悪質商法のジャーナリストである多田文明さんにかかってきた警察をかたる詐欺電話。多田さんは自身のYouTubeチャンネルなどでその様子をつまびらかに語っています。そして、メルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、実際に詐欺の電話を受けた事例をもとに、個人情報がどのように流出し、どのように悪用されるのか、その実態と対策について考察します。
私の個人情報はどうやって闇名簿に載ったのか。経緯を探ると…
12億円もの特殊詐欺の被害が起きた解説を前回のメルマガで行いましたが、ついに私自身にも警察をかたる詐欺の電話がかかってきました。
これまでも詐欺につながる自動音声ガイダンスの電話はあったのですが、出られるタイミングがなく、ようやく電話を取って「だまされたフリ」ができる時を迎えたわけです。
ニセ警察官は、私の住所、本名、マンションの部屋番号といった個人情報を知っていて、用意周到に電話をかけてきました。その顛末は、ヤフーニュースにしていますが、そこでは語り尽くせなかったことを書きたいと思います。
<参考資料>
ニセ警察官詐欺の電話にのってみるとこうなった 個人情報はすでに闇名簿に 2人目の詐欺師の最初の質問は?(多田文明)
特殊詐欺の電話がかかってきました(多田文明Channel)
詐欺師の音声も一部、ユーチューブにて公開しています。
多くの方が心配されるのは、自分の個人情報が流出して、闇名簿という形で売買されていないかということだと思います。残念ながら、私たちの個人情報はどんなに気をつけていても、漏れてしまうものと考えた方がよいと思います。
今回の件も、どうして個人情報が詐欺グループに知られたのかといえば、あの件かな?と思い当たる節があります。
私はさほど通販サイトで物を買いませんし、これまでこの種の個人情報を知っての詐欺電話がなかったところからすると、どこかの個人情報を登録した企業から漏れた可能性が出てきます。
実は、1か月ほど前に、原稿を書いた企業さんにサイバー攻撃があり、私の個人情報が流出したというお詫びの手紙が届いていました。その後、この詐欺電話がかかってきていますので、ほぼ間違いないと思います。
このように、どんなに私たちが個人情報を漏らさないようにしていても、流出してしまうものなのです。
つまり「漏れているかもしれない」という心構えをもって、個人情報を言われても慌てないことが必要です。
多くの人にとっては迷惑な話かもしれませんが、私にとっては詐欺師が向こうから飛び込んできてくれて、多くの人に詐欺に遭わないための啓発ができたことはよかったと思います。怪我の功名といえます。
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詐欺電話の手口が見えてくる対策とは?
「+」がついた国際電話でかかってきたら「詐欺」といわれていますが、その対策をかいくぐるためでしょう。私の時には、「070」の番号から、かかってきています。電話番号は偽装されたものではなく、折り返しかけてもとりあえずはつながります。しかし自動音声となり、詐欺犯自身とつながりませんでしたが。
先ほど、個人情報は漏れてしまうものといいましたが、被害に遭わないために大事なことは、最新の情報にアップデートされていないということです。
今回、警視庁をかたった詐欺師は、私の名前、住所などを告げる際、銀行への開示請求をして得られた情報ですが「あっていますか?」と聞いてきました。つまり手元にある情報が正しいという確信がないわけです。
本当は「違っています」と嘘の住所をいうことも可能でしたが、あえてニセ警察官詐欺の話を引き出すために、 「そうですね」と頷きました。
こうして、私の今の個人情報が犯罪グループ側で正確なものとして、認識されることになりました。
さらに「一人暮らしなのか」も聞いてきて、家族が同居しているのかも把握しようとしてきています。つまり、逆にいえば、こうした問いに答えないことが、詐欺に遭わないために大事ということになります。
この先には、ビデオ通話による事情聴取という形で、私たちの財産状況を把握しようとしてきます。氏名、住所などの個人情報、その先にお金の状況を把握する手口が待っています。
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