「やる気はある。真面目に取り組みたい。中途半端なものは出したくない」そう考える人ほど、「完璧を目指す姿勢」そのものがブレーキになっている場合があります。今回は、自身のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の中で、真面目で優秀な人ほど陥りやすい思考の落とし穴と、ビジネスの現場で成果を出すための現実的な視点について掘り下げています。
やる気はあるのに動けない。完璧を求めるほどハマる「見えない罠」
「神は細部に宿る」
これは、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの言葉として広く伝わっています。
作品の完成度を高めるために、細部にまでこだわり抜く。
妥協なく積み上げられた仕事には、人の想像を超える美しさが生まれる。まるでそこに神が宿っているかのような完成度になる。そんな意味が込められています。
私たちが普段ふれている建築物や芸術作品、オーダーメイドの製品には、確かにその精神が必要不可欠です。
少しの誤りが致命的になったり、信用・評価に直結する世界では、「完璧」は価値そのものです。
もしあなたが同じ建築業やクリエイティブの分野にいるなら、きっとこの言葉に大きくうなずくはずです。
「雑に作ったものはすぐに噂される。信用を失えば次の仕事は来ない」
そういう世界では、完璧を追求する姿勢がプロフェッショナリズムです。
しかし、現実の仕事のすべてに、同じレベルの「完璧」が必要か?と考えると、答えは少し変わります。
たとえば社内資料。
たとえば提出前の企画書。
たとえばメールや段取り・依頼の文章。
これらに共通することは何か?
それは、「完璧よりスピードの方が価値になる場面が多い」ということ。
仕事に対して真面目で責任感が強い人ほど、完璧を求めてしまう傾向があります。
そして皮肉なことに、「優秀な人」ほど、その罠にハマるのです。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
ある一部上場会社の役員に聞いた話です。
「うちの新入社員は優秀で真面目。でも資料提出が遅い。完璧を目指してしまうからだ。『60点でいいから早く提出しろ!』と言っても、行動が変わらない。完璧主義は30代まで治らない社員もいる」と。
私はその話を聞いた瞬間、自分の新人時代を思い出しました。
社内報の記事と写真のレイアウトを任された日。
私は丸一日かけて、まるで作品のように仕上げました。文字間、写真の角度、文章表現、すべてにこだわったのです。
納品したあと、先輩に言われた言葉がこちら。
「お前、その仕事にいったい何時間かけているんだ。そんな1円にもならない雑務で時間を食わせるな。遅いと次の仕事が回らない。」
当時はショックでした。
私は「完璧=正義」だと信じていたからです。
でも今ならわかります。
成果=完成度 × スピード
100点の資料を3時間かけて作るより、70点の資料を30分で作り、必要ならあとから修正する方が仕事としては強い。
なぜなら、ビジネスは「提出してからがスタート」だからです。
もし不安なら途中段階で報告すればいい。
会社の提出物は、学校の答案と違って「出したら終わり」ではなく「出してから良くすることができる」のです。
これはメールも同じです。
社長へのメールは推敲に時間がかかるのに、友達へのLINEは一瞬で送れる。
なぜか?
それは、ーーー(『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』2026年2月26日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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