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京都南丹市11歳殺害の悲劇は他人事ではない。再婚家庭で子どもが「大丈夫」と言う本当の理由

今年3月、京都府南丹市で11歳の男の子が義理の父親に命を奪われるという、あまりにも痛ましい事件が起きました。なぜこのような悲劇が起きてしまったのでしょうか。子どもにとって本来「安全基地」であるはずの家庭が、ある日を境に逃げ場のない場所に変わってしまうことがあります。今回のメルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者のパピーいしがみさんが、再婚家庭で子どもが抱え込んでしまう本当の気持ちと、親が絶対に見逃してはいけないサインについて、丁寧にお伝えします。

京都府南丹市の事件から思うこと

こんにちは、パピーいしがみです。

京都府南丹市で悲しい事件がありましたね。

そしてネットでは犯人探しがされていて、かなりデマも拡散されていました。

結果的に義理のお父さんが、結希くんの命を奪ってしまったようですが、犯人が誰か?では無く、私はずっと、違う思いを抱いていたんです。

その思いとは結希くんの気持ちです。

『家庭に問題はなかっただろうか?』

そして私の予感はほぼ当たっていたようです。

◆玄関を開けるとき、11歳は何を思っていたか

お母さんが昨年再婚して、自分の知らない大人が突然、家庭の中に入ってきた。

どうやら、その人との関係がうまくいっていなかったようですね。

近隣の方の証言では、暴力を目撃したという話もありました。

11歳の男の子が、毎日その環境の中で過ごしていた。

どれほど苦しかっただろうか。 どれほど怖かっただろうか。

学校から帰ってきて、玄関を開ける時、どんな気持ちだっただろうか。

◆再婚そのものが悪いわけではない、けれど

私はこれまで相談に関わるなかで、再婚に関するご相談も、本当にたくさんいただいています。

最初にはっきりお伝えしたいのは、再婚そのものが悪いわけでは、まったくないんです。

新しいパートナーと一緒に、お子さんを笑顔で育てていらっしゃるご家庭も、たくさん知っています。

新しいお父さんがお子さんにとって、かけがえのない存在になっているケースも、たくさんあります。

お母さんが幸せになることは、お子さんにとっても、本来は喜ばしいことなんです。

ただ──。

再婚する時に、どうしても見落とされがちなことがあるんです。

大人は自分で選んで、自分の意思で再婚します。

でも子どもは、選んでいない。

「新しいお父さんだよ」と言われた瞬間、その子の心の中では何が起きているか。

「この人は本当に自分を大切にしてくれるんだろうか」

「お母さんはこの人の方が大事なんじゃないだろうか」

「自分の居場所は、なくなるんじゃないだろうか」

こういう不安を、子どもは言葉にできないことがほとんどなんです。

むしろ、お母さんを悲しませたくなくて「大丈夫」と言ってしまう。

お母さんが幸せそうだから、自分の気持ちを飲み込んでしまう。

結希くんが友達に気持ちを漏らしていたのも、きっとお母さんには言えなかったからだと思うんです。

再婚したばかりのお母さんを、自分のせいで困らせたくなかった。

新しい家族がうまくいくように、自分が我慢しなければと思っていたのかもしれない。

それが、11歳なりの精一杯の心遣いだったのかもしれません。

でも、その気持ちは大人には届かなかった。

◆再婚家庭で意識してほしい3つのこと

だからこそ、子どもにとっての家庭について考えてみてほしいんです。

再婚する予定のある方、再婚された方は特に意識してみてほしいんですね。

(1)子どものペースが最優先になっているか?

「いい人だから、すぐに仲良くなれるはず」と思わないでほしいんですね。

それは大人の論理なんです。

大人のように物事を割り切ることは、子どもには難しい。

心が追いつくまでには、時間がかかるんです。

新しいパートナーを受け入れるかどうかは、お子さんのペースに合わせてあげてほしい。

急かさないこと、比べないこと、「なんでわかってくれないの」と思わないこと。

お子さんにとって、お母さんは唯一の安全基地です。

新しい家族関係を築く前に、まずその『子供にとっての安全基地』だけは、絶対に守ってほしいんです。

「どんなことがあっても、あなたの味方はお母さんだよ」という確信を、お子さんに持たせてあげてほしいんですね。

(2)子どもの小さな変化を見逃さないでほしい。

食欲がなくなった。笑わなくなった。

部屋にこもるようになった。

友達の家に行きたがるようになった。

学校に行きたくないと言い出した。

こういった変化は、子どもからの無言のSOSです。言葉にできない分、体や行動でサインを出しているんです。

特に「家にいたくない」という行動が増えた時は、要注意です。

家がその子にとって、安心できる場所じゃなくなっているサインかもしれない。

友達の家、祖父母の家、どこか別の場所にいたがる時、そのサインを「気のせいかな」で終わらせないでほしいんです。

(3)直接聞くことを、恐れないでほしい。

「新しいお父さんのこと、どう思ってる?」

「何か嫌なことはない?」

「家にいて安心できてる?」

こう聞くことを怖がるお母さんがいらっしゃいます。

「嫌だって言われたらどうしよう」

「せっかくうまくいっているのに、余計なことを聞いて壊したくない」って。

でも、聞かないことの方が、ずっと怖いことなんです。

聞いてあげれば、子どもは「お母さんは自分のことを気にかけてくれている」と感じられます。

たとえ「嫌だ」と言われたとしても、そこから一緒に考えることができる。

「そうか、嫌だったんだね。教えてくれてありがとう」

その一言が、子どもの心の支えになるんです。

でも聞かなければ、子どもは一人で抱え込みます。

そしてお母さんではなく、友達にしかSOSを出せなくなる。

結希くんがそうだったように。

◆家庭は、子どもにとっての安全基地

私がこれまでずっとお伝えしてきたことがあります。

「家庭は、子どもにとっての安全基地」

学校でどんなことがあっても、家に帰れば安心できる。

お母さんが自分の味方でいてくれる。自分はここにいていいんだと思える。

その感覚があるから、子どもは外の世界でも自分を保つことができる。

いじめに負けない力も、自己肯定感も、すべてここから育つんです。

でも、その安全基地そのものが、安全じゃなくなっていたとしたら。

11歳の子どもに、自分の力で環境を変える手段はありません。

学校がつらくても、家に帰れる。でも家がつらかったら、どこにも行けない。

逃げ場がないんです。

◆「大丈夫」を信じる前に、目を見てほしい

また、最後に全ての方にチェックしてほしいことがあります。

「大丈夫」と言っているお子さんが、本当に大丈夫かどうか。

一度だけ、目を見てみてください。

特に、再婚・引っ越し・転校など、お子さんの環境が大きく変わった時。

子どもの世界は、大人が思う以上に揺れています。

その時に「あなたのことを一番大切に思っているよ」と、言葉で伝え続けること。

それが、どんな言葉よりも、子どもの心を守りますからね。

image by: shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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