笑いをサブスクでたくさん見てみたいと思っています」(芸能ライター)

このコントで松本や浜田は、反差別団体による「差別糾弾会」や、当時の小学校でよく上映されていた「道徳映画」の理不尽と欺瞞を暴き、一流の笑いに昇華してみせた。その背景には、部落差別(同和問題)を口実にして企業や官公署等に不当な利益や義務のないことを求める“えせ同和行為”への問題意識もあったはずだという。

【関連】「えせ同和行為」を排除するために(法務省)

かつてタブーだった“えせ同和”問題が、今でいうところの何に相当するのかはわからないが、たとえばこの「豆」のようなコントを多数用意できれば、『ダウンタウンチャンネル』は想像以上の急成長を遂げる可能性もありそうだ。

あるいは、松本には“自分をスキャンダルで理不尽に追い詰めた”文春砲が、えせ同和界隈で有名な“差別される側が差別だと感じたらそれは差別である”という「朝田理論」と同じに見えているのかもしれない。

いずれにせよ今後、松本がどんな新境地を切り拓くのか注目だ。

image by : 松本人志 吉本興業公式サイト

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