韓国・済州島で開催された国際フォーラムで河野太郎元防衛相が、日韓協力の必要性や地域安全保障の将来像について発言しました。その内容は、日韓関係にとどまらず、東アジア全体の安全保障構想や国際秩序のあり方にも踏み込むものとなっています。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、その発言を語ったサウスチャイナモーニングポストの記事をもとに、日本にとっての日韓協力の意味と、今後想定される地域戦略の方向性について考えています。
相互依存に向かう日韓の防衛関係
本日は日韓関係の話。
韓国南部の済州島で6月24~26日に「第21回平和と繁栄のための済州フォーラム」が開催されました。
そこで河野太郎元防衛相が記者会見しました。
それを香港、サウスチャイナモーニングポストが記事にしています。
記事抜粋
米国が揺れる中、河野太郎元防衛大臣が「日本と韓国には互いしかいない」と発言。
米国による東アジアへの関与が不透明になる中、日本と韓国は地域の安定を確固たるものにするため、より強固な安全保障同盟を構築すべきだと、河野太郎氏が述べた。
「東アジアの平和と安定のためには、日本と韓国が経済面だけでなく、非常に強固な安全保障同盟を築くことが不可欠だと考える。日本と韓国は腰を据えて、この地域の安全保障について話し合う必要がある」
「東アジアの情勢を見れば、日本と韓国には互いしか頼れる相手がいない。フィリピンは少し遠く、オーストラリアはさらに南にある。米国はいるが、私たち自身も努力を強化する必要がある」と彼は強調した。
河野氏の発言は、北朝鮮が核能力を着実に拡大する中、日本が防衛能力の強化や、軍事準備態勢を向上させるための憲法の改正を目指している時期に発せられたものである。
朝鮮半島を含む地域の安全保障上の懸念を指摘し、米国が以前ほどこの地域への関与を示さなくなっている中、日韓が互いに依存し合う必要性を強調した。
解説
長期的には日本と韓国はお互いしか頼れる国はないのだ、という意見です。
さらに河野氏は大きな枠組みについても述べています。
記事抜粋
韓国と日本の関係強化を推進する一方で、河野氏は、北朝鮮問題に対処するいかなる枠組みにおいても中国を巻き込む必要があると述べた。
「中国は確かに北朝鮮に対して強い影響力を持っている。したがって、北朝鮮問題に対処する際には、間違いなく中国を交渉の場に引き入れなければならない」と同氏は述べた。
また志を同じくするアジア諸国をNATOに迎え入れることで地域安全保障体制を拡大し、NATOを地域機関から世界的な機関へと変革することを提案した。
「日本、韓国、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、その他の志を同じくする国々がNATOに加盟することを期待している。NATOは単なる地域組織にとどまらず、我々の共通の価値観を守るための世界的な機関となるだろう」
解説
特に説明を要しません。日本の今後の選択肢としてありえる話です。
この河野太郎氏の英語講演を聴いたことがありますが、論旨の明快さと質疑応答の流ちょうさに驚きました。
世界情勢は激変しています。
日本の世論だけがかけ離れていると適切な政治的決断ができません。
根源的な提言をする姿勢を評価したいです。
この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com