優秀でやる気がある人ほど、知らず知らずのうちにはまっている罠があるそうです。「6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」として知られる石川和男さんは、自身のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の中で、完璧主義の意外なデメリットについて語っています。
その努力、ムダかも? 優秀な人ほどハマる完璧主義の罠!
あなたの「その努力」、もしかしてムダになっているかもしれません。
やる気がある人ほど陥りがちな「完璧主義の罠」。実は、完璧を目指すその姿勢が、仕事のチャンスを逃しているとしたら…?
今回は、完璧を目指さないほうがうまくいく理由について、お話しします。
「神は細部に宿る」
これは、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの有名な言葉です。
細部にまで徹底してこだわることで、作品が命を持つ──その姿勢に共感する人も多いでしょう。
私自身、建設会社に勤めていることもあり、工事の現場では一切の妥協なく“完璧な仕上がり”を追求しています。
なぜなら、小さなミスが信用を失い、次の受注に響くから。だからこそ、細部に神を宿らせる気持ちで臨んでいます。
でも、です。
それと同じ感覚で、社内資料や提出前の企画書にまで「完璧」を求めていませんか?
特に、やる気のあるビジネスパーソンほど、つい完璧を目指して時間をかけすぎてしまう。
でも社内資料は、100点を目指すより、70点のスピードが大事。見てすぐ伝わるなら、それで十分なものもたくさんあります。
たとえば──
ある日、部下に会議用の資料を頼んだときのこと。
1時間で終わる内容だったはずなのに、2時間経っても出てこない。不安になって様子を見に行くと、「あと1時間ください」と。理由を聞けば、1円単位で数値を調整し、グラフに丁寧な装飾を加え、ネットで裏付け資料まで探していた…。
指示を曖昧にした私にも非はありますが、まさかそこまで“完璧”を追っていたとは。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
実は、こうした傾向は、優秀な新入社員ほど陥りやすい罠でもあります。
ある建設会社の役員の方が言っていました。
「うちの新入社員は真面目で優秀。でも完璧を求めるあまり、60点でいい書類も出てこない。30代になってようやく力の抜きどころを学ぶんですよ」と。
──昔の私も、まさにそうでした。
「社内報に載せる原稿と写真を用意して」と言われた時、私は1日がかりで“完璧”を目指しました。
すると先輩にこう怒鳴られました。
「そんな1円にもならない仕事に、何時間かけているんだ!」と。
当時は理解できませんでした。でも今は、その言葉の意味がよくわかります。
完璧にこだわるあまり、スピードを失う。
その結果、方向性がズレた資料を作ってしまえば、やり直しでさらに時間を失う。
これはもう、「ムダ」としか言いようがありません。
仕事の成果は、【完成度 × スピード】です。
たとえ仕上がりが素晴らしくても、コストがかかりすぎればマイナス評価になります。
メールも同じですーーー(『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』2025年5月22日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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