アップルが新たに投入した「MacBook Neo」が、パソコン市場に大きな波紋を広げています。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さん。石川さんは今回のメルマガで、Windowsユーザーの乗り換えを促す“新たな入口モデル”としての役割も期待されるというこのモデルについて詳しく語っています。
業界激震。最強コスパ「MacBook Neo」はMacBook Air以来の衝撃度―垂直統合モデルが実現した「円安」「メモリ高騰」に強いものづくり
今週発売となったアップル「iPhone 17e」「MacBook Neo」を試用する機会を得た。
実際に使ってみて、本当に驚かされたのがMacBook Neoだ。
価格は9万9800円。正直言って、送られてくる前は「チップにA18 Proを使い、コストを抑えたしょぼいMacBookなんて出して、アップルのブランドは棄損しないのか」とかなり心配していた。
しかし、実際に箱を開けてみると、いい意味で裏切られた。
本体の質感には一切、妥協がない。これが9万9800円、アメリカでは599ドルという値付けで売られることに衝撃を受ける。
実際にウェブを閲覧し、このメルマガの原稿を執筆したり、プレゼン資料を作ったりしたが、特にストレスを感じることはない。そもそも、iPhone向けのA18 Proの能力が高すぎるのだろう。
日常の業務も全く問題なくこなせる性能だ。
ここ数年のMacBookを振り返ると、インテルを辞め、自社開発のM1チップを搭載したことで劇的にパワーアップした。
M1がいきなりトップレベルの能力を発揮したため、その後、出てきたM2、M3、M4、M5が霞んで見えている。正直言って「M1を使っていたら、いつまで経っても不満が出ず、買い換える意欲を失う」という感じだ。
自分は2024年にM1 MaxのMacBook ProからM4 ProのMacBook Proに買い換えたが、それも使い勝手的には全く問題なく「そろそろ買い換えないとリセールバリューが落ちそうだから買い換えた」という理由だったりする。
自分の周りにいるM1搭載のMacBook Proユーザーも「買い換えは検討するが、いまのところ不満はない」という人が意外と多い。
アップルの決算資料を見ていると、Macの売れ行きは長らく横ばいが続いている。M1のパフォーマンスが高いゆえ、インテルから乗り換えて以降は買い替えが一向に進まないのは明らかだ。
そんななか、投入してきたのがMacBook Neoなのだろう。
この記事の著者・石川温さんのメルマガ
これはまさにといえる。かつて、MacBook Airが出た時以上のインパクトをパソコン市場に与えたように思う。
プレスリリースを読んだ時には「子供が最初に持つパソコンかな」と思ったが、実際に自分で使ってみて「子供に使わせるのはもったいない。自分で使う」と思ったほどだ。
一般的な企業が社員に持たせるノートパソコンとして最適すぎる。
ここ最近は、プレゼン資料の作成も、GeminiやGensparkに丸投げで、あとは修正のみということも多くなってきた。つまり、クラウドにあるAIの処理に依存する一方、手元にあるノートパソコンのマシンパワーはそこまで求められなくなってきたとも言えるのだ。
先日、iPhoneのプロダクトマーケティング担当ヴァイスプレジデントであるカイアン・ドランス氏にインタビューする機会があったが、iPhone 17eとMacBook Neoで9万9800円を実現できた理由について「アップルはハードウェア、ソフトウェア、チップなどあらゆるものを統合的に自社で開発、設計している点が大きい」と語っていた。
まさに垂直統合モデルがなせる技といえるのだ。
その点、Windows PCメーカーは対抗するのは容易ではない。
WindowsであればマイクロソフトがSurface、ChromeOSはAndroidと統合し、GoogleがPixelブランドか何かでノートパソコン型端末をテコ入れするしかないのではないだろうか。
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