あくまで被害者に寄り添うために定められた「いじめ防止対策推進法」。しかしその運用を巡っては、自治体による「格差」があまりに大きいことも事実のようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、当サイトでも先日お伝えした「女性教諭による男子児童への不適切指導事件」の続報として、東京都小平市のいじめ第三者委員会による調査の実態を紹介。さらに「自治体ぐるみ」とも言うべき不適切な事実を白日の元に晒しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:小平市いじめ地獄第二弾~サウザー状態
小平市いじめ地獄第二弾~サウザー状態
前々回、女性教諭が男子小学生の“下半身近く”を20回も執拗にツンツン。裁判資料の「改ざん疑惑」まで浮上した東京・小平市の異常事態をお届けした。
いわゆる、小平、女性教諭、男の子の下半身をツンツンわいせつ事件だ。
【関連】女性教諭が男子小学生の“下半身近く”を20回も執拗にツンツン。裁判資料の「改ざん疑惑」まで浮上した東京・小平市の異常事態
これだけでも、相当ひどいが、私は記事中に、他にも問題があり過ぎるから、第二弾で書くとした。今回はその「小平いじめ地獄事件」の第二弾だ。
小平市のヤバい第三者委員会
さて、ツンツンわいせつ事件の被害保護者に聞くと、重大事態いじめの第三者委員会の相当にヤバい実態が見えてきた。
- 行為が実際にあり、被害児童がそれに苦痛を感じたとしても、行為をした側にいじめの認識がない場合はいじめとして認定できないことがある。
- 重大事態の1号・2号の別は報告書に載せるものではない。
- いじめ事態に対する対処など、調査報告書に記載するものではない。
- 裁判でも判決に至った経緯を示すことはないのと同じで、委員会が判断に至った中身を話すことはない。
- 重大事態調査の対象に教職員の行為は該当しない。
- 進学先市立中学校でのいじめの再発について、調査書になんか書けません。卒業しちゃっているんでしょ。
- 加害児童の行為や責任を明らかにしたいのなら、加害児童に対する訴訟をお勧めする。
- 学校の対応が問題なら、国家賠償訴訟を提起頂くことをお勧めする。
上は、録音ありで後日に発言した事実を証明できる第三者委員会の委員の発言である。
この全てが重大事態いじめのガイドライン(文科省)に違反するものであり、いじめ防止対策推進法の理念に違反する発言であるのだ。
これを有資格者の専門家が被害保護者に発言するのだから、堪ったものではない。
例えば、いじめの定義には故意過失のいずれも問わないのが当然であり、これは民法上の不法行為も同様である。一方で、被害側は加害者が故意なのか過失なのかを知ることはできない(だいたいは故意だが)。後日に、アレは事故だったと言いかねないわけだから、いじめ防止対策推進法の第二条のいじめの定義条文では、被害側が心身の苦痛を感じたらいじめと定義したのだ。
つまり、1.の発言は、もはや専門家の基礎のキがない、どうしようもない発言と判断基準なのだ。同様に、2.以下も全て誤りであることを指摘できるが、もはや話すまでもないレベルなのだ。
この段階で、読者の一部の方はお腹いっぱいになっているかもしれないが、まだまだある。
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ
官製妨害
問題となった自称第三者委員会の調査は2022年10月28日に開始され、2025年2月10日をもって一方的に調査は終了となったが、同年3月10日に郵送で調査報告書を被害側は受領している。同年6月25日に現委員長による報告会が保護者に対してあったが、2026年4月21日現在においても市長報告すらされず、再調査の検討にも進めない状況になっているというのだ。
同様に、重大事態いじめの被害の別の保護者も同じように、市長報告がされず、先に進めない状況だという。
これを「官製妨害」と言わずしてなんと言おうか、であるが、問題はさらにすごい。
なんと、自称第三者委員会は、調査報告書を作成せず、調査対象であった教育委員会が、調査報告書を作成したというのだ。これでは、泥棒が自分の罪を裁判官になって裁判するのと同様に、どうにでもなるではないか。
最近、「つんでる」という言葉が流行っているらしいが、もはや詰んでるわけだ。
そして、さらにダメ押し。
問題多発!まさに北斗の拳の世紀末状態 所見書は公表しないことを明記
小平市のいじめ防止基本方針が改定され、「対象児童・生徒及び保護者による『調査結果に係る所見をまとめた文書』については、公表しないものとする」との文言が付け加えられたのだ。
通例、重大事態いじめの調査報告書とセットで、被害側からの所見書が公開される。当然、個人情報に配慮し、黒塗りがされたり概要版になったりするが、これがスタンダードな教育行政の判断であった。
当然に文科省のガイドラインにも特別な事情がない限り公開が原則なっているのだが、小平市は被害側の意見は封殺するというのを、市のいじめ防止基本方針に明記してしまっているのだ。ここって民主主義でしたっけ?のレベルなのだ。
多発する教員や校長によるわいせつ事件
被害保護者によると、2011年以降、わいせつ加害などで教職員の逮捕者が後を絶たないという。
【小平市立学校の逮捕者(2011年~)】
2011年 ○○中 〇×〇×教諭(女子高生にわいせつ行為の強要)
2012年 ○○中 〇×〇×教諭(路上で女生徒を脅迫)
2012年 ○○小 〇×〇×教諭(女性宅に不法侵入 強制わいせつ未遂)
2014年 ○○中 〇×〇×教諭(女子中学生にわいせつ行為)
2024年 ○○小 〇×〇×校長(女子中学生に強制わいせつ、不起訴)
2025年 ○○小 〇×〇×教諭(わいせつ動画の販売)
武士の情けで報道には名前が出ているがここには書かないことにした。
ちなみに不起訴には種類がある。おおきく4つに分けると、以下のようになる。
- 罪とならず
被疑者の行為がそもそも犯罪の構成要件に該当しない場合に適用。例えば、正当防衛・緊急避難 - 嫌疑なし
捜査の結果、被疑者が犯人でないことが明らかになった場合に適用。真犯人が別に見つかった場合や、確実なアリバイがある場合など。 - 嫌疑不十分
犯罪の成立を立証する十分な証拠が集まらなかった場合に適用。疑いはあるが、有罪とするには証拠が不十分な状態。 - 起訴猶予
被疑事実が明白であっても、被疑者の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重や情状、犯罪後の状況などを考慮し、訴追の必要がないと判断された場合に適用。被害者との示談成立なども理由となることがあり、不起訴処分の約9割はこの起訴猶予に該当。
例えば、2024年の校長による事件では、被害側の証言、友人の証言があり、防犯カメラの分析の結果、逮捕されているという状態であったが、地検は不起訴理由を明らかにしていない。
しかし、この校長、なんと、「教育功労者」として小平市に表彰されているのだ。
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ
市長と教育長の蜜月
小平市のいじめ、体罰問題の被害家庭で結成された市民団体によると、「小林市長私設の政治団体である笑顔咲く小平が発行した小林洋子市政報告に2024年1月に掲載されたもの」とのことである。
「この報告書には小林市長と青木由美子教育長の対談記事が掲載されました。これは地方教育行政法11条第6項が禁じる『積極的な政治運動』にあたるものと考えられ、一部の議員から市議会で指摘がされました。」
後日、この写真は取り下げられたとのことだが、それ自体が、問題があったということの証左といえるのではないだろうか。
市民団体によれば、現教育長になってから、「いじめ重大事態の問題、敗訴となった教員の不適切指導、教員のわいせつ逮捕事案に加え、議決を経ない違法な物品購入(三役減給10%、1か月)、教員のパワハラ自死訴訟」という問題、不祥事が止まらない状況だという。
まだまだあるが
実はまだまだあるが、他のいじめ問題ではそのうち1つでニュースになるようなことが、小平市では次々と起きているわけだ。
同じ小学校で問題が多発し、重大事態となり、第三者委員会が調査となっても、判断がど素人でありしっかりとした調査がされず、報告書は調査対象であったはずの小平市教育委員会の誰かが書く始末、校長や教員がわいせつ事件で逮捕されても、市は表彰しちゃうという驚きの判断が実行中というわけだ――(『伝説の探偵』2026年4月23日号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方はぜひご登録ください。初月無料でお読みいただけます)
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ
image by: プチ田舎 東京都小平市 - Home | Facebook